痛い!首のしこりは何科を受診すれば良い?癌なのかな。。
<監修医師 WASHIO>
しこりは「ガン」のイメージがあり、怖いですよね…もし、そのしこりが首にあったら焦りますよね。
今回は首にできるしこりの原因や、治療方法、どこに受診すればいいのか、を紹介します。
気になる所から確認してみよう
痛い首のしこりが出来る原因
しこりの原因は癌(悪性)だけではありません。癌だと思い込んでいると「いつまでも治らない」と不安になり精神状態まで悪化してしまいます。
癌以外の原因を紹介しますので、首のしこりがどのタイプに当てはまるかじっくり観察してみて下さい。
リンパ節の腫れ
首筋でみられる多くのしこりは、リンパ節が腫れているものがほとんどだそうです。
「しこりがなかなか消えない」と気付いた際は、しこりの部分をそっと押してみましょう。押すと痛い場合、原因はリンパ節にあります。
リンパ節というのは、リンパ液が集まる場所。リンパ節は体の様々なところにあります。
首筋と足の付け根は体表に近いところにあるので、他のリンパ節より触れやすくなっています。
このリンパ節が細菌やウィルスの感染によって炎症を起こします。リンパ節で炎症が起こり始めると、リンパ節は腫れます。
そして、触れたり押したりすると痛みを伴います。さらに悪化すると、リンパ節が化膿する危険性もあります。
普段は炎症を起こしても特に平気でも、疲れが溜まっていたり免疫力が低下しているとリンパ節の腫れは一気に悪化します。
また癌との見分け方はしこりを押して痛みを感じるかどうか以外にも、「急にしこりが大きくなる」かどうかがポイントになります。
癌が進行するとしこりも大きくなりますが、昨日何もなかった場所が今日になっていきなり大きなしこりが出来ていた、という事態はありません。
徐々に癌由来のしこりは大きくなります。さらにしこりを押してぐりぐりと動くようであれば、それはリンパ腺の腫れです。
「どれくらい動くのか分からない」という方は、お住まいの自治体が運営している保健所に出かけてみてはいかがでしょうか。
癌発見用の触診教材を完備している場所が多いので参考にしやすいです。まったくしこりが動かない場合は単なる腫れである可能性が高いです。
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筋肉のコリ
肩こりと同じで、首でもコリは起こります。首の筋肉は、人間の一番重たい脳を支えています。
また、姿勢を維持したり、変えたりするときも常に、安定するように調節しています。長時間のパソコンや、猫背の人は、首にも大きな負担をかけています。
「なかなか首のしこりがなくならない」という方は筋肉のコリが原因かも知れません。
そして首のコリは放置しているとやがて肩こりや頭痛といった症状まで引き起こすことになります。
脂肪腫
脂肪腫とは、ヒフの下にできる脂肪の塊です。腫瘍のひとつですが、良性ですので、危険性は低いです。
脂肪腫は首・肩・背中にできやすいと言われています。
粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は、アテロームとも呼ばれます。何かの原因で、ヒフの中に嚢胞(のうほう)という袋状のものができます。
そこに本来、剥がれ落ちるはずの皮質や角質が溜まって、腫れのようなものができる疾患です。
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こちらも良性腫瘍のひとつですので、ご安心ください。
首のしこりは危険な病気の可能性もある
これまであげた原因は、すべて命にかかわるものではなく、軽症なものです。しかし、しこりの危険性は軽視できません。
次に、危険性の高いしこりの原因について紹介します。
悪性リンパ腫
悪性リンパ腫は「血液のがん」とも呼ばれています。
この病気も首やわきの下、足の付け根など体表に近いリンパ節でグミのような弾力性のあるしこりが確認できます。
悪性リンパ腫の特徴として、他の癌より特徴的な症状が少ないです。
倦怠感や微熱、貧血など、日々の不調と変わりない症状が続き、悪性リンパ腫の発見が遅れるケースも少なくありません。
ただし人によってはしこりの付近に皮膚のかゆみを感じる場合もあります。これは全身を悪性になったリンパ球が移動するためで、身体がだるい感じや吐き気、めまいを感じることもあります。
また首だけではなく喉にまでしこりができていると、咳や痰が止まらない風邪のような症状が出る場合もあります。
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甲状腺腫瘍
甲状腺はのど元にある臓器です。この臓器でも癌がおこると、しこりがでていきます。
甲状腺がんは30代~40代の女性、60代を超えると男性が多い病気です。男女ともに注意が必要です。
しこりの特徴としては、他のがんのしこりより、触りやすいので、発見しやすいです。また、しこりとともに膨らみができますが、左右非対称に膨れるのも特徴です。
甲状腺とは?
