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人酔いの原因は血管迷走神経反射!【症状や対策まで詳しく紹介】

<監修医師 まっちゃん>

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人が多い場所に行くと、ひどく疲れる事はありませんか?人によっては腹痛や冷や汗、吐き気、手足の痙攣などを感じる人もいるようです。

 

これらは通称「人酔い」と言われる症状になります。今回は人酔いになってしまう原因とその対策について解説していきます!

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人酔いとは

 

人酔いとは、人の多い所に身を置く事で感じる気分不快感、疲労感等を言います。

 

医学的には人酔いという定義はありませんが、人混みに行くことで何らかの不調を感じている人は少なくありません。

 

その症状の現れ方は人によって個人差があるようで、頭痛、めまい、吐き気、極度の疲労感を感じる人もいれば、普段の自分では考えられないような乱暴な言動、イライラ感、舌打ちなどの行動をとってしまう人もいるようです。

 

さらに重症例ではめまい、立ちくらみから歩くことが困難になり、失神してしま人も中にはいます。

 

上記の人達に共通する点は、特に持病などはなくても症状が出現する、人混みから離れてしばらく休憩すると治まる、といった点です。

 

また、車酔いしやすい人は人酔いしやすいともいわれています。

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意外に危険な人酔いの5つの症状

 

ここからは人酔いを起こした時に出現しやすい症状について見ていきます。なかには交通量が多い所では大変危険な症状があるため注意が必要です。

 

めまい、立ちくらみ

頭や体が揺れているような、世界が上下左右に動いているような感覚です。この状態のまま歩くと真っ直ぐ歩けず、大きくふらついてしまいます。

 

発汗、唾液の分泌

特に暑くもないのに手の平や脇に汗をかくようになります。何も食べていないのに唾液が良く出てくることもあります。人によっては吐き気を感じる人もいるようです。

 

顔面蒼白、失神

顔色が徐々に青くなり、視野が暗転してきます。そのまま失神してしまうこともあります。

 

吐き気、腹痛

特に原因なく吐き気や腹痛といった消化器症状が出現することがあります。下痢や嘔吐をすることで症状が急速に改善することが特徴です。

 

手足の冷感、痙攣

手足が冷たくなり小刻みに痙攣することがあります。

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人酔いの正体は血管迷走神経反射だった

 

ではなぜ「人酔い」を起こしてしまうのでしょうか。そのメカニズムについて見ていきましょう。

 

まず、人酔いは医学的な根拠や病名があるわけではありません。ですが、ストレスと神経系の関わりから、血管迷走神経反射が原因となっているのではないかいう見方をされています。

 

迷走神経は自律神経系と密接につながった神経系です。

 

ストレスによって迷走神経が過度に興奮することで自律神経のバランスが乱れ、人酔いの症状が出てしまうのです。以下でさらに詳しく見ていきましょう。

 

自律神経と迷走神経の繋がり

私達の体の中は交感神経副交感神経という二つの神経系によって「活動」と「休息」を切り替えています。

 

昼間は交感神経がより働くことで活発に動けるようになり(心拍数、血圧、体温の上昇など)、

 

夜間は副交感神経が交感神経を抑えることでリラックスして睡眠をとることができるのです(心拍数、血圧、体温の低下など)。

 

この両者は互いにシーソーのような関係で働いています。

 

この中でも、迷走神経は主に副交感神経、喉や食道、呼吸器、消化器の神経系を担当している神経になります。

 

神経系の中でも、ストレスや外部刺激に反応しやすい神経です。

 

これらの神経系がお互いのバランスを保とうと以下のように働きます。

 

✅ 人混みのストレスによって迷走神経に刺激が起こります

 

✅ 迷走神経の一部である副交感神経が興奮して血圧と心拍数が低下します

 

✅ 副交感神経の働き過ぎを抑制しようと交感神経が働いて手足の血管を拡張。

 

このため血圧はさらに低下し脳への血流量が減少します

 

✅ 一時的な脳血流低下によって低酸素状態が作り出され、立ちくらみ、めまい、吐き気、失神といった症状が起こる。

 

このようにして人酔いの症状が起こるのです。

 

つまり人酔いとは過度のストレスが原因となって神経系のバランスがとれなくなってしまった状態という事になります。

 

実は車酔いも上記とほぼ同じメカニズムで起こると考えられています。このため車酔いしやすい人は人酔いしやすいと言えるのです。

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人酔いを引き起こす7つの原因

 

ここでは人酔いを起こしやすい環境や性質について見ていきましょう。

 

長時間の起立

電車やイベントなどで長時間の起立を余儀なくされるときは人酔いが起こりやすい状態になります。

 

これは起立することで血液が脳に行きにくくなることにより、一時的な脳虚血を起こしやすい状況になるために起こります。

 

暖かい所

夏になると失神を起こす人が増える傾向にあるようです。もちろん熱中症や脱水症による失神もあるでしょうが、迷走神経反射によって失神を起こす人も少なくないようです。

 

これは夏になって気温が上がり全身の血管が拡張するため、一時的に血圧が低下した際、脳虚血を起こしやすくなるからです。

 

また温暖な状況下での激しい運動後も、脱水を起こしやすいため迷走神経反射を起こしやすいといえるでしょう。

 

空腹、便秘、下痢

迷走神経は消化器系に広く分布した神経系です。このため胃腸系に負担がかかる状態にあると迷走神経反射が起こりやすい状態になると考えられます。

 

