結膜結石の5つの原因【治療方法も確認しておこう】
<監修視能訓練士 kenkensanta>
目にまつわる病気は様々で、眼球の内側のみならず外側にも発生することがあります。そのうちの一つに、結膜結石という物が存在します。
結膜に微小な石のような物ができ、原因は様々ですが結膜が炎症を起こしていることと生じやすくなると考えられています。
今回は結膜結石の症状と原因、治療法、予防方法について書いていきます。
結膜結石とは?症状を解説
結膜はまぶたの内側と、白目の外側前方の一部を覆って膜で、まぶたと眼球を接続する役目や、目を保護する粘液を分泌する役目があります。
結膜結石はまぶたの裏の眼瞼結膜に、白色ないし黄色をした砂粒のような物が出来る症状です。
この石は粘液の中に含まれるカルシウムや脂質などが固まった物で、結膜が炎症を起こしているときなどに増加した細胞の老廃物が核となって形成されます。
大きさは針の頭ほどで、1~2個が出来ることもあれば、10個以上が同時に出来ることもあります。
結石が生じるのは結膜の奥の方で、最初の内は何も感じません。
しかし、生じた結石は少しずつ移動し、表面に出てくるとまぶたの内側に当たって、ごろごろとした異物感を覚えたり、痛いと感じたりするようになります。
また、結石が黒目の表面を覆う角膜に当たって傷がつくと、痛みで目が開けられなくなったり、充血を起こしたりします。
結膜結石の原因
結膜結石が出る原因は特定されておらず、ドライアイや細菌感染、アレルギーなど、様々な物が考えられるので一概には言えません。
体質的に結石が生じやすい人や、加齢によって結石ができやすくなったりすることもあります。ただ、結膜が炎症を起こしていると生じやすくなるようで、以下のような物が原因になります。
ドライアイ
ドライアイは目の表面を覆う涙の量が少なくなり、目の粘膜が乾燥した状態になってしまう症状です。涙は目の表面をホコリや微生物、刺激から守る役目があり、涙が少なくなれば粘膜は傷が付きやすくなります。
眼がごろごろするといった症状から始まり、目の充血、かすみ、かゆみ、眼精疲労なども生じやすくなります。
ドライアイは慢性化しやすいので、その分結膜結石も生じやすくなります。
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アレルギー
アレルギー物質が目に入ることで生じる結膜炎です。花粉やハウスダスト、カビの胞子などの細かい物によって引き起こされやすく、日本人の約15~20%がアレルギー結膜炎を有しています。
1年中症状がみられる物は通年性アレルギー結膜炎と呼ばれています。
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病原菌の感染
感染性の結膜炎は、ウイルスや細菌の感染によって結膜に炎症が起きるケースです。
結膜炎の原因になる最近は肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などで、黄色ブドウ球菌は健康な人ののどや鼻、皮膚、毛髪、腸管などにも分布しています。
感染力は弱いのですが、目にケガをしている場合、病人や赤ちゃんの場合は感染しやすくなります。
ウイルスは多くの場合アデノウイルスが原因です。アデノウイルスは感染力が強く、人から人へと感染します。
いわゆる「はやり目」や「プール熱」もアデノウイルスによる感染性結膜炎です。
コンタクトレンズ
コンタクトレンズを使っている人も結膜炎をおこしやすい傾向にあります。コンタクトレンズは目に異物を乗せる物なので、それだけ結膜や角膜を傷つける危険があります。
また、コンタクトレンズに溜まった汚れを放置すると、アレルギー性の物質もたまりやすくなりますし、ウイルス、細菌は寄ってきて繁殖するようにもなります。
コンタクトレンズの中でも、カラーの入った物、いわゆるカラコンは特に結膜炎を引き起こしやすいので注意が必要です。
粗悪な品質の物が出回ることもあり、粗悪品は目を傷つけやすいです。
おしゃれ目的で人から借りたり貸したりすることも、感染性の結膜炎の病原菌をうつすきっかけになります。
体質・加齢
この場合は慢性的な結膜炎などの異常がなくとも目に結石ができやすいケースです。結膜の結石は腎臓や胆のうの結石とはできるメカニズムも成分もっ全く異なっています。
よって、そうした病気になりやすい・なったことがあるということと、結膜結石ができやすいかどうかは関係がありません。
結膜結石の治療法
結膜結石は表面へと押し出されていくものなので、押し出されて自然治癒したり、洗眼や目薬で洗い流せたりすることもあります。
2~3日様子を見て良くならないようであれば、外科的手法で除去した方がよいかもしれません。
取り方は方法はまぶたに麻酔をして、細い針を使って石を取り除くという物で、数が少なければ5~10分程度で終わります。
かかる費用は、結膜から異物を取り除く処置料だけなら、3割負担で300円前後と安く済みます。
当然ながら、自分で取るのは難しい上に危険すぎるのでやめましょう。
結膜結石を完全に除去したり、今後生じないようにしたりすることはかなり困難で、繰り返し再発することも良くあります。
除去以外では目薬で異物感を抑えるなどの対症療法しかなく、結石が小さかったり奥の方にあったりする状態では治療の対象にならないこともあります。
結膜結石の予防法
結膜結石の生じる原因は具体的には特定されておらず、体質的に生じやすい人もいるので予防は困難です。一番効果があるのは結膜炎を予防することです。
ドライアイ
目の使い過ぎを避けることが大切です。長時間パソコンの画面に集中すると、瞬きの回数が減って目が乾燥し、ドライアイの原因になります。
アレルギー性の結膜炎
部屋の掃除を欠かさないこと、花粉症がある場合は花粉対策眼鏡や目薬などで防御することが重要です。
感染性の結膜炎
まず目を触らないようにすることが重要です。手には良く病原菌が付着しており、触れば目に傷が出来てそれらの病原菌が侵入しやすくなります。
発症した場合は眼科で抗生物質の入った点眼剤などの治療薬をもらい、治るまで眼帯などで目を触らないように保護してやると良いでしょう。
また、感染症による結膜炎は人に映ることがあるので、顔をふくタオルは家族とは別の物を使ったり、お風呂に入るときは最後にしたりするなどの対処が必要になります。
結膜炎は目に関する病気の中でもかなりポピュラーなもので、ついつい軽く考えがちですが、慢性化すると結膜結石をはじめとした多種の病気につながります。
早めに直すことが出来ればそれだけ結膜結石が出来る可能性も低くなるので、目をむやみに触らないこと、清潔を保つこと、目を休ませることが重要になります。
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