甲状腺は、あまり聞きなれない臓器のひとつだと思います。甲状腺について、ご紹介します。
喉元にある臓器で「のどぼとけ」のすぐ下にあります。蝶が羽根を広げたような形をしています。
薄く柔らかい臓器なので、普段は触ってもわかりません。しかし、風邪などをひいて、少し大きくなると、すぐに膨らみを確認できます。
甲状腺の役目は「ホルモンの生成と分泌」です。甲状腺から作られる「甲状腺ホルモン」は、新陳代謝を促す作用や成長を促す作用があります。
唾液腺がん
唾液腺がんとは、唾液の腺(管)の組織に癌ができる疾患です。唾液腺は、唾液を作って、口の中に出すという働きをしています。
この唾液腺は3つの腺から成り立っています。
そのうちのひとつ。耳の下にある耳下腺に腫瘍ができると、首にしこりが出てきます。
耳下腺とは、左右の耳の前下方にある、大きな唾液腺です。しこりの他に、食事中に痛みが伴います。しかし、唾液腺の腫瘍はかなり稀です。
またこのしこりは増えることもあります。
とはいえしこりが増えたからといって悪性腫瘍(癌)とは必ずしも言えるわけではないので、専門機関の受診が必要になります。
赤ちゃんや子供の首のしこりは危険?
大人であっても不安になる首のしこりですが、子供や赤ちゃんにできたらもっと不安ですよね。もしも首にしこりがあっても、幼い子供は気がつかない可能性が高いです。
赤ちゃんや子供は首にしこりができやすいと言われています。
そのほとんどが大人と同じでたいしたことがないのですが、やはり中には病気の可能性もあります。
首のしこりに気がついたら、検診などでお医者さんに伝えるか、小児科を受診しておきましょう。
「お母さんが気にしすぎですよ」ですむものなら安いものです。本当に怖いのは大したことはないだろうと自己判断を下し、あとあと後悔することです。
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首のしこりは何科を受診すれば良いのか?
首のしこりの原因は沢山ありました。見つけたら何科を受診すればよいのでしょうか?
困ったときは「総合診療科」
しこりの状態も原因によって変わってきます。しかし、素人が判断するのは大変難しく、危険です。
どの科が適切なのかわからない。そんなときはまず総合診療科にかかりましょう。総合診療科の担当医が適切な診療科を教えてくれますよ。
癌であれば、それぞれの診療科へ
原因別に診療科を紹介します。
✅リンパの腫れ、唾液腺癌・・・耳鼻科咽喉科
✅脂肪腫、粉瘤・・・皮膚科または形成外科
✅悪性リンパ腫、甲状腺腫瘍・・・内科
首のしこりの検査方法
首のしこりを感じ病院を受診した場合、まずは問診が行われます。その後、医師の判断で様々な検査方法が試されることになります。
悪性腫瘍かどうかを調べるには血液検査や尿検査、脂肪腫や粉瘤かどうかを調べる際にはCT、総合的に調べるためにMRIと、その時の患者の状態や医師の治療方針によって組み合わせは変わってきます。
また血液検査を勧められたからといって悪性腫瘍の可能性が高いわけでもなく、「念のために」という理由で血液検査を行う場合もあります。
問診の結果「異常なし」と言われたのに首のしこりがずっとある、と思い悩みすぎてストレスになるくらいなら思いきって病院で血液検査を申し出るのもいいでしょう。
首のしこりの治療法
しこりの原因が腫瘍だった場合は、腫瘍を取り除く必要があるため、手術などで切除することになります。
筋肉のコリであった場合の治療法を紹介します。コリを見つけたら、指先で軽く押し、円を描くようにマッサージします。
指先や首を温めると、より血流が促され、コリがほぐれます。
首のしこりにも様々な原因があります。しこりを発見したからといって、それがすべて癌ではありません。
しかし、2週間様子をみても治らない場合は、病院に受診しましょう。
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