不正出血が茶色く少量でる原因!【この病気かもしれません】
<監修医師 まっちゃん>
女性にとって身体の異変はとても繊細な問題です。特に生理でもないのに、突然下着に茶色く変色した血などが付着していたら非常に不安ですよね。
生理以外で出血が起こることを「不正出血」と言います。この不正出血、実は約65%の女性が経験しているといわれ、自分は大丈夫と楽観視できるものではありません。
しかも、少量でも出血しているということは、もしかしたら何らかの病気にかかっている可能性も高いのです。
本来であれば起こらないはずの不正出血が、どのような原因で起こるのか。またはどんな病気の恐れがあるのか、その改善方法などをまとめました。
茶色い不正出血が少量でる原因
生理後などの月経の時以外に性器から出血することを不正出血といいますが、ほとんどの場合ホルモンバランスの乱れで経血の排出がきちんとできていないことが原因と考えられます。
生理不順の傾向がある人ほど起こりやすいといわれ、前回の生理で排出されるはずの経血が子宮内に残ってしまい、次の生理に出てくることもありますが、出血の期間が3~7日以内であれば正常な範囲内として問題ないと判断されます。
しかし、不正出血は出血の量や頻度は病気の重さと一致しないため、「たまにしか出ないから」「少量だから」と思い込んでしまうのも危険です。
どういった原因で出血が起こるのかを事前に知っておき、思い当たることがある人は婦人科などで必ず相談しましょう。
排卵出血が原因になる
排卵出血とは、排卵日の1日前や、もしくは2日前などに見られる出血のことです。生理周期を28日として、生理と生理のちょうど間、生理後の約2週間後に排卵出血があります。
排卵出血で起こる主な症状は、出血量が少量で、期間も1日だけだったり、長くても3日間と短いといった特徴があり、排卵痛と呼ばれる下腹部痛が起こることもあります。
そして、色は黒に近い色や薄い赤色、茶褐色か真っ赤な鮮血などというように個人差があるため、色だけで排卵出血であるかどうかの判断は難しいといえるでしょう。
ただし、排卵出血の頻度は毎月あるものではなく、症状が出ない女性の方が多いため、もし排卵日に近い時期に出血が見られなくても心配する必要はありません。
ただ、他の不正出血の原因と重なっている場合もあるので、注意はしておいてください。
着床出血が原因になる
卵子と精子が受精して卵子が子宮に着床するとき、絨毛(ジュウモウ)が子宮壁を傷つけることがあり、このとき軽い痛みや出血を伴うことがあります。
このことを「着床出血」といいます。個人差があるため痛みなしで自覚が全くない方もいますが、後になってあれが着床出血だったかと思う方も多いほど、微量な出血です。
ほかにも経血とは違う茶色いドロッとしたおりもののようなものが出る場合や、薄い血が2~3日間続く場合、真っ赤な鮮血の場合などもあります。
生理がきたと勘違いすることも多くあるようです。少量のためすぐ酸化し、茶色くなる場合が多いので、あまり心配しなくても大丈夫でしょう。
着床出血が起こっても、着床の状況によっては妊娠していても人によってその日数で、妊娠検査薬で陰性反応が出る場合もあるため、きちんと産婦人科で診察を受けるようにしてください。
妊娠初期のために出血が起こる
妊娠初期には出血することがありますが、受精卵が着床してから胎盤を形成するまでの間には浸食による出血が起こるのです。
これは月経様出血のために、まだ妊娠に気が付いてない妊婦さんの場合は本当の月経と間違えることもあります。
出血も少なく、薄いピンクや茶色っぽい色をしていれば問題ありませんが、流産の可能性もあるため、専門の医師に診てもらうと安心でしょう。
ストレスが原因になる
ストレスは身体の様々な不調の原因になりますが、不正出血もその一つです。ストレスで不正出血が起こる原因として一番大きいのが自律神経の乱れになります。
自律神経の正常な働きがストレスによって乱されてしまうと、身体は興奮している状態が続き、常に緊張している状態ということになり、緊張が強いられたままだと血行不良が起こり全身を冷やしてしまいます。
そうなると、子宮周辺の血流までも悪くなり、不正出血が起こりやすくなってしまうのです。
ストレスは人によって感じ方や重さが違います。自分でも「大丈夫」と思っていても、自覚なくため込んでしまっていることが多いものです。
また、過度なダイエットなどもストレスだけでなく、身体の機能が上手く働かない原因にも繋がるため、無理をして負担をかけることは絶対にしないでください。