強い痛み

痛みに対して迷走神経反射を起こし、失神する人がいます。

 

特に採血や注射、手術後などの、痛みと同時に強いストレスがかかる場面で起こりやすいようです。

 

排便時、咳

稀にですが、排便時に強くいきんだり、または強く咳き込んだりする事で迷走神経反射を起こし失神してしまう人がいます。

 

日ごろから便秘気味の人、排便後や咳嗽時に貧血の様な症状が出現する人は注意しましょう。

 

これは迷走神経が消化器系に多く分布するため刺激を受けているためと考えられています。

 

性格や体質など

神経質な性格人混みに慣れていない人音に敏感な人は、よりストレスを感じるため人酔いしやすいと考えられます。

 

また体質的に低血圧や貧血傾向の人は脳虚血症状が出やすいと言えるでしょう。

 

妊娠している

妊婦さんは迷走神経反射が起こりやすいと言われています。

 

これは妊娠によるストレスに加えて、便秘になりやすい、つわりなどによって脱水になりやすい、などが関係していると考えられています。

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突然人酔いに襲われたら焦らずしっかり対処して

 

人酔いは一時的な脳虚血が原因となって起こる症状です。座るか仰向けになって安静にしていればしばらくして症状は回復します。

 

焦ると症状は悪化してしまうので落ち着いて休憩をとるようにしましょう。

 

この時、周囲の安全に気を付け、人通りや車通りの少ない場所を選んで休息をとるようにしてください。

 

またしばらく休憩しても症状が改善しない時は医療機関を受診するようにしましょう。

 

自宅で休憩をとる時は、楽な服装で仰向けになるようにしてください。足枕などを使って足  を少し高くすると効果的です。

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日頃から人酔い予防を心がけよう

 

人酔いを予防する一番良い方法は、人混みを避けることです。しかし通勤や通学、買い物をするために人が多い所に行くのは避けられません。

 

ここでは辛い人酔いを予防するために、日ごろから気を付けていく事を見ていきます。

 

✅ 長時間立ちっぱなしにならない

満員電車や人混みでは少々難しい話になりますが、休憩スペースなどをうまく利用してこまめな休息をとりましょう。

 

また疲労の蓄積や睡眠不足は人酔いしやすくなります。休息を十分にとり良質な睡眠をとるように心がけましょう。

 

✅ ゆったりとした服装、上着で調整

人混みでは気温よりも体感温度が高くなる傾向にあります。すぐに脱げる上着などで体温を上手に調整するようにしましょう。

 

服装は締め付けすぎずゆったりとしたものを選ぶようにします。

 

✅ 何か食べてから行く

空腹状態では人酔いしやすくなります。朝の通勤通学で人酔いしやすい人は、朝食をしっかり食べてから電車に乗るようにすると良いでしょう。

 

もしお腹が空かなくても、ヨーグルトや果物、といった軽食だけでも構いません。人混みの中で飴やガムを口に入れておく事も効果的です。

 

✅ 痛みへの対処

痛みを感じていると迷走神経が刺激を受けやすく人酔いしやすい状態になります。

 

肩こりや腰痛、神経痛など慢性的な痛みを感じている人は医療機関に相談してみるのも良いかもしれません。

 

また一時的に鎮痛剤などで痛みを緩和することも有効です。

 

✅ 便秘、下痢対策

便秘や下痢の状態だと人酔いになりやすい傾向にあります。日ごろからお腹の調子を整えるよう心がけましょう。

 

✅ イヤホンやサングラスを使う

どうしても周囲の音や動きが気になる人は、イヤホンやサングラスを使って刺激を軽減する方法もあります。

 

しかし交通量の多い道路や駅構内、危険な場所では注意するようにしてください。

 

✅ 症状が出たらすぐに休憩する

わずかな変化でも人酔いの予兆を感じたら、休憩をとるようにしましょう。初期の頃に休憩をとる事で悪化を防げるだけでなく、症状からすぐに回復することができます。

 

✅ 規則正しい生活で自律神経を整える

迷走神経反射は自律神経の乱れが原因となって引き起こされます。

 

自律神経は規則正しい生活によって整える事ができるため、日常的に運動習慣や十分な睡眠、バランスの取れた食生活で改善することができます。

 

✅ 症状が続くようなら一度受診を

迷走神経反射は誰でも起こり得る神経反射です。

 

安静にしてすぐに回復するようならば特に治療等は必要ありませんが、繰り返し迷走神経反射を起こしてしまうと、また起こるのではないかという恐怖心や不安から人酔いを起こしやすくなる傾向があります。

 

また軽度の症状であれば問題ありませんが、重症例では排便時、入浴時、咳嗽時に失神発作を起こすこともあります

 

これらの症状がある場合は日常生活だけでなく生命にも影響することが考えられるため、ペースメーカーなどの適応になることがあります。一度医療機関に相談するようにしましょう。

 

人酔いについて見ていきました。

 

たかが人酔いですが、繰り返し迷走神経反射を起こすことで、神経反射が起こりやすくなり危険な状態に陥る人もいます。

 

排便時や入浴時にめまいや立ちくらみ、失神などの症状が出る人は特に注意しなくてはいけません。

 

思い当たる節があるならば一度専門医の受診をするようにしましょう。

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