抗うつ剤の8つの副作用に注意!【効果と合わせて確認しよう】
<監修薬剤師 seina akasa>
様々なストレスにさらされる現代社会においてうつ病は自分に関係のない病気ではありません。いつ誰が罹ってもおかしくない病気の一つです。
うつ病になると薬物治療が主となりますが、その際に処方されるのが抗うつ剤です。薬には必ず効果と副作用があります。抗うつ剤の効果をきちんと知り、その服用方法をきちんと医師の指示のもと守ることが非常に大切です。
今回は抗うつ剤について効果・副作用を含め、服用についての解説をしていきたいと思います。
気になる所から確認してみよう
抗うつ剤の効果
三環系抗うつ剤(TCA)
1950年頃から使用されている最も古いタイプの抗うつ剤です。
強力な抗うつ作用がありますが、副作用も多く、また重篤な副作用が起こる可能性もあるため他の抗うつ剤の効果が現れない場合や難治例に限り使用されています。
モノアミンと呼ばれる気分に影響を与える神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリンなどの再取り込みを阻害することです。
再取り込みを阻害し吸収・分解を抑えることで、モノアミン量を増やします。抗うつ作用が現れるまで2週間程度かかります。
四環系抗うつ剤
三環系抗うつ剤と同じく、モノアミンの再取り込みを阻害します。四環系抗うつ剤のミアンセリン、セチプチリンはα2受容体を阻害することでノルアドレナリンの作用を強めるといわれています。
同じ四環系のマプロチリンはノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで抗うつ作用があります。不眠の強いタイプに使用されることが多いです。
不眠の対処方法についてはこちらも参考にして下さい。
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選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
モノアミンだけを選択的に作用させることで副作用の少ない抗うつ剤として開発されたものです。モノアミンの中でも特にセロトニンの再取り込みを阻害します。うつ病だけでなく、強迫性障害やパニック障害などにも用いられています。
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
セロトニンだけでなくノルアドレナリンも増加させることを目的としています。効果と副作用のバランスが良く、三環系、四環系、SSRIよりも副作用が少ないとされています。
また作用効果が現れるのもはやいのが特徴的です。気分の落ち込みや意欲を高めたりすることに効果的です。
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)
神経伝達物質の再取り込みを阻害するわけではなくセロトニンとノルアドレナリンの分泌を増加させることで抗うつ作用を発揮します。
四環系から派生して開発されたため、睡眠を深くする作用に優れています。SSRIでよく現れる吐き気などの副作用は出にくいことが特徴的です。
効果
抗うつ薬の役割は脳内の環境を調整することにあります。脳内環境がバランスを崩したことにより病的に気持ちが落ち込んだり、不安や恐怖、極度の緊張を感じると考えられます。
抗うつ薬により脳内の神経伝達物質に作用することで、脳内環境のバランスを調整します。
抗うつ剤の副作用
三環系抗うつ剤
モノアミンのみでなく色々なところに作用するため、副作用が多いです。口渇や便秘、性機能障害、めまいやふらつきを起こしやすいといわれています。
口渇は抗コリン作用で出現します。水を飲んだりガムを噛むことで軽減できます。緑内障で治療中の方は禁忌となっています。
頻度は低いですが、不整脈を誘発する恐れがあり、大量に服薬すると命の危険があるとされています。これらの症状が出た場合は、医療機関に相談しましょう。
不整脈についてはこちらも参考にして下さい。
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四環系抗うつ剤
三環系抗うつ剤と比べ副作用は少なく、作用が現れるのも1週間程度とされています。ただ効果そのものも弱くあまり普及していません。眠気を誘うものが多く、眠りの質を深くさせる作用があります。
眠気とともにふらつきが見られることがあります。
眠気まではいかず、ぼーっとしたり注意が散漫になったり、集中力の低下がみられる場合は自動車の運転を控えるなど注意が必要です。
SSRI
三環系抗うつ剤と比べ副作用は随分と少なくなりました。特に命に関わる重篤な副作用がほぼ見られなくなった点が大きな違いです。
効果と副作用のバランスが整ったタイプです。吐き気や眠気、口渇、便秘などが起こることがあります。
薬と眠気の関係についてはこちらを参考にして下さい。
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SNRI
SSRIよりも副作用が少ないとされています。
抗うつ剤の服用期間
現在のうつ病の治療では、新しく開発された抗うつ剤から使用するのが原則となっています。これは副作用が少ないためです。新しい抗うつ剤とはSSRI、SNRI、NaSSAの3種類です。
いずれも効果は出るまでに数日から数週間は必要で、副作用が出て日常生活に支障がない限りは根気よく服用し続けることが大切です。
また、抗うつ剤は少量から始めて徐々に増量していくため十分な量を十分な期間服用することが原則です。減量する際も然りで、中途半端に自己判断で治療を行うと病状を長引かせかねませんし、再発の危険もあります。
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