ALSの症状チェック!3つの初期症状や原因を解説!
<監修医師 春田 萌>
「アイスバケツチャレンジ」という言葉を耳にしたことがありませんか?
これはチャリティーの為のチャレンジで、芸能人の方などが率先して行っていたのは、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。
このチャレンジは「ALS(筋萎縮性側索硬化症:きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)」という病気の認知度を高める為に行っていたチャレンジです。
しかし、この病気自体についてはよく知らない方がほとんどだと思います。
今回はALSの症状や原因についてお話したいと思います。
ALSとは?
ALSとは運動神経(大脳からの運動するという命令を筋肉に伝える神経)だけに選択的に障害が起こり、
その他の神経や脳にはほとんど障害が起こらない、神経異常の疾患です。
総合的には「運動ニューロン系疾患」といいます。
この運動ニューロン系疾患の代表的な病気が「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」です。
ALSのはっきりとした原因は特定出来ていない為、難病指定されている病気です。
ALSの症状
ALSの症状は50代での発症が最も多いと言われていますが、稀に20〜30代の若年層にもみられる病気です。
主な症状は
✅手足に力が入らない
✅手足を使えない事により筋肉が痩せてくる
✅全身に広がると喉や口の筋肉が弱くなり、食べ物を飲み込む事が出来なくなる(嚥下障害:えんげしょうがい)
といった事が起こります。
また、顔の筋肉が動かなくなることで顔面麻痺になり、
脳が勝手に運動神経に働きかける事で感情(喜怒哀楽)の表現が出来なくなることがあります。
本当に稀なのですが、面白くないのに笑ったり、悲しくないのに泣いたりという症状が出る事があるという報告もあります。
これは精神的な病気ではなく、ALSが原因で引き起こっている症状です。
これに対しては、周囲がどれだけ理解しているかが大切になってくるかと思います。
ALSの診断
前述でも出たように運動神経以外の神経や脳にはほとんど障害がありません。
例えば首から下が動かない状態になっても、顔の筋肉が動かなくなっても、脳は正常な事がほとんどなので意識はしっかりと正常なのです。
つまり一般的に行う血液検査や頭部のCT、MRI検査にも異常が見られない事がほとんどです。
また類似するような症状の病気(末端神経障害や脊髄の病気)も考えられる為、
神経に電気を流して運動神経の反応を見る筋電図検査を行って、運動神経の障害があるかを見てALSの診断をします。
病気の進行具合
最初は手足の筋力が落ち、後に全身に広がる為にやがて寝たきりの状態に陥り、呼吸も難しくなるといった非常に怖い病気です。
発症から亡くなるまでの期間は平均2〜4年と言われていますが、
中には10年位ゆっくりと症状が進行していく方もいる為、個人差があるようです。
ALSの初期症状チェック
では、ALSの最初の症状はどういったものがあるのでしょうか?初期症状に関しては大きく3つが挙げられます。
手足の違和感
ALSの患者さんの4分の3にあたる患者さんが、まず初めは手足の違和感を感じて、病院を受診されます。
身近なところでお話すると、食事の際の箸を持つ事が出来ない、
重たい物を持つ事が出来ない、疲れやすく、走る事が出来ないなどの運動系の動きにまず出てきます。
これはALSの特徴である症状であり、運動障害の初期症状です。
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喉の違和感
喉の違和感においては「食べ物を飲み込む際にむせてしまう」「痰が切れない」といった症状を感じます。
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舌の違和感
舌の動きが悪くなり、「言葉が不明瞭」になるなどのコミニュケーション障害の症状が出ます。
これは喉や舌の筋肉が麻痺してしまっている、ALSの症状です。以上の3つの症状が初期症状として現れ、病院を受診される方がほとんどです。
この病気は男女比が1.5:1で男性の患者さんが少し多いようです。
ALSになる原因
ALSになる原因ですが、こちらははっきりと明らかにはなっていません。原因となる仮説はいくつかあり
✅神経伝達物質の異常
✅環境説
(日本では紀伊半島付近でALSの患者さんが他の地域よりも多く発症がみられた事から、
その地方にある何かが要因になっているのではと言われています。)
✅神経細胞に行き渡る栄養不足によるもの
✅家族性、遺伝性のもの
以上が現在の仮説として挙げられているものの一部です。
まだまだALSの原因は分からない事が多く、研究途中の病気である為、これだという原因は断定出来ないのです。
まとめ
いかがでしたか?ALSは運動神経の異常により起こる病気ですが、まだまだ解明されていない事も多い病気です。
手足が動かなくなったり、食べ物がむせたりと筋肉を使う部分の障害が出る病気ですが、脳にはほとんど障害がないため、意識は正常です。
身体が動かないので日常生活においては介助が必要になってきます。
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家族の理解や協力が必要不可欠な病気です。この記事を読んで、ALSへの理解が高まる事を願っております。
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