女性で左胸が痛い原因はコレ!危険な病気かも!
<監修医師 豊田早苗>
あなたは突然、左胸が痛くなったことがありますか?「胸の痛み=心臓が悪い」と考えそうですが、一概には言えません。
痛みの原因には心臓などの内臓、筋肉、乳腺などがあります。
女性がなりそうな症状を中心に原因や受診する科についてご紹介します。
気になる所から確認してみよう
左胸がズキズキ痛む時の原因
心筋梗塞
動脈硬化や血栓により冠動脈がつまり、血液が流れなくなった状態をいいます。
左胸の強い痛みや圧迫感が15分以上続き、冷や汗、血圧低下、顔面蒼白などの症状が現れます。
心筋細胞の壊死が広がり死に至るので早急な処置が必要です。
原因は肥満、生活習慣病、ストレス、喫煙等です。食生活の改善、運動等による予防が大切です。
心筋梗塞に関しては以下の記事も読んでみて下さい。
【関連記事】
肩こりからくる歯痛の解消法!心筋梗塞の可能性アリ!?
肋間神経痛
肋間神経とは肋骨に沿って走っている神経で、これが痛むことを肋間神経痛といいます。
左右どちらか一方だけが痛み、場所はあばら、背中、みぞおち、わき腹など人によって違い、肺や心臓がさされるように痛いといわれることも多いようです。
咳やくしゃみで痛い場合は肋間神経痛を疑ってみましょう。原因は猫背などの姿勢の悪さや運動不足などです。
【関連記事】
肋間神経痛の症状チェック!背中や胸の痛みは【要注意】
急性膵炎(きゅうせいすいえん)
自身の膵液により膵臓が消化されてしまい膵臓やその他の消化器官が急激に炎症を起こす病気です。
男性は女性の2倍発症し、男性は40~50代、女性は60~70代に多く見られ、アルコール、胆石、脂質異常症等が原因とされています。
腹部から胸、背中に痛みが現れます。痛みは鈍痛から激痛(キリキリ、ズキズキ)までさまざまで、発熱、吐き気、嘔吐、腹部膨満感などの症状が現れます。
脂肪分の多い食事やアルコールの過剰摂取が原因とみられます。
大胸筋・小胸筋痛
大胸筋とは鎖骨・胸肋骨の内側・腹直筋から腕の付け根についている筋肉で腕を動かしたり、呼吸を助ける役目をしています。
また、小胸筋肉とは肋骨・肋軟骨から鳥口突起についている筋肉のことで肩甲骨を下げたり、肋骨を上げる役目をしています。
腕立て伏せや上半身を使うトレーニングをしたとき、大きな荷物などを持った翌日等に胸が痛いときはこれらの筋肉の筋肉痛の可能性があります。
左胸がズキズキ痛むときは何科で見てもらえばいいの?
症状別に病院の何科で診察してもらえばよいかを一覧にしました。
症状 | 受診科 |
心筋梗塞 | 循環器内科、循環器科 |
肋間神経痛 | 整形外科 |
急性膵炎 | 消化器内科(できれば肝胆膵に強い)、内科 |
大胸筋・小胸筋痛 | 整形外科 |
左胸がチクチク痛む時の原因
心臓神経症
心臓に異常が見られないにも関わらず心臓病に見られる胸痛、呼吸困難、めまい、動悸などの症状が現れるもので心因性の病気です。
ストレスや不安感などにより交感神経が刺激されて症状が現れます。
一人でいるときに左胸の狭い範囲がズキズキまたはチクチクし、圧迫すると痛みが強くなるのが特徴です。
心臓病の検査をし、問題がない場合に判断される病気なので病院での検査は必須です。
乳がん
一般的には痛みがあまりなくしこりを見つけることが多いのですが、片側の乳房だけがチクチク痛んだり、胸の奥に刺すような痛みがしばらく続いているようであれば疑いましょう。
症状としてはむくみや腫れが起こり、毛穴がオレンジの皮のように目立ってきます。急性乳腺炎と間違われることがあるので注意が必要です。
【関連記事】
右胸に痛いしこりがあるのは乳がん?何科を受診すべき?
乳房パジェット病
閉経後の女性に多く発症する病気で乳管がんの一種と言われています。
汗を分泌するアポクリン腺の癌化したもので乳房以外にできる乳房外パジェット病、捕骨細胞にできる骨パジェット病などがあります。
乳房パジェット病は乳がんの一種で胸にチクチクした痛みがおこり、乳輪や乳頭にびらんを伴う湿疹ができます。
原因ははっきりわかっていませんが、エストロゲンが関連して、皮膚表面の細胞が悪性化してしまうと考えられています。マンモグラフィー、MRIでの検査により診断されます。
乳腺炎
乳腺が細菌などにより炎症を起こし、発熱や疼痛を発症します。乳管閉塞が原因で多くは授乳中に起こりますが、陥没乳頭などで乳管が閉塞しても起こります。
まれに免疫異常から起こる場合もあります。治療は抗生物質の服用、炎症がひどい場合は切開して膿を出します。
乳腺症とは違い急性疾患で病気です。予防は水分(白湯や温かい飲み物)を摂り、食事は油っぽいものや消化の悪いものを避けることです。
乳房が張って辛いときは冷やしたり圧抜き程度に軽く搾乳するとなりにくいです。
乳腺症
30~50歳くらいの女性がなりやすい病気です。女性ホルモン (エストロゲン) が過剰に分泌されることで起こるもので病気ではありませんから乳癌に発展する可能性はありません。
超音波検査やマンモグラフィーで乳癌かどうか確認することができます。
軽度の乳腺症の場合は特に治療は必要ありませんが、痛みが強い場合、ホルモン分泌を抑制する薬を処方されることもあります。
左胸がチクチク痛むときは何科で見てもらう?
症状別に病院の何科で診察してもらえばよいかを一覧にしました。
症状 | 受診科 |
心臓神経症 | 循環器科、心療内科、精神神経科 |
乳がん | 婦人科、乳腺科 |
乳房パジェット病 | 婦人科、乳腺科 |
乳腺炎 | 婦人科、乳腺科 |
乳腺症 | 婦人科、乳腺科 |
【関連記事】
右胸に痛いしこりがあるのは乳がん?何科を受診すべき?
まとめ
痛みの表現は人によって違いますので表現が難しい所です。
大事なことは医師にできるだけ的確に症状を伝えることです。
特に痛み方によって病気を判断できることがあるのでいろいろな表現を使って医師に症状を説明するようにしてください。
綜合病院で受診することが望ましいのですが、一般的には紹介状がないといきなりの受診は難しいですよね。
まずは近くの病院の循環器科(なければ内科)で受診し、さらに検査が必要な場合は、総合病院を紹介してもらうようにすると良いでしょう。
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。