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更年期障害が原因になる
ホルモンバランスが不正出血に関係していることは上でも挙げましたが、女性で最もホルモンのバランスが乱れてしまう原因になるのが「更年期」です。
更年期に入ると閉経の準備のため、ストレスとは関係なくホルモンバランスの乱れが起こります。
生理の状態も20代や30代とは変わり、生理のものなのか不正出血なのか判断しにくくなってしまいます。
また、40代からは子宮ガンを発症するリスクも一気に高くなってしまうため、出血が多いと感じたら早めに産婦人科へ受診しましょう。
ピル服用が原因になる
不正出血は病気以外にも、薬の服用が原因になる場合もあり、その中でも多い要因がピルの副作用によるものです。
ピルの服用で不正出血がおこる最も高い可能性となるものが、飲み忘れや下痢と体調不良などでピルの成分が十分に吸収されないことが原因となります。
また、下痢止めや便秘薬などの薬を同時にピルと服用することで、ピルの作用を抑えてしまう可能性があり、それらが原因になって不正出血が起こる場合もあるのです。
当てはまる要因がある場合には薬の飲み合わせを医師に相談し、正しく服用することが重要です。
ピルを飲み始めたときに予期していない出血がある確率は、最初の一ヵ月では10~30%で、三ヵ月目でも10%程度みられます。
六ヵ月目以降からはほとんど見られなくなるため、あまり気にし過ぎることはありません。
しかし、なかには正しく飲んでいるにも関わらず、不正出血が起こる方もいます。特に初めて服用する女性の方の約30%の人が経験しています。
ピルを服用することから、生理を途中で止めてしまう可能性や、少量ずつしか出血しなくなってしまう場合があります。
また、卵巣の女性ホルモンとピルの女性ホルモンが合わさった結果、ホルモンが増えすぎてしまい、出血が起こる場合もあります。
どちらも服用初期に起こることが多いため、何度か服用していくうちに起こらなくなるようです。
切迫流産が原因になる
切迫流産とは「妊娠の22週未満までの間で、胎児がまだ子宮内に残っているが、流産をしかけている状態」のことを言います。
流産すると妊娠を継続することはできませんが、切迫流産の場合は妊娠を継続できる可能性があります。
切迫流産の兆候は主に出血と下腹部痛があげられ、妊娠初期は母体と赤ちゃん共に不安定な状態であるため不正出血は少なくありません。
しかし、「出血は少ないから大丈夫」と自分で判断しないようにしましょう。
妊娠初期に出血があった場合は、子宮に何らかの異常が起きて出血することが多いので、まずは切迫流産の可能性を疑って、かかりつけの産婦人科などで受診してください。
妊娠の12週までの切迫流産に有効な薬はないといわれており、経過観察で対処することになります。
子宮の中に血腫という血液の塊があるような切迫流産では安静が効果的だとする研究報告もあります。
茶色の不正出血はもちろんですが、少しでも疑わしい症状があった場合はすぐに受診するようにしましょう。
茶色い不正出血が続くなら病気かもしれない
生理の血が黒い色や茶色をしている場合は、病気が関係していることもあります。
経血が黒や、茶色をしているようで、出血量が多かったり生理日数が長く続いていたり、腹痛や発熱を伴っていたりするようであれば、決して放置などせず早めに医師の診察を受けるようにしてください。
炎症が原因で出血
☑ 子宮膣部びらん
☑ 老人性膣炎
☑ 子宮内膜炎
☑ クラミジア感染症
これらの病気は感染症などが原因で子宮内に炎症を引き起こし、ただれてしまったせいで出血している可能性があります。
ほとんどはブドウ球菌や大腸菌、淋菌やクラミジアなどの感染が原因で、初期の自覚症状の場合には、おりものが増え、下腹部に鈍い痛みを感じます。
炎症が広がってしまうと、不正出血があり、黄色い膿状や血が混じったおりもののほか、吐き気、下痢や排便痛といった症状があらわれるのです。
子宮膣部びらんは正確には病気ではありませんが、子宮頸部の表皮部分が物理的な刺激などで炎症を起こし、出血しやすくなっている状態のことです。
しかし、どの病気の症状も放置しておくと不妊症などを招くおそれもあるため、発症した場合は早期治療に努めましょう。
腫瘍が原因で出血
一口に腫瘍といっても2種類あり、まず良性の腫瘍の場合、
1. 子宮筋腫
2. 子宮頸管ポリープ
などが挙げられます。特に子宮筋腫は30代の女性が4人に1人が発症する非常にメジャーな病気の一つです。
