心房細動とは?症状も分かりやすく解説します!
<監修医師 ドクターTST>
心房細動(しんぼうさいどう)とは一体何でしょうか?
高齢者がかかる印象が強い心房細胞ですが、実は働き盛りの世代にも注意してもらいたい病気なんです。
いくつになっても健康を保つために、心房細動の症状をチェックしておきましょう!
今回は、心房細動の症状・予防法を分かりやすくご紹介します。
心房細動とは?
一言で言うと、高齢者に多くみられる「不整脈」です。加齢とともにその数は増加します。
60歳代を境に急増し、70歳代の5%の人が発症し、80歳代には10人に1人の割合でみられます。心臓病の中でも最も起こりやすいと言っていい病気です。
不整脈とは、一定である心臓のリズムが異常に早くなったり遅くなったりすることを言います。
不整脈には命の危険にかかわるものから心配ないものまで、さまざまな種類がありますが、では心房細動はどうなのでしょうか?
心房細動は心房で何が起きているのか
ご存知の通り、心臓は全身に血液を送り出すポンプの働きをしています。その実態は、実は電気で動いているのです。
健康診断などでもよく実施される「心電図検査」は、その電気信号を身体の外から記録し、正常かどうかみています。
正常な脈は、心臓の脈拍の調節をする洞房結節(どうぼうけっせつ)から一定のリズムで電気信号が出されます。
それが心房を伝わり、中間地点の房室結節(ぼうしつけっせつ)を通り、最後に心室(しんしつ)に伝わり、肺や心臓外に血液が送られます。
心房細動は、心房のなかで送られた電気信号の流れが乱れている状態のことを言います。洞房結節の送った正常な電気信号は、心房内で不規則になってしまうのです。
命に関わる危険性はあるのか
心房細動自体には、命に関わる危険性は極めて低いです。しかし問題視される点は、心房細動が脳梗塞を引き起こす可能性があるということです。
その原因は、心房内で乱れた電気信号により心房は小刻みに震え規則正しく収縮できなくなり、血液の流れが滞ったときに出来る血液の塊です。これを血栓(けっせん)といいます。
この血栓が心房内で作り出され、そのまま脳にまで届いてしまうと、脳の血管を詰まらせ、脳梗塞を起こす危険性があります。
心房細動が48時間以上続いたり、高血圧や糖尿病が持病である人、また高齢者は血栓が出来やすくなると言われていますので、注意が必要です。
心房細動の合併症に注意
✅高血圧症
✅糖尿病
✅心肥大
✅心筋症
✅心臓弁膜症
✅狭心症
✅心筋梗塞の経験がある人
など、上記を持病として持っている人は注意が必要です。
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心房細動を誘発するだけでなく、息切れや疲れやすさなど心不全の症状を引き起こし、また脳梗塞の危険性もそうでない人よりも高まります。
心房細動の症状
・動機・胸の痛み、不快感
・ふらつき ・全身の倦怠感 ・めまい ・息苦しさ |
仕事が手につかなくなったり、集中できなくなり、生活の質を低下させます。
どんな時に症状が現れるのか
・気温変化が激しい日(急激に寒くなったとき)
・飲酒後、アルコールが抜けたとき
・ストレスを感じたとき
・睡眠不足
・激しい運動後
・水分・塩分を多量摂取したとき
上記のような時に症状は出やすくなります。
高齢者に多い心房細動ですが、働き盛りの40代から60代にもハードワークによるストレスや睡眠不足によって症状が出る場合があります。
しかしそのほとんどは軽い症状で、「疲れが出たかな」と見送ってしまうことが多くあります。
ストレスを溜めてしまうと様々な病気を引き起こしてしまいます。少しの異変でも決して軽く見過ごしてはいけません。
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病院を受診する目安
受診する科は、内科または専門科の循環器内科がいいでしょう。
もし動悸や胸の違和感などの症状が強い場合には、ただちに医療機関を受診することをお勧めします。
または、症状はほとんどなく、脈の乱れだけが気になる場合は、近所の医療機関で構いませんので、正確な不整脈の診断をしてもらうことが重要です。
心房細動であった場合、将来的に起こりやすくなる脳梗塞の予防を専門医に指導してもらう必要があります。
心房細動の予防法
加齢とともに発症する可能性が高くなる心房細動は、一種の「老化現象」です。
一度なってしまうとなかなか治らないので、予防はもちろんのこと、「治す」という意識よりも「上手い付き合い方」を考えることが大切ですよ。
糖尿病や高血圧症などの生活習慣病が持病にある人は、ない人よりも、心房細動のリスクが5倍も高くなります。
よって、生活習慣病予防やメダボリックシンドローム対策をすることが、心房細動の予防にも繋がります。
例えば、
・適度なダイエット(運動)をする
・毎日血圧をチェックして、高すぎず低すぎずを保つ
・自分の血糖値を把握する
・コレステロール値を改善する
・暴飲暴食をしない
・喫煙本数を減らす
などなど、規則正しい健康的な生活をすることが大切です。
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