舌を噛む癖は病気?原因を知って治療しましょう
<監修医師 まっちゃん>
思わず舌をガリッと噛んでしまうと飛び上る程の痛みがありますよね。
痛いし、血の味は広がるし、しかもそれが癖になっているんだけど、大丈夫かな。という気持ちになることはありませんか?
今回は舌を噛む癖の原因とそれに関連する病気などをご紹介します。
治す方法や対策方法についてもご紹介していますので、治療の参考にご覧下さい。
舌を噛む噛む原因
ストレスが溜まっている
口の中を噛むのはストレスが原因と言えます。舌や頬の肉を噛む癖がある時は、ストレスが溜まっている場合があります。
自分ではストレスの自覚が無かったりする場合、舌や頬の肉を頻繁に噛む時はストレスを溜めこんでいるサインです。
心理的な負担が無意識のうちにかかっている可能性があります。
また睡眠中に舌を噛む場合も同じくストレスが相当溜まっている可能性があります。
奥歯で舌を噛むのが無意識的に増えている人は要注意です。
噛む動きは脳に刺激を与え、ストレスを緩和する動作でもあります。
噛む事によって気持ちが元気になる「セロトニン」というホルモンが分泌されやすくなるからです。
舌やその他口の中を噛む事によってストレスを解消しようと体が頑張ってしまっている訳です。
その結果が舌を噛んだりする痛みを伴う動作に繋がってしまっているのです。
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疲労がたまっている・体調不良
上記のストレスとも密接に関わる原因です。元気で健康な時は、食事をする時も、話をするとき等でも舌を噛んだりする事は滅多に無い事です。
しかし、疲労が蓄積していたり、少し体調不良で無理をしがちな時はボーっとしてしまいがちです。
そんな時、思わず舌を噛んでしまったりなど思わぬアクシデントも起こりやすくなります。
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肥満
肥満で明らかに顔に脂肪がついてしまっている場合に起こりやすいケースです。
顔の脂肪は頬に付きやすいので、食事やその他喋っている時、何でもない場面でも頬や舌の肉を噛みやすくなってしまいます。
噛み合わせが悪くなっている
骨格の歪みで顎の噛み合わせが悪いと舌を噛みやすくなります。
また、日常的に柔らかい物を食べることによっても顎が細くなり、筋力の低下もあり舌を噛みやすくなってしまいます。
かみ合わせ以外にも、歯並びの問題もあります。
もしも食事中によく舌から出血するほど噛んでしまうのであれば、歯並びに原因があると考えられます。
食事中はゆっくりよく噛んで食べた方がいいでしょう。
赤ちゃんが舌を噛むのはなぜ?
赤ちゃんが舌から血を流していると、親としてはゾッとしてしまいますよね。
これはおっぱいを吸う際に誤って舌を派にぶつけてしまったのが原因と考えられます。
生後3~9ヶ月の間には乳歯が生えてきますので、母乳を飲む月齢の赤ちゃんの場合でも舌を噛んでしまうことがあります。
放置していても口の中の傷はすぐに治るので慌てなくても大丈夫です。
どうしても気になる場合は、清潔なガーゼで血を拭っておきましょう。
舌を噛む癖から考えられる病気
口内炎、舌炎
頻繁に舌やその周囲の粘膜を噛んで損傷を繰り返していると、傷口から細菌感染を起こしやすくなります。
痛みや炎症もあり腫れたりするので、食事や飲水が嫌になってしまう可能性もあります。
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脂質異常症
またの名を高脂血症ともいいます。最近は脂質異常症と言われるようになりました。
悪玉コレステロールが増える慢性成人病の一つです。
体重が増えた事によって、口内の脂肪が増え、舌を噛む事が増えたという場合には成人病の疑いも出てきます。
ただ、体重が増えた事だけが問題では無く、内臓等にも脂肪は蓄積されますし、血管にも脂肪が付着しやすくなります。
血液中に悪玉コレステロールなが増加すると、動脈硬化や高血圧などを引き起こす原因となります。
顎関節症
噛み合わせが悪い、歯並びに問題がある、硬い物より柔らかい物を食べることが多いなどで顎の筋力が弱い場合など顎関節症の恐れがあります。
正常な舌は閉じている時、上の顎の前歯の後ろに舌があります。
しかし顎関節症では舌の位置が下顎側にある場合が多く、舌を噛みやすい位置に舌がある場合があります。
口が開きにくかったり、口を開けるとこめかみ部分が痛む場合なども顎関節症を疑います。
舌を噛む以外にも、肩が凝ったり、寝る時に歯ぎしりをしていたりなど他の不快な症状も併発しやすくなります。
