無水カフェインは寝る前に飲んでも平気?【5つの効果に驚き】
<監修医師 まっちゃん>
コーヒーで眠気覚ましの朝の一杯や、午後のティータイムでカフェインを日常的に摂る人もいますよね。では、無水カフェインを知っていますか?
無水カフェインという言葉を聞いて、「コーヒーや紅茶などにたくさん含まれる、あのカフェインと何が違うの?」と思った人は少なくないのではないでしょうか。
簡単にいえば、コーヒー豆から人工的にカフェインを抽出して医薬品にしたものが無水カフェインです。そのため、皆さんがイメージとして持っているカフェインと同じ性質をもったものだと思ってよいでしょう。
では、無水カフェインは寝る前に飲んでも平気なのでしょうか?コーヒーみたいに、飲むと眠れなくなったりしないのでしょうか。今回は、そんな無水カフェインの効果についてまとめてみました。
無水カフェインの効果
コーヒーで摂るカフェインと効果は同じ
無水カフェインは、コーヒーに含まれるカフェインの成分を錠剤の形にしたものです。その製法は最近になって確立されたようで、コーヒーが苦手な人でも、カフェインを簡単に摂取できるようになりました。
コーヒーで摂ったカフェインと無水カフェインは成分として同じものなので効果は同じですが、無水カフェインは錠剤、顆粒、液体と形を変えて服用することができるのです。
医薬品にもなっており、ドラッグストアでも入手することができます。カフェインの効果だけを目的に摂取することができるという点ではとても効率的ですよね。
興奮や覚醒作用
無水カフェインは興奮作用をもつ精神刺激薬に分類されます。具体的には、脳内に眠気をもたらす物質である「アデノシン」の作用を妨害したり、交感神経を刺激し大脳皮質の働きを活性化させるんです。
滋養強壮剤や栄養ドリンクにもカフェインの成分が入っており、覚醒作用による眠気防止や疲労回復といった効果が期待できます。
鎮痛作用
カフェインは、偏頭痛治療薬や鎮痛補助目的で総合感冒薬にも含まれます。薬として「血管拡張性および脳圧亢進性頭痛」に効くとありますが、これは偏頭痛や高血圧性頭痛が入ります。
これらの頭痛は脳内の血管が拡張し血流量がどっと増えることで、脳神経が刺激されて生じます。一方、カフェインには血管を収縮させ、血流量を調整する働きがあるため、頭痛を一時的に緩和してくれる作用があるのです。
偏頭痛と血管の関係性についてはこちらを参考にして下さい。
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また抗炎症作用もあるため、炎症による痛みの鎮静にも役立ちます。しかし、常用すると効果が切れたときに反動で痛みが増すことがあるので、服用には注意が必要です。
利尿作用
もう一つの効果に、利尿作用があります。これも、交感神経への刺激の影響です。交感神経が優位に働くと、尿を生成する腎臓の血管は拡張し、濾過量が増えます。
そして抗利尿ホルモンの抑制により水分の体内への再吸収も抑制されることから、おしっことして排出されやすくなります。
また、「アデノシン」は膀胱括約筋に作用し排尿を抑制しますが、カフェインはこれを妨害するため頻尿になるといわれています。
水分補給としてカフェインを多く含む飲料ばかりを飲むことは脱水症状を引き起こしかねないのでおすすめできません。
ダイエット効果
交感神経の刺激は細胞のエネルギー代謝を高めてくれる効果と、脂肪の燃焼を助ける効果もあり、ダイエットの強い味方になります。
また、カフェインはドーピング検査の対象にもなるほどに筋肉の収縮力を高める効果があります。筋肉疲労もしにくくなるため、持久力もアップします。
そのため、運動と上手に併用することで、ダイエットの他、糖尿病などの発症予防にも効果的といわれています。
美容や健康への効果
カフェインには、他にも様々な効果があるといわれています。たとえば美肌や肌の老化予防が期待できます。
カフェインコーヒーオリゴ糖を一緒に取ることによって腸の収縮運動を促す作用によって整腸効果もあり、便秘が改善する人もいます。その他、骨肉腫や軟部腫瘍などのがん治療、認知症改善への効果も期待されています。
寝る前に飲んでも平気?
