肺がんの11の初期症状【咳や胸痛を見逃したら危険です】
<監修医師 ドクターTST>
駅や企業などでの喫煙に関する場所や条件が厳しくなっている現在ですが、まだまだ肺がんの患者さんは少なくはありません。
肺がんは男性のがん死亡率は未だに第一位です。今回は肺がんの初期症状を解説していきます。
肺がんの原因
肺がんになる原因にはどんなものがあるのでしょうか。
①喫煙
喫煙が肺がんのリスクを高める事は有名な話ですね。喫煙をする人は非喫煙者の4~5倍程、肺がんになった際の死亡率が高い可能性があるという報告もあります。
②受動喫煙
受動喫煙とは煙草を吸わない非喫煙者が、喫煙者と同じ空間にいる際に喫煙者が吐き出す煙(副流煙)を吸い込む事をいいます。
この副流煙は実際に煙草を吸っている人が吸う煙よりも有害な物質が多く含まれており、喫煙している夫が居る家庭で、一緒の空間に長年居る妻は肺がんのリスクが高くなるという医学的な報告もされています。
③女性ホルモン
ホルモンが肺がんに影響するという、女性にはびっくりする内容かもしれませんが、最近の研究で月経開始から閉経までの期間が長かった女性や、
エストロゲン補充療法を受けた事のある女性、肺の細胞にホルモンが結合しやすい体質の女性がいますので、そういった女性は肺がんになるリスクが高いといわれています。
これは研究により女性ホルモンであるエストロゲンの量や濃度が、肺がんのリスクに関係している事が分かった結果です。
エストロゲンについてはこちらを見て参考にして下さい。
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④大気汚染
近年工業の発達で、大気汚染は日本のみならず海外でも深刻化している問題です。
人間の身体は呼吸をして、空気中の有害物質やほこりなどを吸い込んでいますが、吸い込んだ有害物質はある程度のものは気管支で取り除かれます。
しかしながら取りきれなかった有害物質が肺に到達し、この時肺胞によって取り除かれ、活性酸素を発生させるのですが、過剰にこの活性酸素が出る事によって、肺の正常な細胞まで傷つけてしまい、肺がんを引き起こす要因になっていると言われています。
⑤PM2.5
PM2.5とは色々な化学物質の混じり合った物を総称して、PM2.5と言います。
PM2.5は大気中の化学物質の粒子の中でも2.5マイクロメートル以下の化学物質であり、とても小さな粒子です。これは肺の中に入ると奥深くまで入り込みやすく、排出されにくい為、肺に付着したままになってしまいます。
これによりPM2.5を吸い込み続ける事によって、肺がんのリスクが高くなるのです。
自覚症状はあるの?
肺がんの自覚症状ですが、初期症状は無症状の事が多く、自覚症状がない事から発見が遅れる事もあります。
肺がんに見られる代表的な初期症状では、風邪の時に出るような症状が多く、風邪だと思っていたら肺がんだったという事もあります。
肺がんには肺の上皮などから発生する肺がんとその他の肺組織(肺の筋肉など)から発生する肉腫に大きく分けられますが、ほとんどは肺がんで、肺の肉腫の発症は稀だと言われています。
初期症状には以下のようなものが挙げられます。
✅ 咳が止まらない
✅ 痰が出る、痰に血が混じる ✅ 息切れが酷い ✅ 胸の痛みがある ✅ 発熱 ✅ 声が枯れる ✅ むくみがひどい ✅ 肩こり、腕のしびれがある ✅ 肺炎、気管支炎などを繰り返し発症する ✅ 食欲不振により体重減少が起こる、食べ物が飲み込みにくい ✅ 疲労感がある |
血の混じった痰が出る際には、鼻血や鼻腔からの出血でも血の混じった痰が出る事もあり、他の病気(肺気腫など)の可能性もあります。
これらの症状が見られた場合には、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
普段からの検診なども肺がんの早期発見に繋がります。早い発見程、治癒率も高まります。
肺がんの治療方法
肺がんが見つかった際は早期治療が必要ですが、その際にはどのような治療方法があるのでしょうか。
肺がんの治療
肺がんの治療に関しては主に3つの方法があります。
✅ 外科手術・・直接がん細胞を取り除く目的で行われる
✅ 放射線治療・・肺がんの病巣に放射線を当てて、がん細胞を死滅させる事を目的として行われます。外科手術が行う事が出来ない高齢の方などには放射線治療を行う事が多いです。
✅ 抗がん剤治療・・抗がん剤を使って治療する方法で、全身にがんが転移している方への治療法となります。
しかしながら抗がん剤治療にはメリットもあればデメリットもあり、抗がん剤を用いる事でがん細胞に効くと同時に正常な細胞も破壊してしまう事があるからです。
次項にて治療について詳しくお話しします。
