唇が痙攣でピクピクする!原因はこの病気の前兆かも!
<監修医師 ゆまこ>
「唇がよく痙攣するんだけど、もしかして病気なの?」身体の異変、特に顔の異変は何かと不安になりますよね。
特に痙攣が止まらない場合、何かの病気ではないか心配になります。
今回は唇が痙攣した場合、どんな原因が考えられるのか、治す方法についてまとめてみました。もしもの際の判断材料としてご覧下さい。
唇が痙攣する原因
疲労・ストレス
唇が痙攣する症状が出た場合に真っ先に疑われるのが「疲労」や「ストレス」、これらが原因となり発症する「うつ」です。
神経は精神状態を如実に反映するものなのです。溜め込んでいる疲れやストレスにより自律神経に負担がかかっている可能性があります。
痙攣を引き起こすだけではなく、唇がガサガサに乾燥している場合、原因は疲労の可能性がかなり高いでしょう。
また唇の色を見れば分かるように、唇にはたくさんの血管も通っています。冬の寒い日に唇が青紫に変色することがありませんか?これは寒さで血管が収縮しているせいです。
血流が悪化した結果、筋肉に傷をつけ痙攣も起きます。ストレスは血流を悪化させますので、同じような症状が出てしまうのです。
また過度のストレスは自律神経失調症を引き起こし、唇だけではなく全身の不調を引き起こします。
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栄養素の不足
人間の身体は健康状態を保つために、「栄養バランスの取れた食事」を必要とすることはみなさんご存じだと思います。
必要な栄養素を摂取できていないと、身体には様々な不調がでます。
唇の痙攣も、そうした「身体からの緊急信号」である場合があります。具体的には、ビタミンやミネラルが不足すると唇の痙攣が起きるようです。
また過剰なアルコールの摂取も神経に異常をきたし、唇の痙攣が止まらなくなります。
その他カルシウムの不足は歯茎の異常を引き起こし、歯茎の異常が原因となり唇の痙攣を引き起こします。
血流の不順
唇が痙攣する理由の一つに血流の悪化が挙げられますが、血流が悪化する原因にはいくつか挙げられます。
そのひとつが「肩こり」です。
肩こりが悪化すると顔面の血流にも影響を与え、痙攣を引き起こします。
また妊娠するとホルモンバランスが崩れ、血流不順を起こしやすくなり、唇の乾燥や痙攣を引き起こします。
乳児の痙攣
乳児が唇を痙攣させると、つい「重篤な病気!?」と慌ててしまいますが、乳児の唇の痙攣は生理的な反応である場合があります。
乳児や新生児は乳房に吸い付く力をうまく調整できず、力を入れすぎて唇を痙攣させてしまいます。経験を積むと痙攣はおさまるので心配いりません。
唇の痙攣で考えられる病気
唇が痙攣する原因についてご紹介して参りましたが、中には病気が原因となって唇が痙攣する場合があります。一体どんな病気の可能性があるのでしょうか。
顔面痙攣
顔面神経の病気を煩うと、唇が痙攣する場合があります。この場合、唇以外にも頬やまぶたにも痙攣が見られます。その他耳鳴りといった症状も発症します。
全体に痙攣が起きるよりも、顔の片側に集中して発症することが多く、片側だけに症状が出る病気を「片側顔面麻痺」(かたがわがんめんまひ)と呼びます。
「上唇だけ痙攣する」「鼻の下から唇までが痙攣する」というように、偏った場所が痙攣する場合は顔面痙攣の可能性が高くなります。
なぜ顔全体に麻痺症状が出るのかというと、顔の内部に張り巡らされた血管が詰まっていることが原因として考えられています。
血管が詰まる要因としては、血管内部に悪玉コレステロールが詰まっていることがほとんどです。
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口唇ヘルペス
ヘルペスをよく発症する人は、唇の痙攣が起きやすいです。ヘルペス自体が神経症のウイルスが原因ですので、一度発症すると神経を傷つけてしまい痙攣が起きやすくなります。
またヘルペスだけではなく、口内炎でも痙攣は引き起こしやすくなります。
脳梗塞(のうこうそく)
最も気を付けておきたいことは、唇の痙攣が「脳梗塞の予兆かも知れない」という点です。脳梗塞は突然発症し、命を奪う危険な病気です。
めまいを伴う唇の痙攣は、原因が脳にある場合がほとんどです。
ただし唇の痙攣以外にも特徴的な兆候が現れますので、総合的に判断して下さい。
唇の痙攣以外の脳梗塞のサインは以下の通りです。
✅激しい頭痛がする
✅ろれつが回らずうまく喋れない
✅手足のしびれ
✅片眼の視界が消えた
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唇の痙攣の対処法
唇が痙攣する原因についてみてきましたが、もしも痙攣が起きた場合はどのような対処法をとればいいのでしょうか。
ケースごとに対処法をまとめてみました。
疲労・ストレスが原因の場合
原因となる疲労やストレスを取り除くことが重要です。いつもより長い時間浴槽につかったり、気分転換のための音楽をかけたりするなどして、疲労を回復できる行動を心がけて下さい。
