股関節が筋肉痛の5つの原因【この治し方で辛い痛みから解放!】
<監修柔道整復師 りんご>
「一駅歩こう!」というフレーズが定着していますが、歩いたばっかりに股関節が筋肉痛なんてことになっていませんか?
久しぶりにショッピングモールを歩き回ったり部屋の模様替えをしたりしたら、翌日「なんだか股関節あたりが痛いような」ということがありませんか?
テニスやサッカーをして痛いなら仕方がないのですが老化現象かはたまた病気か、なんて思ってしまう股関節の筋肉痛。
ふくらはぎや太ももが筋肉痛になることはよくありますが、股関節が痛いと「関節を傷めた?」「なにをした?」と心配になりますね。
今回は股関節の筋肉痛の原因や治し方について解説します。
股関節が筋肉痛になる原因
ふくらはぎや太ももなどが筋肉痛になるのは、運動によって傷ついた筋繊維を修復するために起こります。
おもに運動不足でいつも使わない筋肉を過度に使ったときに起こることが多いのです。
股関節の筋肉痛にはこの普段起こりやすい筋肉痛とは少し違った原因があります。
股関節以外の筋肉痛の治し方についてはこちらを参考にして下さい。
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走る・止まる・しゃがむ
ランニングやテニス・サッカーなどの運動が原因です。繰り返し足をけりだしばねのような動きをしたり急なダッシュやストップを繰り返すスポーツなどは腰まわりに負担が大きくかかります。
サッカーのように足でける動作が多いものも同様です。人体は骨盤が前に傾斜しやすい構造のため、股関節前側が傷むことが多いです。ひどくなると腸腰筋腱膜炎などを起こすことがあります。
老化
年齢を重ねると股関節やその他の関節が固くなりますね。筋肉も少しずつ衰えるので一つ一つの動作が小さくなってくる傾向にあります。
歩く時にも足を引き上げにくくなるので反対の軸足に必要以上の負荷がかかります。
ちょっとふらついたりつまずいたりすると転倒の危険が増えるのも老化です。
バランスを取ろうにも股関節が固く、股関節周りの筋肉痛が発生します。この場合は股関節付け根の鼠蹊部を傷めることが多いです。歩行困難に陥りやすいケースです。
股関節が固い状態についてはこちらも参考にして下さい。
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妊娠
運動ではない「妊娠」も股関節の筋肉痛の原因です。「妊娠して太った」という話はよくあることで、確かに体重の増加も股関節が筋肉痛になるに値する理由ではあります。
でも、体内ではそれ以上のメカニズムが働いています。出産に向け女性ホルモンが増加しますが、その中には骨盤の周辺筋肉を緩めてしまうものがあります。
骨盤を開くことで出産が準備が整うのです。
とは言え骨盤が緩むと筋肉も緩み、ゆがみによって左右非対称で筋肉のバランスが崩れて筋肉痛が生じます。妊婦さんが股関節の筋肉痛を多く訴えるのはこのような理由からなのです。
また、胎児が大きくなるとそれに応じるように股関節が圧迫されて痛みが出ることもあります。
水泳やバレエ
水泳でも特に平泳ぎは無理に股関節を動かします。普段の動作にはない動きですし、バレエの動作も同様に股関節をかなり酷使します。
足を開閉して水の抵抗に逆らいながらかくことで股関節への疲労が高まって股関節が筋肉痛になりるのです。遠泳などでは特に平泳ぎを使うことが多くなりますね。
このように、水泳やバレエなど、股関節に多くの負荷をかける時には特に股関節の筋肉痛に注意が必要です。
運動前後のケアをするかしないかでもこの筋肉痛には出方の差があります。
めまいや脳貧血で転倒しかけた
老若男女、スポーツの有無に問わずこれは誰にでも起こることです。
ふいに起こるめまいや炎天下での脳貧血、気をつけようにも方法がないという場合に起こる転倒が股関節の筋肉痛の意外な原因です。
しかも自分の体重が一気にあらぬ方向へかかるためかなりひどく股関節の筋肉を傷めています。
筋肉痛を治す方法
放っては置けない股関節の筋肉痛を治す方法を解説します。股関節に起こる筋肉痛は治りが悪く、また痛みも強いものです。
1日も早く痛みから解放される方法を実践しましょう。
温める
まずは傷めてしまった筋肉の血行促進をはかることです。ここでひとつだけ注意点があります。
それは「股関節に熱を持っている場合は温めてはいけない」ということです。
