舌に黒い点ができて痛い【病気の可能性あり】
<監修医師 若菜康弘>
鏡で口の中を見てみると、舌に黒い点があって驚いたことはないですか?
また、痛みを感じたりして不安になる方もいるかと思います。今回は、舌に黒い点が出来る病気や原因、何科にかかるべきかを見ていきましょう。
中には怖い病気も隠されている場合がありますので、早く見つけて治療に取り掛かりましょう!
舌にできる黒い斑点の原因
噛んでしまった
食事をしている時に、舌を噛んでしまうことってよくありますよね。そういう時に鏡で舌を確認すると、血豆が出来ています。
この血豆は、舌を噛んで傷をつけたり舌を歯で強く圧迫することで、毛細血管が破れてしまうために起こります。
舌の粘膜の深い場所に血豆が作られると、色が黒ずんで斑点のように見えることがあります。
小さい血豆は自分でもなかなか気が付きにくいものですが、こういう場合は症状も一時的で数日のうちに治ってしまうため、あまり気にする必要はありません。
黒い斑点が急に広がってきたり繰り返してできるようならば、血豆以外にも慢性の炎症だったり悪性の出来物である可能性がありますので、口腔外科を受診してください。
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口内炎
口内炎はビタミンの欠乏やストレス・疲れ、ウイルスや細菌によるもの、アレルギーなどが原因として挙げられます。
口内炎は表面が白い色や黄色い色に見えることが多いですが、黒い斑点に見えることもあります。口内炎が舌にできると、食べるたびに痛みが走り食事をとるのも不自由になりますよね。
口内炎は体の疲れやビタミン不足が原因でできる事が多いため、疲れたなと感じたら休息をしっかりとって、ビタミン群の多く含まれた緑黄色野菜や果物をたくさん食べるようにしましょう。
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やけど
熱いものに触れると皮膚がやけどをするのと同じで、舌の粘膜もやけどをすることがあります。
重症の場合は舌の表面が黒くなることもありますが、普段口に入れている食べ物の温度ほどなら重症になることはほとんどないでしょう。
やけどして弱った粘膜に感染が加わると炎症を起こすこともあるため、治りにくい場合には歯科を受診されることをおすすめします。
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メラニン沈着
舌に出来た口内炎や傷が繰り返し起こると、その部分にメラニン色素が沈着して黒く色がつくことがあります。
また年齢によってもメラニン色素が沈着しやすくなり、若い時より皮膚や粘膜の色が黒ずんでしまうことも考えられます。
色の濃い飲み物やタバコ
タバコのタールやコーヒー、ワインなどの色の濃い飲み物の色素が沈着し、舌が黒くなることがあります。その為、タバコや色の濃い飲み物の摂り過ぎには気をつけましょう。
唾液の分泌不足
唾液は口の中をきれいに保ち、舌などの粘膜を保護する役目があります。
体の不調や加齢などにより唾液の分泌が減ってしまうと、口の中の細菌のバランスが崩れて舌の着色が増えることとなります。
舌にできる黒い斑点は病気の可能性もあります
副腎癌
副腎癌では脳下垂体から分泌されるホルモンのバランスが乱れて、メラニンの産生が増えることが知られています。
このメラニンはシミを作り出すものとして知られており、様々な場所に黒い斑点のような色素沈着を引き起こしてしまうのです。
必ずしも舌にできるとは限らないので注意が必要です。
黒毛舌
舌の粘膜が黒く着色した状態を黒毛舌といいます。
その原因として、抗生物質やステロイド、抗がん剤を長期にわたって服用することにより口の中の細菌のバランスが崩れるためと考えられています。
薬を変更したり投薬を一時中断することで治るといわれていますが、もしこういった症状が現れたら、かかりつけの医師にご相談してください。
悪性黒色腫(メラノーマ)
全身の皮膚や粘膜に起こる悪性度の高い病気です。
黒い斑点として見られますが、舌の粘膜にもできることがあり注意が必要です。
50歳以降に発症することが多いといわれています。
黒いほくろのような形からイボのようなものまで、さまざまな形に現れることが多いので、異常を感じたら早めに口腔外科を受診してください。
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新生児(乳児)の舌に黒い点がある原因
乳児期にはさまざまな変化や特徴が体に現れます。
歯が生える時期になると粘膜が白くふくらんできたり、乳幼児期にかかる感染症や発熱により口の中の粘膜にボツボツができたり、そのほとんどは異常なものではないことがほとんどです。
肝心なのは、お母さんが赤ちゃんのそうした日々の変化を見逃さないことです。
もし赤ちゃんの口の中に黒い点を見つけたときは、母乳に含まれる成分の沈着が原因だったり、頻度は少ないですがお母さんが長期に服用している抗生物質の影響だったりすることがいわれています。
心配な場合は、産科の医師や歯科を受診していただき、アドバイスを受けてください。
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