質の良い睡眠をとることもおすすめです。
またウォーキングやスイミングなどの適度な運動も、緊張した神経をリラックスさせる効果が期待できます。
ストレスの場合、簡単な気分転換で除去できる場合もあれば、難しい場合だってあります。
どうしても疲労感が消えなかったり、ストレスのもとに思い当たる節がない場合は、心療内科の受診をおすすめします。
ストレスは放置していると次第に全身を蝕み、ホメオスタシスを狂わせることになります。問題が深刻化しないうちに解決するのが重要です。
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栄養素が不足している場合
ビタミン不足やミネラル不足が原因ならば、積極的に食生活のバランスを整えるようにしましょう。
手軽なのはサプリメントの服用ですが、できることならきちんとした食生活を身につけたいので、食べ物から摂取しましょう。
食習慣の改善は悪玉コレステロールの減少などにも効果があります。「どんな食材を食べれば良いのか分からない」という方のために、おすすめの食材をご紹介します。
・ビタミン豊富な食材
→穀物、卵、納豆、うなぎ、牛乳、レバーなど
・ミネラル(マグネシウム、鉄、カルシウムなど)豊富な食材
→きのこ、大豆、ナッツ、牡蠣など
また、上記以外にもクエン酸を意識的に摂取することもおすすめです。クエン酸は血行を好転させる効能があります。またストレスにも効果があります。
レモンに豊富に含まれているほか、ドリンクも市販品が豊富に揃っていますので手軽に摂取できます。
病気が原因の場合
病気が原因の場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。ほとんどの病気は、兆候に気付いて受診するまでの期間が短ければ短いほど、治療の有効性は高まります。
しかし「病院に行くほどの症状かどうか判断できない」とお悩みの方もいらっしゃるかと思います。次の項で、悩んだ際の判断基準をご紹介します。
病院は何科を受診すべきか
病院に行く目安はどれくらい?
唇がたまに痙攣する程度では、なかなか「よし、病院に行こう」という気にはなりませんよね。病院に行く目安としては、「唇の痙攣以外にも身体の変化が起きているかどうか」です。
もしも唇の痙攣と併せて以下のような症状が出ている人は、原因が病気かも知れません。病院に行きましょう。
✅激しい頭痛を感じる
✅手足のしびれ
✅唇以外の顔面の痙攣
✅ろれつが回らない
✅唐突に視野がせばまる
病院に行く際は何科を受診する?
いざ病院に出かけるとして、何科を受診するのが正解でしょうか。唇の痙攣は神経の作用によるものなので、「神経科」が専門です。神経科を受診しましょう。
ただしろれつが回らない、手足のしびれなど脳梗塞の予兆を感じている場合は脳神経外科を受診して下さい。
脳梗塞は予兆を感じてからすぐに病院を受診することで一命を取り留める確率も高くなります。
また、「原因は分からないけど、唇の痙攣がよく起きる。でも、他の症状はない」という方は、心療内科が適しています。
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病院における処置内容について
もしも病気が原因で唇に痙攣が生じていた場合、病院ではどんな処置受けることになるのでしょうか。予め知っておくと安心ですので、どんな処置が受けられるのかご紹介します。
顔面の痙攣
・薬物療法
→鎮静・抗不安薬を中心に服用します。
薬を服用するだけなので身体への負担はかかりませんし時間もかかりませんが、
完全に痙攣を止めることは出来ないので、人によっては効果を実感できないかも知れません。
・手術
→血管に何らかの問題が起きて顔面に痙攣が起きている場合、手術で原因となる血管に処置を行います。
全身麻酔が必要になる手術ですので、患者さんの体力や体質を考慮する必要があります。
・注射する
→ボツリヌス毒素を顔面に直接注射することで、顔面の痙攣を直接的に止める方法です。
手術に比べたら注射の方がマシのような気もしますが、治療は1回で終わるわけではなく、数ヶ月に1回のペースで注射を受ける必要があります。
脳梗塞
予兆を感じて病院を受診した場合、薬の服用が主な治療方法となります。
脳梗塞の原因となる「脳の腫れ」「血管の詰まり」を解消する薬や、「脳の中で塊が出来ないようにする」ための薬を服用することになります。
唇の痙攣には、自分の健康状態が現れるのですね。
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特に痙攣には血管が関わっているため、生活習慣の見直しが症状緩和の第一歩のようです。
痙攣の痛みが軽い・重いに拘わらず、きちんと自己管理して、健やかな日々がおくれるようにしましょう。
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