寝起きのめまいの原因はコレ【7つの治し方を一発チェック】
<監修医師 豊田早苗>
朝起きるとき、せっかく気持ち良く寝ていたのに起きる際にめまいがしたら、とても不安に感じてしまいますよね。なぜめまいが起きるのか原因を知っておけば不安を解消できるかと思うので、今回は予防法を解説していきます。
気になる所から確認してみよう
寝起きのめまいは危険な病気の可能性あり
めまいの種類
「回転性めまい」と「浮動性めまい」があり、吐き気を伴っためまいを引き起こすものがあります。回転性めまいは耳の障害が原因と考えらえれ、激しい吐き気を伴います。
浮動性めまいは血圧の調整障害や脳の障害が原因で起こると考えられ、立っていられないほどではないが、比較的長く続くことが多いようです。
また、立ち上がった瞬間にクラクラとする立ちくらみ、立ったり歩行時にふらついたり左右に揺れる平衡感覚の一時的障害も考えられます。吐き気や嘔吐は、数日後に出てくることもあります。
めまいの症状に悩まされている場合、耳鼻科へかかりますが、心因性の場合は心療内科や精神科で見てもらうと良いです。
耳鳴り・難聴
突然激しいめまいが起きた場合は、頭を動かさないように気を付けましょう。このような症状が起きた時に考えられるのがメニエール病で、片側だけの難聴や耳鳴りを伴い激しいめまいがするのが特徴です。
また吐き気や頭痛、高熱、冷や汗などの症状を伴うこともあります。他にも、同じような症状で、内耳炎や中耳炎が考えられグルグル回るめまいは、耳の障害による可能性があります。
また、突発性難聴でも難聴や耳鳴り、耳がつまるといった症状が起きます。
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手足のしびれ
朝、寝起きの状態での手のしびれ、血行不良による手のしびれを感じることもありますが、他にも脳梗塞・糖尿病・神経障害などが原因で手のしびれ、女性の妊娠中や産後の手のしびれなどケースは様々です。
手のしびれと共に、頭痛や肩こり、首の痛み、めまいなどに悩む女性も多いようです。また、水分と塩分が不足している脱水症状の際にも、頭痛、めまい、手足や舌のしびれ、吐き気、下痢、痙攣などの症状を引き起こします。
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寝起きのめまいの7つの原因
良性発作性頭位めまい症
耳の中にトラブルが考えられる病気です。耳の中にある耳石という器官がはずれて動き、半規管といわれる器官を刺激することで発症するめまいです。
寝ている間は動きがなく、起きるときに急に動くことによって外れた耳石が半規管を刺激してしまい、めまいを引き起こします。
すぐに治まる人もいますが、立ち上がれなくなってしまったり、吐き気を伴ったりする場合もあるのです。
寝起きのめまいによって日常生活に不安を感じるようであれば治療を受ける必要があり、めまいを起こさないようにするリハビリや、耳石を元に戻すための運動を行いましょう。
起立性低血圧症
睡眠時に寝返りを打たない方や寝相が良すぎる方に多く見られる症状です。寝ているとき、ベッドで横になっていると血液が体の下のほうへ溜まってしまいます。
この状態のまま急に頭を起こすと、脳内の血液や酸素が不足してめまいを引き起こします。
寝起きだけでなく、座っていて急に立ち上がった時の立ちくらみや、長時間同じ体勢で急に体勢を変えた時にも起こりやすいといった特徴があります。
寝る前に軽いストレッチをして血流の流れを良くするように心掛けましょう。また起きるときに急に頭を起こさずに、ゆっくりと頭を起こすことも大切です。
自律神経の乱れ
普通に生活しているときにめまいを伴うのであれば、精神的な原因が考えられます。
就寝時になかなか寝付けない、眠りが浅く何度も起きてしまう、過労や睡眠不足などが続き、体がだるい、などのストレスを多く感じている方はめまいが起こりやすいと言われています。
過労・ストレス・ホルモンバランスの乱れは、自律神経の乱れを起こし、フワフワと体が浮くようなめまいを起こします。
精神的な要因が多く、心因性のめまいと言われていて、改善方法はストレスを溜めないことが一番ですが、朝起きて太陽光を浴び「セロトニン」という幸せホルモンの分泌を増やすのも効果的なのです。
また、セロトニンはトリプトファンという物質から出来ていますが体内で生成することはできないため、大豆・ごま・チーズなどの食材に含まれているので食事にも取り入れてみましょう。
低血圧
めまいは高血圧が原因で引き起こされると考えられることが多いようですが、実際は低血圧のときにも引き起こされるのです。
低血圧の方は、めまいに伴って朝起きると機嫌が悪い、なかなか起きられない、いつも遅刻してしまうなどが挙げられます。こうした症状はかなり低血圧が進行している状態です。
低血圧の原因として考えられるのは、朝食を抜いたり、激しいダイエットをしたりすることであると考えられています。このような後に、寝起きにめまいの症状がでるようであれば低血圧を疑ってみましょう。
低血圧を改善するためには、しっかりと食事をとることが大切です。改善しない場合は、専門機関での治療が必要になります。
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脳疾患