傷めてすぐは筋肉が炎症を起しているため熱を持った状態です。この場合にはまずアイシング(冷やす)ことが先決で、冷シップを貼ったり保冷剤をタオルでくるんで患部に当てます。
炎症が治まったころから加温を開始します。股関節周りの筋肉をほぐすためには浴槽のお湯につかってさするのが良いでしょう。
また、もっと簡単にできる方法は「貼るカイロ」を使用することです。
小さいサイズの貼るカイロをぺたりと衣服の上から貼っておくとじんわりあたたまって温熱治療器を使用したのと同じような効果が得られますよ。
その他のカイロの便利な使い方についてはこちらを参考にして下さい。
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ストレッチ
股関節は複雑な作りのため、どこかに負荷がかかるとその部分だけが筋肉痛になるというだけではなかなか済まないのが特徴です。
一つの筋肉が傷むとそこからバランスが崩れていき、だんだんと違和感が増していくのです。
このため、まんべんなくストレッチをして筋肉の偏りをなくしてくのが良いとされています。
ストレッチは最善の方法ですが、痛みがひどい時にはひどくなることも考えられるので避けましょう。
足を伸ばしてあおむけに寝て、膝の間に小さなクッションなどを挟んでそれを足全体の力で挟んだり緩めたりすると内転筋に効果があります。
足を伸ばした状態のうつぶせで足全体を天井に向かって少し上げ下げするだけでも大殿筋付近へのストレッチ効果があります。
ウォーキング
ウォーキングは全身運動でゆっくりと正しい姿勢で歩くことで全身の筋肉のバランスを整えます。
自重を負荷にして歩くことが最大の利点ですし、外を歩くことで様々な病気の症状やストレスを緩和する効果もあります。
全身のバランスを整える運動はウォーキングの他にもラジオ体操もあります。
一つ一つの動作に体のパーツを整える動きが組み込まれているため、股関節のバランスも整ってきます。
他にも自転車こぎで股関節周辺の筋肉を強化することでも筋肉痛を防ぐことができます。ただし、股関節の筋肉痛がひどかったり痛みがある時には避けるようにしましょう。
痛みがまだある場合には負荷の少ない水中でのウォーキングも有効です。
骨盤矯正や治療院
ふらついた体を支えることで股関節の筋肉痛を起こしたりしたとき、大きな力が急激に加わることで骨盤がゆがんだりすることがあります。
このことからも、骨盤や腰周辺の骨がずれたことにより股関節に過度な負担がかかっている場合があります。
このような時には骨盤矯正やカイロプラクティック・鍼灸院などを利用してみるのも良いでしょう。
力が加わって固まった股関節をほぐして血流を良くし、痛みも取れてバランスも改善します。関節症やその他の股関節に障害がある場合もこの方法が向いています。
股関節の筋肉痛を予防するには
股関節の筋肉痛を予防する方法は、痛みを改善する方法とも通じるものもあります。
そしてその方法を実践するにあたり一番大切なことは「バランスよく動く」ということです。
運動前後のストレッチ
運動前に筋肉をほぐすストレッチと、運動後のクールダウンや偏った動きにより凝り固まった筋肉をほぐすストレッチです。
運動前後にストレッチで股関節周りの筋肉をゆっくりとほぐすことで、運動後の股関節の筋肉痛を予防できます。
筋トレ
筋トレというと、ジムでのマシンを使ったトレーニングを想像しますね。
確かにマシントレーニングは筋肉を鍛えるためには有効ですが、時間がなかったりすると現実的ではありませんしそこまで鍛え上げなくても大丈夫です。
自分の体重を利用するだけのスクワットがいちばんの筋トレになるのです。これなら時間も費用も負担になりませんし、手っ取り早い股関節の筋肉痛予防法ですね。
ながら運動のように少しずつ何度もすることが効果的ですが、注意点もあります。
ふらついたりしないように平らな場所で行うことと、あまりにも左右どちらかに偏ったフォームにならないように注意します。
ウォーキング
解消法でもお伝えしましたが、ウォーキングも予防法としてお勧めできるものです。全身運動で血行も良くなり、かつ自重を移動させるという点が最大のポイントです。
あまり無理にならない時間と距離で、正しいフォームを意識しながら歩くことで股関節の筋肉痛を予防することができます。
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