腫瘍自体は良性のため、生命を脅かすことはないですが、放っておけばメロンの大きさほどになり、不正出血の他に経血量の増加や、重い生理痛や腹痛、頻尿、腰痛などを引き起こし、不妊の原因となる場合があります。
そして、悪性の腫瘍が原因となった場合、
1. 子宮頸がん
2. 子宮体癌
3. 卵巣腫瘍(卵巣がん)
などの可能性が高くなります。
子宮頸がんや子宮体癌の悪性腫瘍は、おりものが魚の腐ったような強烈な臭いを発生させるといった、おりもの異常が起こることが多いです。
特に閉経後の出血と臭いを感じた場合は、悪性腫瘍の可能性もあるため、早急に産婦人科を受診するようにしましょう。
ホルモン異常が原因となる出血
閉経後に女性ホルモンが足りなくなると、潤い不足の状態になってしまうため、膣や子宮がただれやすくなる萎縮性膣炎という状態になることがあります。
この症状の場合は膣内にホルモン剤を入れて、女性ホルモンを補う治療を行います。
また、ホルモンバランスの乱れで排卵の周期が安定していないと、月経不順や無卵性月経などの予期しない出血が起こる症状が続く場合もあります。
視床下部や下垂体の異常、卵巣機能の低下などが原因の可能性もあるため、思い悩まないよう早めに医師に相談するようにしてください。
異常な妊娠が原因の出血
胞状奇胎や子宮外妊娠(異所性妊娠)、流産などでも出血を引き起こします。これらからくる出血は、茶色というよりも真っ赤な鮮血であることが多いです。
また、流産の場合にはおりものが茶色になることがあるため、くれぐれも注意してください。
生理での茶色い不正出血の改善方法
もし生理前や生理中で茶色い出血が起こり、病院で検査などをしても病気が見つからなければ、ホルモンバランスやストレスといったことが原因であると考えられます。
その場合は日々の生活習慣や食生活を見直してみると、茶色い出血をみることが減っていくはずです。
ホルモンバランスを整える
生理周期はホルモンの分泌により正常にコントロールされていますが、そのホルモンは毎日の生活習慣の影響を強く受け分泌しています。
夜更かしや偏食、運動不足などになっていると、一気にホルモンの分泌は乱れてしまい、生理周期も不規則になってしまうのです。
できるだけ朝の早い時間に活動するように決め、早寝早起きを心がけて食生活は野菜中心のバランスのとれたものを摂取するようにしましょう。
お菓子やお酒は嗜む程度の嗜好品として、毎日30分から1時間の運動を行うようにするだけで体調が変わってきますよ。
経血の色だけではなく、生理痛などの症状緩和も期待できるので、生理が辛いという方も実行してみてください。
血行不良を改善する
生理の血が茶色や黒っぽい色をしている場合、血行不良になっている可能性があります。
運動不足や身体の冷えなどが原因で血行不良が慢性化してしまうと、経血が滞り酸化しやすくなるため注意が必要です。
つい猫背になっていたり、毎日同じ姿勢で仕事をしていたりする方や、外出する機会が少ない方は、血液循環が悪くなっているため、定期的にストレッチをしたり、1駅分を歩いたりして運動不足を解消するよう心がけましょう。
また、身体の冷えは血行不良を悪化させる一番の要因となります。身体が冷えやすい方は腹巻や靴下などを活用し、ホッカイロの使用、温かい飲み物を飲むようにするなどの工夫を行ってみてください。お風呂にしっかり浸かることも血行促進に効果大です。
ストレスをためこまないようにする
ストレスや疲れが溜まっている場合も、生理の血を変色させる原因の一つです。ストレスはホルモンの分泌や血行不良を招き、生理周期を不規則にさせてしまいます。
自分の好きな音楽や香り、運動や趣味など、自分に一番効果的なストレス発散法を見つけることが大切です。
ただ、疲れているとつい走りがちな暴飲暴食やお酒の過剰摂取は、ストレス発散どころか身体のさらなる悪影響に繋がるためおすすめできません。
心から笑ったり、感動して泣いたりすることもストレス発散には効果的という結果もあります。うまく発散させ、生理周期やホルモンバランスを安定させましょう。
まとめ
茶色の出血はなんらかの異変が起きている身体からのサインです。
「ほんの少しだし、大丈夫だろう」と見過ごしてしまいがちですが、婦人科系の病気を発症している可能性もあるため、放置せずに早めに原因を突き止めることが大切だということを忘れないようにしましょう。
生理や生理以外でも茶色い出血が少量でもあったら、自分の身体と向き合う機会だと考えて早期の行動を心がけてくださいね。
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