腓骨神経麻痺の症状や原因一覧【このリハビリ法で回復させよう】
<監修柔道整復師 岡部大輔>
腓骨神経麻痺は腓骨頭部(膝の外側)に衝撃が起こることで生じます。その症状は運動障害や感覚障害など様々なものがあります。
一過性の物であれば安心ですが、後遺症として付き合っていかなければいけないものだととても大変です。
今回はそんな腓骨神経麻痺の症状や原因、リハビリ方法について解説します。
腓骨神経麻痺とは?その症状
しびれや感覚鈍麻
しびれは下腿の外側から足の甲にかけておこります。
腓骨神経は他の神経と比べ皮膚に近いところを走行している為、正座や足を組むことによってもこのようなしびれが引き起こされます。
また足がしびれた時に足に触ると感覚が鈍くなっていますよね。これも腓骨神経が圧迫されたために起こる症状です。
長時間正座をしなければいけない時は、重心を移動させて足にかかる圧を逃がすようにしてみましょう。このような場合は、時間の経過とともに回復していきます。
足の痺れを感じる原因についてくわしくはこちらも参考にして下さい。
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垂れ足
腓骨神経麻痺が起こると、足の指と足の関節があげられなくなります。それによって垂れ足(下垂足)になってしまいます。
垂れ足になると、歩くときに爪先がうまく持ち上がらず躓きやすくもなります。
さらに、サンダルなどの履物が脱げやすくなってしまいます。また足をあげる力だけでなく、支える力も低下するので非常に転びやすい状態とも言えますね。
腓骨神経麻痺になる原因
神経の圧迫
腓骨神経は腓骨頭(下腿の外側)から下腿全面を走行しています。そして、比較的皮膚に近いところを走っています。
そのため、正座や長時間足を組むなどして神経を圧迫することで、簡単にしびれなどの症状が出て来ます。
その他にもギブスの装着、下腿の外側を下にして寝るなどでもしびれの症状が表れます。
腓骨神経麻痺は自然と回復することが多いですが、腓骨神経の損傷がひどい場合などには後遺症として残ってしまうことも充分あります。
そのため、足の痺れが取れないなど気になる症状がある時は病院を受診するようにしましょう。
固い床で寝る
ちょっと昼寝をしようと思い寝るときは、たいていの場合がお布団などの環境が整った場所ではないですよね。
そういう時に固い床で、さらに下腿の外側を下向きに寝た場合に腓骨神経麻痺の症状が出る事があります。
お昼寝をする時も、なるべくならば柔らかいところで睡眠をとるようにしましょう。
手術
人工骨頭置換術や人工股関節全置換術といった股関節の手術が原因となることもあります。
腓骨神経の大元は坐骨神経という物で、この坐骨神経が手術によって損傷を受けると、腓骨神経が間接的に損傷されてしまうのです。
それによって腓骨神経麻痺の症状が表れてしまいます。
手術が必要な股関節のトラブルについてはこちらを参考にして下さい。
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腓骨神経麻痺のリハビリ法
筋力トレーニング
前脛骨筋、長短腓骨筋などの筋力トレーニングを行います。これは、足関節の底背屈運動を繰り返す運動です。
この筋力トレーニングは、MMTという筋力評価で0の場合は適応になりません。MMT0というのは筋肉の収縮自体が起こっていないレベルです。
また足関節が常に下を向いている状態という事は、ふくらはぎにある筋肉(腓腹筋やヒラメ筋)は伸びる事がありません。
すると筋肉が硬くなってしまい、足をあげられなくなる要因を作り出してしまいます。
その為、下腿前面にある筋肉(前脛骨筋・長短腓骨筋)だけでなく、後面の筋肉のリハビリも必要です。
また腓腹筋とヒラメ筋は合流してアキレス腱になります。そのため、腓骨神経麻痺の時はアキレス腱の筋トレも行うようにします。
ヒラメ筋についてはこちらを参考にして下さい。
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低周波治療
低周波治療は患部の血行を促進して、筋肉に低周波の電気を流すことで回復を促します。
1日1~2回程度、1回に行う時間は10~15分程度が最適だそうです。また低周波治療は電気治療とも呼ばれています。
他にもお風呂につかる、使い捨てカイロで患部を温める、いわゆる温熱療法も有効だと言えます。
装具
腓骨神経が麻痺すると、足首と足の指は常に床の方を向いている状態になります。その為、転倒リスクが高い状態であると言えます。
装具を使うことで、垂れさがっている足を本来あるべき位置に保持することができます。
装具の場合は治療というよりも代償と考える方があっているかもしれません。
下垂足の場合は短下肢装具の1つであるオルトップというプラスチック製の装具を使います。
このオルトップは着脱が簡単で、この上から靴を履けるため外見で目立たないというメリットがあります。
また下垂足が軽度の場合は、足首のサポーターなども市販であるので、試してみるといいかもしれませんね。
また装具を着用することで、歩行訓練も下垂足を気にせずに行うことができます。転倒のリスクも減るので、安心して歩行訓練をすることができますね。
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