アデノウイルスの8つの症状【結膜炎に注意して!】
<監修医師 ゆまこ>
子どもの頃は良く風邪を引いたり、熱が出たりするものです。
高熱の場合には注意が必要ですが、今回は高熱が出た場合に考えられる症状の一つである「アデノウイルス」についてお話しします。
アデノウイルスとは?
アデノウイルスとは夏に皆さん良く行く「プール」で多く感染が見られるウイルスで、このウイルスに感染したことによる感染症を「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」または「プール熱」などと呼びます。
プールでかかる以外にも感染経路はあります。現在アデノウイルスは51種類もあると言われており、これらの感染症以外にも、そのウイルスの種類によって症状が異なる事も分かっています。
アデノウイルスに感染した幼児の症状
「アデノ」とは「扁桃腺」や「リンパ節」を意味する言葉で、アデノウイルスは扁桃腺やリンパ節などに特に多く潜伏しているウイルスです。
このウイルスが引き起こす病気には様々なものがあります。
咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)
先述でもお伝えしたように、またの名を「プール熱」と呼びます。プールに入ったからかかるという訳ではなく、飛沫・便による感染もあります。
主な症状としては高熱(3~7日続く)、喉の痛み、目の充血や目やにです。
気管支炎
熱、鼻水、咳などのいわゆる風邪のような症状が現れて、酷い場合にはインフルエンザのような筋肉痛、頭痛などの症状が併発する事もあります。
肺炎
5歳児以下の子どもが発症する事が多く、髄膜炎や心筋炎、脳炎などの重篤な症状を引き起こす場合もありますので、注意が必要です。
【関連記事】
肺炎の症状チェック!えっ大人でもうつるの?
流行性結膜炎
「はやり目」などと呼ばれますが、目の充血と目やにが出る事が特徴で「咽頭結膜熱」のように高熱が出たりする事はほとんどありません。
保育園などでよく感染が見られ、片目に現れる事がほとんどですが、ひどくなると両目に発症してしまうこともあります。
特に小さなお子さんは知らず知らずのうちに手で触ってしまい、他に感染させてしまう事もありますので注意が必要です。
【関連記事】
はやり目の症状はコレ!会社は出勤停止ですか?
胃腸炎
アデノウイルスによる胃腸炎は乳児・幼児の嘔吐症・下痢症の主な原因になります。喉の熱から吐き気や腹痛がある場合には胃腸炎の疑いがあります。
症状が酷い場合には重篤な病気を引き起こす原因ともなりますので、症状が出た場合には早めに医療機関を受診するようにしましょう。
【関連記事】
感染性胃腸炎の症状が軽いけど期間や感染力が気になる!
出血性膀胱炎
排尿する際に痛みを伴い、血尿が出ます。
【関連記事】
女性で血尿が出る原因!痛みなしだと危ない?
発疹
アデノウイルスにより、全身に発疹が出る事があります。ひどく痒みが出たりする事はなく、自然治癒する事が多いですが、かきむしると酷くなることがありますので注意が必要です。
無菌性髄膜炎
一般的な髄膜炎と同じように、頭痛や嘔吐、発熱などの症状が出ます。
アデノウイルスに感染した場合には様々な症状が出ます。主によく見られるのが喉の痛みと高熱が出る事で、インフルエンザ程ひどくなることはありませんが、場合によっては脱水症状を起こし、入院する事もあります。
また、アデノウイルスによる感染症には他の細菌による感染症とは異なり、抗生物質が効かない事が多く、熱が下がりにくいのが特徴的です。その為、早い段階での受診が重要になります。
アデノウイルスの感染経路
感染経路は主に「口、鼻、喉の粘膜」や「目の結膜」からです。
感染する主な原因としては飛沫(唾液やくしゃみ)による感染、便による感染、稀に目やにからうつる事も報告されています。
アデノウイルスの感染の予防方法
では、アデノウイルスに感染しない為の予防方法とは何なのか?をご紹介します。
とにかく手洗い、うがいを徹底する
全ての感染症においての基本の予防法です。しっかりと石鹸を使い、流水で20~30秒程度きちんともみ洗いするようにします。
またアルコール消毒を手洗い後にすると、殺菌作用があり効果的です。
感染者、または感染の可能性のある人には接近を控える
アデノウイルスに感染している患者への接触により感染のリスクは高まります。
なるべく接触は避けて、タオルやコップなどは別に分けて使用するようにしましょう。また飛沫感染を予防するためにマスクの着用も効果的です。
夏のプールから上がった時はしっかりと目を洗う
夏のプールで感染する事も多いため、必ず目をしっかりと洗うようにしましょう。また身体にウイルスが付着したことにより起こる可能性も考えられますので、しっかりとシャワーを浴び、うがいをするようにしましょう。
いかがでしたか?アデノウイルスといってもかかったウイルスの種類によって、様々な症状が現れ、中には重篤な症状を引き起こす事もあります。
子どもが高熱を出すと、面倒を見る親御さんも大変ですよね。感染を防ぐためにも、また感染した場合には被害を拡大させないためにも普段から注意が必要です。
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。