寝る前には飲まない方がいい
カフェインの大きな効果に、眠気防止があります。そのため、摂取する時間によっては睡眠へ影響を及ぼしてしまいます。
無水カフェインは摂取してから15分くらいで効き始めます。摂取後は1時間ほどでピークをむかえ、4〜6時間で効果は半減していきますが、8〜14時間は覚醒効果が続くといわれています。
そのため、寝る前に摂取してしまうと、なかなか寝付けなかったり、寝られても途中で起きてしまったりすることがあります。
交感神経へ働きかけるカフェインは、過剰摂取や長期使用によって自律神経の乱れをもたらし、眠りの質をどんどん悪くしてしまう可能性があるので要注意です。
無水カフェインを摂るときは、持続時間を考慮して、寝る前の6時間は摂取を避けるようにした方がよいでしょう。
依存性から不眠症へ
寝る前のカフェイン摂取によって睡眠不足になると、疲労や倦怠感が翌朝まで残ってしまいます。
その疲れや眠気を解消しようと、また無水カフェインをとると眠りが浅くなり、その翌日も…というように、やがて不眠症へ陥ってしまうという悪循環が待っているかもしれません。
生活習慣や仕事上の都合でやむを得ず無水カフェインを手放せない人もいるでしょう。けれども、気づけばどんどん摂取量が増え、不眠と慢性疲労で取り返しのつかない病気になる可能性もありますよ。
不眠症とその対処方法についてはこちらを参考にして下さい。
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無水カフェインの副作用
少量では副作用はほとんどない
無水カフェインは、少量であれば副作用はほとんどありません。しかし、一日の摂取量が250mg以上は過剰摂取になり、手の震え、動悸、頻脈、不整脈、不眠、不安、瞳孔拡大、吐き気などの中毒症状が出ることがあります。
また、一度に大量に摂取すると死に至る可能性のある劇薬に指定されています。その量は10〜12gほどで、コーヒーで摂取しようとすると100杯以上になるので難しいでしょうが、無水カフェインでの摂取であれば可能性はあります。
効き目が弱いからといって間違っても錠剤をたくさん服用することはしないでください。
常用による副作用に気をつけよう
無水カフェインの常用は、副作用を引き起こすことが多いので注意が必要です。
例えば、カフェインがもたらす一時的な鎮痛効果は、作用が切れたときの反動でかえって痛みがひどくなることが多いです。このような反動は離脱症状といわれ、精神症状としては抑うつ気分や不安感などを伴う場合があります。
また、胃液分泌の促進作用があるため、胃が荒れやすくなります。その他、常用により血圧が高くなったり、骨が弱くなる場合もあるようです。
他の薬との飲み合わせで起こる副作用
喘息の薬であるテオフィリン、消化性潰瘍の薬であるシメチジンとの併用で副作用の症状が出やすくなることがいわれています。逆に、鎮痛作用のあるロキソニンなどは、カフェインによって効果を抑制してしまうことがあります。
他の薬との飲み合わせについては、事前に医師や処方箋の説明をよく理解しておきましょう。
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喫煙者のカフェイン依存症は痛風に注意
ニコチンは体内でカフェインの代謝を促進する作用があります。そのため、喫煙者は非喫煙者よりもカフェインが体外へ排出されやすく、カフェインの効き目が低いとされています。
その分、血中の尿酸値が高くなり痛風になりやすいのです。
女性は要チェック!貧血と妊娠中のカフェイン
無水カフェインは鉄分の吸収を阻害するため、貧血になりやすくなります。そのため、貧血に悩む女性は食事の前後のカフェイン摂取は控えましょう。
また、妊娠中の女性も注意が必要です。カフェインは胎盤への血流量の減少を招いてしまうため、胎児の栄養不足、発育へ悪影響があります。流産の危険性も高まることがいわれています。
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気をつけたい病気
カフェインは胃酸の分泌を促進するため、胃潰瘍の人は症状が悪化する可能性があります。
また、カフェインの血管拡張作用や強心作用による血圧や心拍数を上昇させるため、心臓疾患の人も注意が必要です。眼圧上昇による失明の危険性がある緑内障の人も症状が悪化する恐れがあります。
この他、不眠症の人は覚醒作用により眠気を抑制される可能性があります。無水カフェインの効果は、一方で摂り方を間違えると逆効果になってしまいますので注意しましょう。
今回は、無水カフェインの効果についてまとめました。コーヒーや紅茶は歯が黄ばんだり、味が苦手という理由で飲めない人もいるかと思います。また、好きだからといってがばがば飲み過ぎると体に不調をきたすことがあります。
その点、無水カフェインは歯が黄ばむ心配はありませんし、どなたでもぐに摂取しやすいでしょう。含有量の把握ができるため、摂取量もコントロールしやすい反面、過剰摂取による副作用があることを忘れてはいけません。
みなさんも、無水カフェインを効果的に活用し、健康な日常生活を送りましょう!
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