脳の障害が原因でめまいを引き起こしている場合は非常に危険なことです。脳梗塞や脳血栓などの脳の障害が原因と考えられます。主な見分け方は、めまいに伴って頭痛や吐き気をもよおす場合です。
めまいには一つの周囲が回転して見える「回転性のめまい」と、車や船に乗ると揺れるふわふわした不安定な状態の「浮動性めまい」の二種類があり、脳梗塞の人は浮動性のめまいが現れます。
高齢者の方や脳梗塞の人は首を回したりして対策を取ることや、水分補給もして血行が良い状態を保ちましょう。また、首を回したりすることで肩こりや疲労回復にも役立つので疲れている方にはおススメです。
メニエール病
発症の原因は、内耳を満たしているリンパ液が過剰になることでリンパ水腫が起こり、めまいや耳鳴り、難聴などの症状が現れると考えられていますが、なぜリンパ水腫が起こるのかについてははっきりと解明されておらず、発症にはストレスが関係していると言われています。
メニエール病によるめまいは、何も前触れや誘引もなく突然目の周りがぐるぐる回るような回転性のめまいが起こり、ひどいときには吐き気や動悸を伴う場合があります。
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貧血
女性で起こりやすいのが貧血によるめまいです。血液中の酸素が少なくなるため、脳に酸素が十分に届かなくなることでめまいが起きます。
血液には酸素や二酸化炭素、糖などの栄養を運ぶ役割があるため、血液や血液の流れに影響を及ぼす病気の場合、脳の酸素や栄養不足が原因です。
また、貧血の他にも、高血圧症、低血圧症、不整脈、低血糖などが考えられます。
寝起きのめまいを一発で治す
起きる前に治す
朝起きた時に、そのまますぐに起き上がるのではなく、そのまま布団やベッドの上で体を真っ直ぐ仰向けの状態になります。
頭だけを動かし、顔を右向きにして1から10まで数えます。10経ったら真っ直ぐ上を向いて1から10まで数え、左を向いて同じように10まで数えます。これを朝晩10セットずつ行いましょう。
この運動により耳石が元の場所に戻り、平衡感覚が正常に戻るのです。
ツボ押し
めまいは突然起こるので、どのような原因でなるのかわからないような場合は医療機関にかかりましょう。
耳の奥の耳石・首や肩などの極度の緊張やコリ・自律神経の乱れなどが原因でおきるめまいなどには、ツボ押しをしてみると良いです。
✅ 完骨・・・耳の後ろ側にある骨のふくらみの下の部分から指1本分上に位置している部分を、 指に頭の自重をかけ、指も上に押し込む要領で刺激し、首筋全体リンパマッサージをします。
✅ 頭きょういん・・・耳の後ろ側にある骨のふくらみの上にあるくぼみです。指の腹を当て、さするように動かして刺激します。
✅ 翳風(えいふう)・・・耳たぶの後ろ、耳たぶの付け根にあるくぼみに位置します。指の腹を当て、さするように動かして刺激します。
✅ 外関・・・前腕外側で手首の関節の真ん中から指2本分くらい手前のところに位置します。その部分を強く刺激します。
寝起きのめまいは予防できる
安静にする
めまいが起きた時には体を動かさずに安静にするのがベストです。できるだけ静かで明るすぎないところ、電気が消せるなら電気を消し楽な姿勢を取り、横になるのが良いです。
睡眠をしっかりとる
生活習慣の乱れがめまいの原因となっていることもあります。めまいの症状が出ている場合は、バランスのとれた食事でしっかりと栄養をとり、十分な睡眠をとることと、規則正しい生活を送ることが大切です。
寝不足が原因めまいが起こることもあるため、睡眠はとても重要と考えられます。
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貧血・吐き気があるめまい
貧血が原因でめまいが起きている場合、貧血を改善するために、鉄分や葉酸のサプリを摂ると改善されます。市販薬もありますので生理中で体がつらいときにも効果的です。
吐き気があるめまいは、市販の乗り物酔いの薬が効果的な場合があります。頭や目の前がグルグルするようなめまいの場合は酔い止めの薬があると便利です。
リラックスしてストレス発散
日常生活を送っていく中で、無意識のうちにストレスが溜まっていきます。自律神経の不調を招いて寝起きのめまいとなってサインを発していることがあります。
そのようなときは、できるだけ自分がリラックスできる状態を作ったり、外に出てストレス発散が大切です。
飲酒・カフェインの摂り過ぎに注意
カフェインを含むコーヒーや緑茶、紅茶が挙げられます。眠気を覚ますのに飲んだりするように、神経を興奮させる働きがあります。
また、お酒は脳の機能を低下させるのでめまいの症状を悪化させてしまうので、控えるか、飲み過ぎないように気を付けましょう。
タバコ
タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させて血液の循環を悪くさせるため、めまいが起こりやすい状態となるので控えたほうが良いです。
寝具を改善する
良性発作性頭位めまい症は、ほとんど寝返りを打たない人に生じやすい症状で、同じ姿勢を長時間続けることが原因となっています。
そのため、寝返りしやすいように枕の高さや敷布団の硬さを調整するなど、寝返りを打ちやすいように工夫する必要があります。
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