膝の裏が痒い5つの意外な原因【治療法から薬までしっかり確認しよう】
<監修医師 田中 恵文>
膝の裏が痒い時はどうしますか?痒いからひたすらかき続けるか薬を付けるかですが、原因は何でしょう。
夏になると余計に痒くなったり冬の方が痒かったり、また赤くなったりむけてしまったりといろいろな状態が考えられます。正直痒いからといって人前でボリボリかくわけにもいかずストレスがたまります。
夜中に眠っている間にかきむしって皮膚に傷ができたり皮むけがしたり、膝の裏が痒いというだけでは収まらなくなってしまいます。
膝の裏のかゆみの原因や痒くなる疾患やどんな治療法があるのか・膝の裏のかゆみに有効な薬について解説します。
膝の裏がかゆくなる原因
毎日入浴もしているし洗浄剤選びにもこだわっている、ボディローションも欠かしたことなんてない。それなのに一向にかゆみが治まらなかったらたまりません。
アトピー性皮膚炎
膝の裏が痒い原因として一番多いのはアトピー性皮膚炎で、子供にもよく見られる症状です。ハウスダストやダニ・ホコリ・花粉などが皮膚に付着すると、本来は無害なものでも身体にしてみると有害なものとして判断されることがあります。
アレルギー反応のことですが、これによって痒みが出ます。特に顔や首の周り・屈伸する関節の屈側に多く発生します。皮膚が乾燥しやすかったりアトピーの素因などの体質が影響しています。
アトピー性皮膚炎についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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接触性皮膚炎などの湿疹
皮膚に触れたものが原因となり、接触部位に湿疹ができます。下着などが接触して刺激となってかゆみが起きたり湿疹ができます。
かぶれと呼ばれるのも接触性皮膚炎で、ストッキングやズボンが影響して膝の裏にできることもあります。この場合は衣類をタイトなものからゆったりとしたものに変えるだけでも効果があります。
蕁麻疹
蕁麻疹は全身にできることもあります。突発的に強烈なかゆみが数時間から数日繰り返し起こります。皮膚が赤くなる紅斑と盛り上がる膨疹ができるのが特徴です。
蕁麻疹は発熱や薬の服用・食べ物など様々なものが原因で発生します。皮膚の柔らかいところにできる傾向があるので、膝の裏にも発生します。
あせも・汗荒れ
季節を問わずエアコンで温度調節されている室内ではあせもができやすい状態です。体温調節のために汗をかくので仕方ないのですが、そのために汗荒れをおこしてバリア機能が低下し、皮脂欠乏性皮膚炎ができることもあります。
あせもは汗腺が詰まって汗を排出しにくくなることでできますが、汗荒れは汗が蒸発するときに残留した塩分やアンモニア成分の刺激で炎症を起こすものです。
下肢静脈瘤
おもに膝の裏から下の脚にこぶ状のものやミミズ腫れのようなものが浮き出ている場合は下肢静脈瘤かもしれません。
特に女性に多くかゆみを伴うこともあります。下肢の静脈に血液がとどまり心臓に戻りづらくなる病気です。もしも膝の裏が痒くてミミズ腫れのような症状が見られたら医療機関を受診しましょう。
くわしい症状についてはこちらを参考にして下さい。
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膝の裏のかゆみの治療法
原因がもし下肢静脈瘤のような病気であったりアトピー性皮膚炎などであれば、医療機関での治療が最優先でしょう。しかし、それ以外の場合の膝の裏のかゆみ対策は自分でできるものもあります。
ステロイド入りのかゆみ止め
痒みの治療法として一番早いのはかゆみ止めの塗り薬でしょう。市販のかゆみ止めは手軽に手に入りますし、ドラッグストアなどで種類も豊富にそろっています。
まずは炎症によるかゆみを抑えて、かくことで起きる炎症の連鎖を断ち切りましょう。ステロイド入りの外用薬は効果が早く塗るだけですが、なんでもいいというわけではありません。ステロイドは作用と吸収率で段階的に分類されているお薬です。
そのため症状に合ったものを使わないとトラブルを起こすことがあるので、薬剤師に相談して購入した方が良いでしょう。もしも時間が許すのであれば皮膚科で薬を処方してもらうことが一番の改善の早道となります。
保湿ケア
保湿はアトピー性皮膚炎にもかかわりがある大切なケアです。肌のバリア機能が低下してくると膝の裏のかゆみだと思っていたらいつの間にか角質が厚くなって黒ずんできた、ということにもなりかねません。
肌トラブルにはまず洗浄して清潔にし、保湿ケアをすることが重要です。ただし、乾燥やかゆみがひどい場合にはお風呂で洗いすぎて皮脂を取りすぎると、さらに肌が乾燥し、かゆみを繰り返すという悪循環を招きます。
保湿を重視した特徴のあるボディソープなどもあるので、全身を洗浄するのには試してみると良いでしょう。
保湿ケアにはオイルも有効です。くわしくはこちらを参考にして下さい。
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スキンケア
膝の裏のかゆみは見えない場所なので「痒い」という以外には普段あまり気に留めない場所です。このため角質が厚くなることによる黒ずみや、普段からのお手入れ不足で汚れがたまっていることに気づいていないだけかもしれません。
保湿重視のボディソープで洗う他にもスキンケアが必要です。毎日のケアにプラスするならフルーツ酸の入った化粧水をコットンにつけてお風呂上りに拭き取ると、乾燥防止も兼ねられて一石二鳥です。
また炎症がなさそうな時には肌にやさしいピーリングジェルなどで入浴中にケアすることも効果的です。膝の裏のかゆみには、肌質の改善と刺激物質から細胞破壊を防御する肌バリアの強さを立て直すことで治療するということです。
また、膝の裏は血流が滞りやすい場所なので、歩くなどの軽い運動をして身体の冷えを防ぎ血行促進を図ることも大切です。ふくらはぎは第2の心臓と言われるほどで、歩くことで血液や老廃物を排出する習慣をつけましょう。
膝の裏のかゆみにおすすめの薬
膝の裏が痒い原因が何なのか、それが判明したら薬の選び方も変わってきます。
それほど強くない痒みの場合の保湿剤としてワセリンを利用します。薄めに塗れば刺激もなく優秀な保湿剤です。
傷になっておらず痒みだけという場合は抗ヒスタミン薬のかゆみ止め作用が効果的です。
ちょっと手ごわいかゆみにはステロイド軟膏を塗布すると速やかな効き目で効果的ですが、市販のものを購入する際には必ず薬剤師に症状を相談したうえで購入しましょう。
もしも膝の裏が痒い原因がアトピー性皮膚炎である場合は皮膚科でタクロリムス軟膏などを処方されるので、それをきちんと処方通りに塗布して治療しましょう。
また下肢静脈瘤は予防も肝心です。くわしくはこちらを参考にして下さい。
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