歯ぎしりを放置すると歯が削れてしまい、知覚過敏や虫歯なども誘発しやすくなります。
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舌癌
舌を噛む癖で舌を慢性的に傷つけていると、発症リスクが急増します。
舌や口腔内の炎症を長年治療せずに引き起こしているとこのような深刻な疾患に繋がるリスクがあります。
舌癌を起すと、舌の痛みが食べ物に当たった時などに走ったりします。初期には痛みの他、舌の違和感なども感じる事もあります。
早期発見が大事です。
チック
チックとは別名「トゥレット症候群」とも呼び、特定の身体部位が自分の意志に反して動いてしまう不随意運動を指します。
幼児期から青年期の子供に多く見られる症状で、運動チック障害と言語チック障害に分けられます。
「舌を噛む」クセのある幼児の多くがこの「音声チック」を伴う場合が多いです。
一時的なチック症状を示す場合のほとんどが、心理的な原因のせいで発症します。
子供の場合、小児科で相談を行い、症状が改善されない場合は神経系の病院を紹介してもらうことになります。
ただし心理的な原因を取り除くことが出来たら自然と症状も改善されますので、じっくりとお子さんと向き合い「いつか治る」とお子さんを信じてあげて下さい。
舌を噛む癖の治療法
ビタミンやミネラルを摂取
ストレスや疲労が蓄積している時はビタミンやミネラルが枯渇している状態とも言えます。
ストレスの理由がよく分からない場合は、とりあえず栄養分を意識的に摂取してみましょう。
舌やその他粘膜を強化するにはビタミンA、C、B2、B6などを摂取するといいでしょう。
またビタミンだけでなく、亜鉛などのミネラルを摂取しましょう。
亜鉛は味覚を正常に保つ働きがある他、免疫力や新陳代謝を向上させる作用があります。
亜鉛はビタミンCと一緒に摂ると吸収が良くなります。
サプリメントで手早く摂ったり、食事で摂取する方法など、場合によって対応するといいでしょう。
ストレスや疲労を回復させる事によって、舌を噛む癖を軽減させる事に繋がります。
ビタミンAの含有量の多い食品:にんじん、卵黄、レバーなど
ビタミンC含有量の多い食品:海藻類、赤ピーマン、レモン、イチゴなど
ビタミンB2含有量の多い食品:レバー、豚肉、納豆など
ビタミンB6含有量の多い食品:にんにく、まぐろ、鶏ひき肉など
亜鉛:牡蠣、煮干し、するめなど海鮮物
健康的な食事を心がける
上記でも肥満について書きましたが、過度なダイエットや食事制限よりも食事内容を変えるだけでも少しずつ効果が出てきます。
小麦製品を控え白米や玄米を主食にしたり、じゃがいもをサツマイモに変えてカロリーを抑えながら栄養を効率よく摂る方法に切り替えましょう。
また、洋食よりも日本人には和食が身体に合うようになっています。
洋食中心になりがちな人はお味噌汁やダシを使った料理などを取り入れると良いでしょう。
そうすれば、慢性的な疲労の回復も早くなり、免疫力のアップも出来るでしょう。
歯科・口腔外科へ診療を受ける
顎関節症の場合、自分で気づかない内に進行しているケースが多いでしょう。
気が付いた時には顎関節の歪みや違和感などが出て来たり、肩こりや頭痛など、
酷い場合には鬱に似た精神的な症状も見られる場合があります。
舌を噛むだけでなく、様々な慢性的な不快な症状が見られる場合、噛み合わせが悪くなっていたり、虫歯が原因の事もありますので、悩まずに歯科や口腔外科で診察を受けましょう。専門的な処置が受けられます。
顎関節症の治療では口のストレッチや、マウスピースを付けて歯の摩耗やくいしばりを避けたりなど、症状に応じた治療があります。
ストレスを解消する
健康的な生活を心がけるのはもちろんですが、精神的なストレスを解消する事も大事となります。
無意識に舌を噛む癖がある場合、舌を噛む事でストレスを解消しています。
噛む事で脳に快感を与えられるからですが、その代償に様々な舌の病気にかかりやすくもなってしまいます。
そのため、周囲の人に悩みや愚痴を聞いてもらったり、スポーツやその他趣味などを楽しむ事でストレスを解消してみましょう。
それでも舌を噛む癖が改善されない場合は一度診察を受けてみて下さい。
なお、「舌を噛むと死ぬ」という迷信があるようですが、舌を噛んだところで死に至るのはなかなかありません。
ただし舌を噛んでしまうと思いの外多くの血が出てしまい、窒息死しそうなほどの流血になるのは確かです。
舌を噛んで悪寒を感じるのは、この流血に身体が反応するからです。
できるだけ舌は噛まないようにしたいものですね。
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