肺炎の症状チェック!えっ大人でもうつるの?
<監修医師 ドクターTST>
今や肺炎は日本人の死因第3位にもなっており、多くの有名人も肺炎で亡くなるというニュースが多く耳に入ってくるようになりました。
今回はその肺炎とは一体なんなのか、うつることがあるのかを詳しくみていきましょう。
肺炎とは?
咳と熱が出て、徐々に良くなるどころか悪化してきているような感じがする…、このような場合には肺炎を疑います。
今回は日本人がかかる肺炎の中でも最も割合の高い「肺炎球菌による肺炎」について解説していきます。
発熱に痰を伴う咳、肺炎と風邪は非常に良く似ていますが異なるものです。
風邪は上気道といって主に鼻腔やのど(咽頭・喉頭)の炎症が起きている状態のことを指しますが、肺炎は肺そのものを構成する肺胞という部分での炎症のことを指します。
肺胞は酸素と二酸化炭素を交換するための呼吸において非常に重要な役割を果たす部分です。
ここに炎症が発生することによって息苦しさを感じたり、咳が出ます。
重症化すると肺の鬱血が起こり、肺に水が溜まり、心臓への負荷が増大したのちに心不全を起こし、死に至る危険性を秘めています。
高齢者の場合、自覚症状に乏しく急激に意識レベルが下がる場合も考えられますので注意するようにしてください。
肺炎の症状チェック(大人)
最初こそは熱、鼻水、咳などの感冒症状があらわれ、風邪と見分けがつけることが難しいといわれています。
しかし、風邪と異なる症状として
✅38℃以上の高熱が続く、
✅咳が激しく痰も膿のような黄色がかったものが出ている、
✅息苦しく眠れない、
✅上手く息が吐けない、
✅咳き込んだ際に胸の痛みを感じる
などの肺炎ならではの症状が表れてきます。
特に肺炎が悪化していくと、チアノーゼという唇や爪が真っ青~紫になる酸素欠乏状態に陥ってしまいます。
症状が徐々に強くなる場合には肺炎の疑いが濃くなりますので、急性気管支炎などとの鑑別をするためにもX線検査を受ける必要があります。
一向に治る気配がなく、症状が悪化してきているということを目安に病院にかかりましょう。
市販薬では治癒しづらく、長期化する可能性もあります。
多少面倒であっても、後々のことを考慮して病院にかかるようにしてください。
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肺炎になる原因
一口に肺炎といっても分類があります。
風邪の原因となるウイルスや細菌でなるものや誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)という老人に多いものなどがあります。
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その中でも肺炎球菌という細菌感染によるものが一番多く、死亡率も高いといわれています。
特に高齢者や糖尿病や呼吸器、心臓に持病がある方は免疫力が低下しており、細菌に感染しやすい状態になっています。
その状態で細菌が体内に取り込まれることによって肺が炎症を起こし、肺炎になります。
また、インフルエンザウイルスに感染した場合においても、細菌感染をすることがあります。
ウイルス感染なのに細菌感染?と思いますよね。
ウイルス感染に伴って気道や肺にある細胞がこわされてしまうことによって肺炎球菌などの細菌が肺に侵入しやすくなり(2次感染)、
侵入した場合には肺炎を起こしてしまいます。
このように体の抵抗力や免疫力が弱まったときなどに感染しやすく、普段元気にしている方でも罹患する可能性はある病気です。
大人の肺炎はうつるの?
肺炎の種類にもよりますが、その感染経路のほとんどは飛沫感染です。
飛沫感染というのは感染した方の咳やくしゃみによって、空気中に細菌が浮遊し、それを吸入することによって感染してしまいます。
ストレスを多く感じている方やステロイドホルモン剤などを服用しており免疫力が低下している方が感染しやすいので、マスクや手洗いうがいをしっかりと行い予防しましょう。
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肺炎を予防するワクチンについて
現在、日本人の死亡原因の中で上位に入っているものとして肺炎があります。
肺炎で亡くなる方は年間で12万人以上、その内訳は65歳以上の高齢者が特に多いものです。
近頃では肺炎球菌ワクチンといわれるワクチンが普及されてきています。
このワクチンを接種することで肺炎球菌による肺炎を防ぎ、肺炎にかかっても重症度を下げる効果があるといわれています。
しかし、ここで注意が必要なのが、MERSなどのウイルス、肺炎球菌以外の細菌による肺炎の場合にはこのワクチンでは予防することが難しいといわれています。
あくまで肺炎球菌による肺炎へのワクチンなので日ごろから免疫力を上げるために健康を意識しましょう。
65歳以上、養護老人ホームや長期療養施設などで生活されている方、
呼吸器疾患や糖尿病、慢性心不全などの肺炎を起こすと重症化しやすい持病がある方は特に受けた方が良いとされています。
ワクチン接種が初めてであれば公費助成も受けられますし、その後も自治体で助成がありますので是非活用してください。
1度接種すれば5年は効果が持続しますので是非予防接種を受けるようにしましょう。
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