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食道裂孔ヘルニアの3つの症状【治療法や手術方法を解説】

<監修医師 ドクターTST>
胸 

食道裂孔ヘルニアという病気をご存知ですか?食道裂孔という言葉自体になじみがありませんよね。胸つかえ感や胸やけなどの症状からわかることがある病気です。

症状が軽いと医学的療法が不要となることが多く、もし手術となっても開腹手術でなく腹腔鏡手術が一般的となるようです。では、詳しく解説していきます。

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食道裂孔ヘルニアとは?

 

人には横隔膜という筋肉でできた膜があり、腹腔と胸腔をわけています。胸腔と腹腔には連続している大動脈、大静脈、食道がありそれぞれ横隔膜にある穴(裂孔)を通っています。このうち食道が通っている穴食道裂孔といいます。

食道裂孔を通って腹腔内にある胃の一部が胸腔側へはみだしてくる状態を食道裂孔ヘルニアといいます。

 

食道裂孔ヘルニアは横隔膜ヘルニアの一種ですが、横隔膜ヘルニアの約70%も占めていて全年齢に発症しやすい特徴があるようです。また、食道裂孔ヘルニアには胃のはみ出し方によって3種類にわけられます。

その他のヘルニアについてはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
鼠径ヘルニアの原因!手術の料金と方法も詳説!

 

滑脱型食道裂孔ヘルニア

胃は食道に比べて膨らんでいるので、本来はみ出すことはないのですが食道裂孔がゆるい場合ははみ出してくることがあります。

滑脱型食道裂孔ヘルニア食道と胃のつなぎ目(噴門部)がはみ出した状態です。食道裂孔ヘルニアの多くがこの滑脱型です。症状がでることは少ないですが合併症には注意が必要です。

 

傍食道型食道裂孔ヘルニア

胃の一部が食道の脇からはみ出している状態です。横隔膜に挟まれるため出血したり血の循環が悪くなったりと重い症状を伴うことが多いタイプです。食道裂孔ヘルニア全体の割合では1割程度と少なめです。

 

混合型食道裂孔ヘルニア

滑脱型と傍食道型が混合された状態のタイプです。傍食道型よりも少なくなります。

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食道裂孔ヘルニアの原因

 

先天性

生まれつき食道裂孔がゆるく締め付けが弱い人は、すでに食道裂孔ヘルニアになっていたり、少しの衝撃で胃がはみ出してきたりすることがあります。

 

加齢

加齢により横隔膜の力が弱くなり食道裂孔がゆるくなったり、背骨が曲がったりして起こります。最近の高齢化社会の影響で加齢による食道裂孔ヘルニアが増えている傾向にあるようです。

 

肥満・慢性気管支炎

肥満でお腹の圧力が高い状態の人は食道裂孔ヘルニアになる原因となります。また、慢性気管支炎などで咳嗽性疾患がある人はお腹の圧力も上昇し続け食道裂孔ヘルニアを引き起こしやすくなります。

気管支炎についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
気管支炎の症状チェック!大人と子供で治療法違う?

 

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食道裂孔ヘルニアの症状

 

食道裂孔ヘルニアがあっても自覚症状がなければ特に問題はありません。

 

胸やけ・胸痛・つかえ感

この3大症状は逆流性食道炎の症状と同じです。食道裂孔ヘルニアになると横隔膜の締め付けがゆるくなるので逆流が起こりやすくなり逆流性食道炎になりやすくなります。

前傾姿勢をとったとき、夜間就寝時、食後にアルコール、たばこ、コーヒー、ココア、チョコレート、油ものなどを摂取した時に症状がでやすいです。

逆流性食道炎についてくわしくはこちらをみて参考にして下さい。

【関連記事】
逆流性食道炎に効く7つの市販薬【これを参考にしてみて!】

 

胃の出血

傍食道型の場合、横隔膜が胃を締め付けるので胃の出血が起こったり、胃の血の循環が悪くなったりすることがあります。自然治癒が難しく合併症を伴うことがあるので手術で治療することが多いようです。

 

食道がん

胃酸が食道へ逆流することで自分の胃酸で食道を焼き、逆流性食道炎を引き起こすことがありますが、食道がんや噴門がんの原因になることもあります。

食道裂孔ヘルニアはヘルニアそのものよりも合併症の方に警戒が必要です。

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食道裂孔ヘルニアの治療法や手術方法

 

手術が不要な場合、姿勢・枕の位置など調整

「滑脱型」で症状が軽い場合は手術が不要になることが多いです。胃からの逆流が起こらないように姿勢を矯正することで症状を改善していきます。

✅ 睡眠時の姿勢を枕で調整

✅ 前傾姿勢でなく背中をのばす

✅ 食後すぐに横にならない

✅ 肥満を解消する

✅ 暴飲暴食をやめ消化のよいものを食べる

などを意識することで日頃の生活習慣を見直しましょう。慢性気管支炎などの疾患がある場合も、きちんと治療し改善していきましょう。

 

手術が必要な場合

滑脱型の症状がひどい場合や傍食道型の場合の治療は手術になります。はみ出している胃を腹腔内に戻し食道裂孔を縮めます。

食道のまわりに胃を全周性に巻き付けるニッセン法、亜全周性のトペー法、噴門部を正中弓状靭帯に縫合するヒル法などがあります。現在ではお腹を切開することはあまりなく腹腔鏡手術が一般的です。

施術は同様ですが、手術の傷が少ないので負担が少なく入院期間も短くなります。

 

どんな病気にも当てはまることが多いですが、生活習慣を改めることが健康への第一歩のようです。暴飲暴食をしない、刺激物を控える、禁煙などです。

食道裂孔ヘルニアに関しては姿勢が大事です。加齢により筋力の衰えは仕方がないことですが、姿勢をただすことは生活習慣としてとりいれていきたいですね。

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