外科手術はどのようなものか
✅ 外科治療・・肺がんの程度を調べて他の場所に転移などがない場合に、外科手術が行われます。主に「小細胞がん」「非小細胞がん」において、手術を行います。
ガンの大きさにより手術方法も異なり、大きさが大きい場合には放射線治療などでガンを小さくしてから、手術する事もあります。
放射線治療とは
放射線治療は比較的ガンが小さく、広がっていない場合に行われます。最近ではよりピンポイントにガンを狙って治療する事の出来る「重粒子線治療」という最新治療もあります。
放射線治療には二つの目的があり、
✅ 「積極的な治療として外科的な手術を行う事が出来ない小細胞肺がん(細胞の増殖の進行が速いガン)に対しての治療」
✅ 「補助的な治療として、がんに対する痛みの緩和や外科手術前にガンを小さくする目的」と二つの意味があります。
抗がん剤治療とは
抗がん剤はガン細胞を小さくする目的で使われ、全身にガンが転移している場合や外科手術によってガンが取り除くことが出来なかった場合に使われる治療です。
しかしながら、強い副作用が出る事も良く知られており、主にみられるのは嘔吐、全身倦怠感、発熱、抜け毛などです。治療の際には副作用で白血球・赤血球・血小板の量が減少する事がある為、血液検査も実施します。
あまりに副作用が酷い場合には治療を中断する事もあります。
抗がんに効果のある食べ物についてはこちらを参考にして下さい。
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ガン治療を行った際に利用すべき緩和ケア
ガン治療を行った後や末期の方などの悩みに関して、寄り添ってもらう事の出来る場所ががん治療をする病院には整備されています。
これを緩和ケアといい、がん患者だけでなくその患者の家族などが必要に応じて利用する事が出来ますので、医療機関などで事前に問い合わせしておくと良いですね。
肺がんの際の再発率と死亡率について
肺がんは他のがんの中でも比較的転移したり、再発しやすいガンです。
肺がんの場合、局所再発(同じ場所に再発する事)と遠隔再発(別の場所に転移する事)の二つに分けられます。
5年以内に再発する事も少なくはなく、ガンの場合その程度をステージⅠ(転移が認められないもの)、Ⅱ期、Ⅲ期(胸水が認められたリ、転移が見られる)、
ステージⅣ(遠隔転移している)までに分けられますが、
遠隔再発を最も状態の悪いステージⅣの場合、半数程度の人が余命1年以内と言われています。
末期になると脳などにも転移したりする事もあります。
再発した場合には最初に行っていた治療薬が効かない事もあり、肺がんはがんの中でも完治は難しいがんです。
最近では肺がんのための新薬もありますので、医師との相談も密接に行う事が重要です。早期発見・治療に繋げる為にも定期的な検査、早期発見が必要になってきます。
肺がんのリスクを回避しよう
肺ガンにならないようにするには、考えられるリスクを回避する事が一番ですが、どのようなものがリスク要因になるのでしょうか。
肺がんのリスク要因とは
肺がんのリスク要因には5つの事が挙げられます。
1. タバコを吸う。ヘビースモーカーである。
2.化学物質を扱う仕事をしている。(建築現場のアスベスト、排気ガス、コールタール、光化学スモッグの多く出る工場などでの仕事)
3.遺伝性のもの(家族、親類に肺がんの人が居る)
4.ストレスの多い生活
5.年齢が40代以上である。
どのような事に気を付けるべきか
肺ガンのリスク要因を見ても、まずは生活習慣に気を付ける事。そして一番は喫煙している方は禁煙する事です。
たばこの本数が一日20本以上の場合には、非喫煙者に比べて喫煙者の肺がんの死亡率は約10倍です。
また喫煙者には飲酒の機会が多い人が多数の為、飲酒と肺がんの関連性は明確にはなっていませんが、飲酒と喫煙を同時にしている人は肺がんのリスクが高まり、その他の生活習慣病(糖尿病など)のリスクも高くなります。
最近の場合には肺がんのリスクを調べるため、自分で出来る遺伝子検査キットやセルフチェック項目などもインターネットでも見る事が出来ます。
肺ガンは初期症状が分かりづらい事もあり、症状が急変する事も多々あります。
禁煙に関しては他にこのような効能がありますので参考にして下さい。
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自分自身でも咳や息切れ、動悸、胸痛などの症状が分かった場合には医師の診察を早めに受けるようにしましょう。
早期発見、早期治療が症状を緩和させる事にも繋がります。
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