翼状片の手術方法や費用について【原因は意外なものだった!】
<監修医師 まっちゃん>
目にゴミが入っていないのにいつもゴロゴロするということがある人はひょっとすると翼状片かもしれません。
翼状片とはいったいどんな病気なのか、また手術が必要な場合の費用や手術方法について解説します。
気になる所から確認してみよう
白目と黒目
黒目の部分は角膜という透明の膜でおおわれており、網膜の色素によって瞳孔が黒っぽく見えます。白目は3層構造になっています。表面から結膜、テノン嚢、強膜と言います。
結膜の構造
まぶたと眼球を結びつけている組織で3つに分けられます。
✅瞼結膜(けんけつまく):まぶたの裏を被っています。
✅球結膜:強膜をおおって角膜との境で強膜とつながっています。眼球が円滑に動くような働きをしています。
✅円蓋部結膜(えんがいぶけつまく):瞼結膜と球結膜をつないでいますが、そのつながりにはゆとりがあります。それによってまぶたと眼球の動きが円滑になります。 |
結膜に生じる可能性のあるトラブルについてはこちらを参考にして下さい。
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翼状片とは?
結膜の中層にあるテノン嚢が何かをきっかけに増殖し、角膜に三角形状に入り込んでくる病気です。良性腫瘍のひとつで、通常は目頭側から角膜の中央部へ向かって侵入することが多く、翼状片が中央に進むにつれて角膜がゆがみ、乱視になります。
そのため、進行すると視力が低下します。また、結膜には血管が多く走っていますので、本来血管のない角膜部分に結膜が入ることにより黒目部分が赤く見えることがあります。
翼状片になる原因はコレだった!
ハッキリとした原因はわかっていませんが、原因と思われるものは下記の通りです。
紫外線
紫外線が原因になる目の病気で有名なのは白内障ですが、翼状片も紫外線が原因の一つと言われています。
発症は中高年になってからが多いのですが、若年者も発症することがあります。子どもの頃から目に紫外線を多く浴びていると発症率が上がります。
業種的には野外で行うスポーツの選手、漁師・農業従事者、建設業などで、地域では沖縄に多い傾向にあります。
逆まつ毛
まつ毛が眼球にあたって刺激をすることにより、炎症が起きます。慢性的な炎症から翼状片になることがあります。
そのほかの眼球を傷つける要因についてはこちらを参考にして下さい。
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ホコリなど外因性刺激
目にホコリが入る等の外因性の刺激が続くと逆まつ毛同様に慢性炎症を起こしやすく翼状片になる可能性があります。
コンタクトレンズの着用が長い人も罹りやすいようです。
コンタクトレンズの着用に伴うトラブルについてはこちらを参考にして下さい。
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翼状片の症状
目の充血、違和感から始まり、黒目に結膜が三角系に入り込んできます。目の表面が盛り上げることにより凹凸ができて異物感を感じます。
進行すると角膜まで侵入し、レンズがゆがみます。視力にも影響を及ぼします。通常であれば毎日鏡を見ることで早期に発見することができます。
翼状片の手術方法や費用について
翼状片は良性腫瘍と言われています。初期の場合や症状がなければ放置していても問題はありません。充血や炎症、異物感があるようならステロイドなどの点眼薬で抑えることも可能です。
しかし、翼状片に対して効くわけではないので根本的な治療としては手術が必要です。
手術方法
部分麻酔をした後、翼状片を切除し、自己結膜を移植します。翼状片の切除だけでは再発率が高く、鼬ごっこのような状況になることがあります。しかし、正常な結膜を移植することにより再発率はかなり低くなります。
手術時間は10~20分程度で日帰り手術で行うことができます。
費用
保険適用であれば5,000円~15,000円程度です。その他の費用を考えても3万円程度で行うことができます。
術後の注意
術後はできれば1週間程度休養することをお勧めします。目の手術をしていますから激しく動かすようなことは最低でも1か月は控えるようにしましょう。(たとえば、車の運転、スポーツなど)
また、紫外線や潮風などにさらされますと傷がきれいに治りにくくなりますので半年程度は注意が必要です。プールは歩く等、顔を水に付けなければ3か月程度、泳ぐ場合は最低でも6カ月は控えた方が良いでしょう。
翼状片は普段から鏡を見ることによって早期に発見することができる病気です。黒目に翼状片が伸びてくると視力に影響します。手術も難しくなり、異物感などの後遺症が残ることが多くなりますので初期のうちに治療するようにしましょう。
黒目に異常が現れる症状についてはこちらを参考にして下さい。
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