右の背中が痛いのはコノ病気かも!【何科を受診すれば良い?】
<監修医師 ドクターTST>
右の背中が痛い場合、たいていは何か重いものを持ったなど、何か思い当たることがありますね。
でも痛みだけが起こったときは不安です。右の背中が痛い時、考えられる病気などの原因や対処法について解説します。
右の背中が痛い理由
筋肉痛・疲労
背中が痛いとき、一番よくあるのが筋肉痛ですね。仕事で長時間同じ姿勢のままだったり、過度の運動の後などに起こります。
翌朝はこわばりもでて、痛みはより強くなります。普段使っていない筋肉に無理がかかって起こる痛みです。
ストレス
精神的なストレスも、背中の痛みに変わります。精神的な緊張から自律神経が乱れ、血流が悪くなったり筋肉のこわばりが出たりして、背中に肩こりのような痛みが起こります。ひどい肩こり、頭痛、めまいが起こることもあります。
目の疲れ
パソコンやスマホの画面を長時間見つめていると目の筋肉が疲れ、神経の経路を伝わって背中に痛みを感じることがあります。
メガネが合っていないとか歯のかみ合わせが悪いなど、別の場所の疲れが背中に響くことがあります。
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病気
思い当たることもないのに背中の痛みが数日続いたり、何度も繰り返し痛みが出る場合は何かの病気かもしれません。
胆のう、腎臓など、右側にある臓器に異常があれば背中の右側が痛みますが、中には背中とは別の場所にある心臓、胃や十二指腸の痛みが背中に伝わることもあります。
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右背中が痛む6つの病気
胆石症 胆のう炎
胆汁は肝臓で作られ胆のうで貯蔵される消化液です。胆石症は、この成分が固まって胆石になり、とどまった場所で激しい痛みを起こします。
みぞおちや右上腹部が鋭く痛み、背中では右肩、肩甲骨から背中にかけて鋭く痛みます。吐き気、冷や汗、高熱、黄疸を伴います。
胆のう炎は胆石が詰まったことが原因で胆のうに炎症が起こります。急性と慢性があり、食べ過ぎや油の多い食事の後に症状が出ます。
急性の場合は胆石症とよく似た症状が同じような場所に起こります。進行すると右上腹部が腫れ、胆のうに穴が開くこともあります。
慢性の胆のう炎は症状が穏やかで、急性と同じ場所が鈍く痛み、胃がもたれた感じで胃炎や胃潰瘍と間違えることもあります。熱は出ません。
こうした症状には胆のうがんが隠れていることがあるので、たびたび症状がでるようなら受診したほうがいいでしょう。
腎結石 尿管結石
腎臓から尿道に至る尿の通り道を尿路と言います。ここにできた石のうち、腎臓にできたものが腎結石、尿管にできたものが尿管結石で、尿路の結石では特に多いものです。
右の腎臓に腎結石ができるとお腹や背中の右側に痛みが出ます。あまり強い痛みではなく、違和感ぐらいのこともあります。
一方尿管結石では激痛になります。右下腹部から脇腹、背中にかけて激痛があり、吐き気、嘔吐の他、血尿、排尿痛、頻尿など膀胱炎のような症状があります。
尿管結石は腎結石が尿管に出たもので、尿管をふさぐために激痛があり、石で尿管が傷ついて血尿が出ます。やがて石が膀胱に落ちれば痛みは治まります。
そのまま排出されることが多いのですが、残っていることもあるので、激痛があったら必ず受診してください。
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腎盂腎炎(じんうじんえん)
腎臓内で作られた尿が溜まる場所が腎盂です。この周辺が細菌感染して炎症をおこしたものです。
多くは膀胱炎から移動した細菌が腎盂に入るので、先に膀胱炎が起こります。炎症を起こした腎臓のある側の脇腹から背中にかけて、痛みが出ます。
他に高熱、吐き気・嘔吐、残尿感など膀胱炎の症状、尿のにごりなどがあります。膀胱炎では高熱が出ることはないので、その時は腎盂腎炎を疑いすぐ泌尿器科を受診します。
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胃炎、胃・十二指腸潰瘍
胃液によって胃や十二指腸の粘膜が傷つき、潰瘍になります。飲酒や喫煙、ストレスのほか、多くはピロリ菌の感染によります。
みぞおちの痛みから、進行すると腹部から右肩、背中の中央から左右にまで痛みが広がります。また吐き気や食欲不振の症状も出てきます。
逆流性食道炎
胃液が食道にあがってきて、胸焼けやお腹の張り・げっぷが起こります。背中の痛みや下痢、胸の痛みなども伴います。
帯状疱疹
多くの人がかかる水ぼうそうのウイルスが神経線維に潜んでいて、疲れやストレスといったきっかけで活動を始めたものです。
