舌の下に口内炎が出来た!原因には癌の可能性も。。
<監修医師 みのり>
口内炎は口の中のどこに出来ても痛くて辛いものですよね。
特に舌の場合は常に動かす部分である為、なかなか治りにくいのです。
舌の下に口内炎が出来る原因にもいくつかの原因がありますが、舌癌という怖い病気の可能性もあります。
口内炎の原因をいくつかお話させて頂くとともに、舌癌について、そして病院では何科を受診すべきなのかをお話させて頂きたいと思います。
舌の下に口内炎が出来る原因
まずは舌の下に口内炎が出来る原因についていくつかお話させて頂きます。
自分で生活習慣の見直し等で改善可能な原因から、病気の症状が原因のものまであります。
ただの口内炎だと放置せずにいつもの口内炎とは違うと感じたりした場合は必ず病院に行きましょう。
アフタ性口内炎
1番多い原因としてアフタ性口内炎があげられます。
アフタとは口腔粘膜に出来る数ミリから6ミリ以下の円形もしくは楕円形の境界がはっきりしている薄い潰瘍で、潰瘍面は白色また灰白色のものをいいます。
原因としては細菌による炎症、過労、ストレス、ビタミン等の栄養不足が主な原因で、口腔内の粘膜が弱っている場合や免疫力が低下している場合に多く発症します。
特にアフタ性口内炎の場合はストレスが大きく関係しています。
現代はストレス社会と言われる程、ストレスを抱えていらっしゃる方もとても多い事と思います。
しかし、ストレスは口内炎だけでなくほとんどの病気に悪影響を及ぼします。
したがって、自分なりのストレス解消法を見つけ、なるべく溜め込まないようにしましょう。
また疲れも溜めないように睡眠時間をしっかり取り、バランスのいい食生活を心掛けましょう。
熱いものを食べた時のやけどから、口内炎を引き起こすこともあります。
舌のやけどを治す方法はこちらの記事を参考にしてみて下さい。
【関連記事】
舌のやけどを治す方法!この3つで楽になる!
ニコチン性口内炎
ニコチン性口内炎は以下の3つの種類に分かれています。
① 円形、もしくは楕円形のもの
②シワのよったような形のもの
③口の中にある小唾液腺(しょうだえきせん)が炎症を起こし赤く腫れ、白い粘膜に赤い斑点が点在しているもの
ニコチン性口内炎の原因は何と言っても喫煙です。
タバコを吸う事により、口腔内が乾燥し、口内炎が出来やすい状態となります。
またこの状態が長期間続く事と、タバコの有害物質が口の中の粘膜に作用してニコチン性口内炎となります。
タバコも身体には決していいものではありませんので、禁煙される事をお勧めします。
どうしても吸わずにいられないという方はタバコを吸った後には必ずうがいをしてください。
タバコの有害物質を洗い流すとともに口腔内の乾燥を防ぐ事が出来ます。
ベーチェット病
難病であるベーチェット病の症状の1つに口内炎の症状があります。
アフタ性口内炎と同じく境界がはっきりしている痛みを伴う口内炎が出来る事はベーチェット病の主な初期症状としてあげられます。
なかなか見分けるのが難しいかもしれませんが、ベーチェット病の口内炎の場合は繰り返し起こる事が多いのが特徴です。
ベーチェット病には口内炎の他にも皮膚症状や眼症状、関節炎等がありますが、眼症状がある場合には失明をする事もあります。
発病年齢は若く、20~40歳代に多い病気です。
単なる口内炎ではなく、こうした病気の症状として口内炎が現れている可能性もありますので、少しでもおかしいなと感じたら病院に行きましょう。
要注意!舌癌の可能性も!
続いて舌癌についてお話させて頂きたいと思います。
舌癌の初期症状は口内炎と非常によく似ています。
ただの口内炎だと思い、そのまま放置される方が多く、進行してしまってから医師の診断を受ける事も少なくありません。
舌癌の症状
口腔癌の中で最も多いのが舌癌です。
目で見える場所ではありますが、初期症状は口内炎ととてもよく似ている為、口内炎だと思い、多くの人がそのまま放置してしまいがちです。
初期症状としては、口腔内の痛みや飲食の際にしみる等、口内炎とほとんど変わりませんが、
痛みとしては普通の口内炎よりは初期は軽い痛み、もしくは痛みを感じない事が多いです。
進行すると硬結を伴った潰瘍が大きくなり、強い痛みや出血、咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)、舌の動きが悪くなる等、機能障害が起きてきます。
舌が白く変色していたり、表面が硬い、しこりがあるような感じがしたら、それは単なる口内炎ではなく舌癌の可能性があります。
通常の口内炎はどれだけ長くても10日以内には治るはずです。
2週間以上経っても治らない口内炎の場合は舌癌の可能性がありますので、必ず病院に行きましょう。
舌癌の原因
舌癌の原因としてあげられているのは、
✓ 口腔内の不衛生、
✓ アルコールやたばこ ✓ 香辛料や酸性の強い刺激のある食べ物 ✓ 虫歯、合っていない入れ歯、歯並びが悪い歯が当たっている |
上記に挙げたような慢性的な刺激が原因だといわれています。
合っていない入れ歯や歯並びの悪い歯が常に舌と当たっている場合は入れ歯の作り直しや、歯科矯正等で治療をする必要があります。
舌や口腔内は粘膜で覆われてはいますが、決して強くはない部位ですので、刺激を受けやすく組織も壊れやすいのです。
アルコールやたばこを控える事、香辛料や酸性の強い刺激のある食べ物を控える事。
また塩分や熱い食べ物や熱い飲み物を控え、口腔内を清潔に保つ事にも注意しましょう。
日頃の生活習慣で見直せるものはきちんと見直していきましょう。
舌癌による転移
舌癌は放置してしまうが為に進行してしまうケースがとても多い為、他のあらゆる場所への転移も多いのがさらに怖いところです。
初診時には既に転移している場合が多いのです。
患部から近い頸部(けいぶ)リンパ節転移、顎下(がくか)リンパ節転移、内頸静脈(ないけいじょうみゃく)リンパ節転移、
舌リンパ節転移が多く、そこから他の臓器等にも転移していきます。
患部から少し遠いところでは肺転移と気管への転移が最も多いです。
この他にも胸膜、肝臓、骨、甲状腺、腎臓、副腎、心臓、血管への転移、また身体に多く存在する各リンパ節への転移がとても多いです。
転移をさせない為にも早期発見が1番大事ですので、なかなか治らない口内炎に気付いたらすぐに病院へ行きましょう。
病院は何科を受診すべき?
2週間以上も続いている口内炎やいつもとは違う口内炎だと思ったらすぐに病院に行きましょう。
では病院では何科を受診すべきなのか疑問を持たれる方も多いと思いますので、お話させて頂きたいと思います。
舌癌に関連する診療科としては歯科口腔外科・耳鼻咽喉科・頭頸部外科等があげられます。
舌癌の専門としては歯科口腔外科ですが、なかなか近くに歯科口腔外科がない病院もあると思います。
そのような場合はまずは耳鼻咽喉科を受診してください。耳鼻咽喉科では口腔内も診て頂けます。
ただ、診てもらっても不安が残ってしまったり、症状が持続するようであれば、口腔外科のある総合病院や大学病院を受診される事をお勧めします。
【関連記事】
舌のやけどを治す方法!この3つで楽になる!
単なる口内炎と思わずに必ず病院に行きましょう。
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。