最初は腹や背中にチクチクした痛みを感じます。数日後赤い発疹が帯状に出てやがて水ぶくれになり、3週間から1か月ほどで治ります。
問題はその後、激しい神経痛の後遺症が残ることです。もし現れたら半年とか1年以上にわたって苦しむことになります。
腹部や背中の肋骨に沿って、チクチクした痛みを感じたら帯状疱疹かもしれないので、できるだけ早く受診します。痛みは左右どちらか片側です。特効薬があるので、早いほど軽い症状で抑えられます。
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疑われる病気は他にもある
心筋梗塞、狭心症
心臓の血管が詰まることで起こる症状です。主な症状は胸の激痛です。心筋梗塞の前兆として、胸の圧迫感とともに主に心臓から背中にかけて息苦しさとともに鈍痛を感じることがあります。
心臓は体の左側にあるため、背中の痛みも右側よりも左背中側に起こります。
すい炎、すい臓がん
すい炎の症状は、腹部の鈍痛と膨満感、嘔吐の他、左肩から背中の左側、腰が痛みます。すい臓がんになるとすい炎の症状に加え黄疸、体重減少が見られ、左脇腹から背中の左側に鈍い痛みがあります。
すい臓も体の左側にあるため、痛みも中央か左寄りになります。
子宮筋腫、子宮内膜症
子宮を作る筋肉層のできた良性の腫瘍が子宮筋腫、子宮内膜が子宮以外できるのが子宮内膜症です。
子宮筋腫では出血や生理痛、下腹部痛、腰痛が主な症状です。筋腫の場所によっては背骨や背中全体が痛いことはあります。
子宮内膜症の主な症状は生理痛、下腹部痛と腰痛のほか重症化すれば骨盤あたりまで広がる事があります。背中が痛むこともあります。
腰椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症
腰椎のヘルニアなら腰痛がつきものと認識されていますが、それと同じくらい背中の痛みも起こります。椎骨の痛みなので、真ん中が痛みます。
変形性腰椎症も主に腰のこわばり、痛みがありますが、腰をかばって無理な姿勢をとって、背中が痛むこともあります。
骨粗鬆症
骨粗鬆症は加齢などで骨密度が落ち、背骨では圧迫骨折が起こります。その場合寝がえりや起き上がる時に背中の中央部に痛みが出ます。また咳や深呼吸したときにも背中に傷みが出ます。
何科に行けばいいのか
かかりつけ医
背中の痛みはさまざまな原因で起こります。スポーツや仕事の疲労、姿勢の悪さ、寝違えたなどであれば自己対処でしばらく安静にすればよくなります。痛みが長引くようなら、内科系のかかりつけ医で相談するとよいでしょう。
そこでは症状を説明すると、安静をつづけるか、投薬が必要か、専門的な治療が必要かといった判断をしてもらえます。かかりつけ医は専門家の目で総合的な初期対応をしてくれますので、まず最初に受診すべきところです。
内科
何が原因なのか見当がつかない場合は、まず内科を受診します。内臓が原因で背中が痛む病気には胃炎、胃ガン、狭心症、心筋梗塞、肺ガン、肝炎、肝臓ガン、膵臓炎、膵臓ガン、胆嚢、胆石などがあります。
これらの初期症状として背中が痛む場合も多いので、内科で検査、判断をしてもらいましょう。
整形外科
内科に異常がなければ外科系統の病気ということになります。背中の痛みの場合は一般外科より整形外科が適しています。
整形外科の診察をうけて、腰椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症のような長期のケアが必要な場合は、ストレッチなどの治療が得意な整体医院、接骨院が適していることもあります。
専門クリニック・救急
自分で見当がつく症状があれば、その部分を専門とするクリニックを選びます。血尿、頻尿、膀胱炎のような症状などがあれば、腎臓の炎症や尿路の結石が疑わしいので泌尿器科を受診します。
生理痛、出血、下腹部痛が伴えば、子宮筋腫や内膜炎などがありそうなので婦人科へ行きます。また目の疲れや頭痛などがあれば、メガネが合っていないかもしれないので眼科で相談してください。
激しい腹痛や吐血を伴う場合は胆石症、胆のう炎、尿管結石、胃、十二指腸潰瘍などが考えられます。
また強い胸の痛みや息苦しいなどの症状を伴う場合は心臓の異常が疑われます。これらは緊急処置が必要なので、我慢せず救急車を呼びます。
まとめ
背中の右側が痛むのは、さほど珍しいことではありません。朝起きて「あいたたた」という時、ありませんか? たいていはそういいながら起きて、日常生活に入ると忘れてしまうものです。
でも病気が起こしている背中の痛みもけっこう多いですね。それも背中とは違う場所の内臓からの痛みが多いようです。何回か痛いことがあったら我慢するのもほどほどにして、一度病院へ行ってみましょう。
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