顎関節症の簡単な治し方!えっ自宅で治せるの?
<監修医師 みのり>
「あごが痛い」「口が開かない」「カクカク音がする」、こんな症状はありませんか?
顎の開け閉めの際に音が鳴るまたは痛みがある場合は顎関節症かもしれません。
初期症状であれば、高い治療費を払わずとも治せる可能性があります。
今回は、顎関節症の症状と、自宅での治療方法をご紹介していきますので参考にしてみて下さい。
顎関節症の症状
さて、顎関節症になるとどんな症状が現れるのでしょうか。まずは、チェックしてみましょう!
顎関節の音がなる
さて、顎関節症の方がもっとも最初に感じる症状は、顎を開け閉めすると音が聞こえる、というものかもしれません。
顎関節は、耳の穴の前方にあり、頭の骨と下顎の骨とで出来た関節です。ここに、軟骨や「関節円板」と呼ばれるクッションの役割をする軟らかい組織があります。。
何らかの理由でこの関節円板がずれると、顎がうまく開け閉めできなくなります。
顎関節からなる音には2種類あります。
1つ目はクリック音と呼ばれ、「カクッ」「ガクッ」という音です。
これは、口を開け閉めするときに、顎の骨がずれてしまった関節円板に引っかかって、さらに乗り越えるため聞こえる音です。
もう一つは、クレピタス音と呼ばれます。
「ザラッ」「ミシッ」という音で、顎関節のデコボコした部分が擦れることで起こる音です。
顎の筋肉の痛み、顎関節の痛み
顎の筋肉や顎関節自体に痛みがあることがあります。顎関節症の方は、顎の筋肉が凝っている方が多いそうです。
また、関節がずれてしまうことで痛みを生じます。
特徴は、顎を動かしたときや物を噛んだときに起こりやすいということです。
もし、普段から痛みを感じる場合は、顎関節症ではなく他の病気かもしれませんので、他の可能性も含めて判断してください!
顎関節の動きの異常
左右どちらかの顎が先に開いたり閉じたりすることはありませんか?顎がスムーズに開かないことは?
通常、左右にある顎関節は、左右連動して動きます。
どちらも同じように開き、同じように閉まるべきなのですが、例えば左がいつも先に動く、という時は顎関節症の可能性が高いです。
噛み合わせがずれている
噛み合わせがずれていることが100%顎関節症というわけではありませんが、この2つは非常に関連性が高いと考えられています。
顎関節症のせいで噛み合わせがずれることもありますし、噛み合わせがずれているため結果的に顎関節症になることもあります。
噛み合わせがずれていて、片方の歯で噛む癖のある方は、顎関節症になりやすいので要注意です。
顎や顔のゆがみ
実は、顎関節症が長引くと顎や顔がゆがんできていしまいます。鏡を見て、口元が歪んでいたり、目や耳の高さが左右で異なっていたりしませんか?
顎の骨自体がゆがんでいる場合と、顎の関節部分が変形してゆがみを引き起こしている場合があります。
どちらにしても、ゆがんだ状態を長く続けていると治療も難しくなってきますので早めの治療を心がけてください。
その他の体の症状
実は、顎関節症になると、体の他の部分にも負担がかかってきます。
例えば、肩こり、頭痛、めまいや耳鳴りなど頭を支えている部分や、顎の関節の近くに影響が出ます。
また、物が飲み込む、喋るといった、口を動かす行動が難しくなります。さらにひどい場合では、不眠症や睡眠障害、うつ病などの重い症状が出る方もいます。
他にも、神経に影響が出てしびれや自律神経失調症を患う方もいます。
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顎の症状と合わせて体にも症状が出る場合は、総合的な治療が必要になることもあります。
できることなら、そこまでひどくなる前に治してしまいたいですね。
顎関節症の自宅での簡単な治し方
では、顎関節症はどうやって治療するのでしょう?色々と治療方法はありますが、初期段階なら自宅でも簡単に治せます。
しかし、一つだけ注意をしておきたいのは、自分で治療して痛みがひどくなる場合は無理をせず、専門の方に見てもらうようにしてください。
無理をすると悪化させてしまいます。それでは、自宅でできる治療法を早速みていきましょう。
冷やす・温める
もし、今までに痛みがなかったのに急激に痛みが激しくなった方は、炎症を抑えるために冷やすようにしてください。
顎を動かすと痛みがあるという方は、耳の前の顎関節からその下の筋肉の部分を温めるようにしましょう。
血行を良くして、筋肉をほぐすことで症状の改善につながります。
マッサージをする
マッサージも血行を良くするのに非常に効果的な方法です。先ほどと同じように、耳の前の顎関節周辺を中心に、優しく押しながらマッサージしましょう。
くるくると円を描くようにするのもいいですね。くれぐれもグイグイと押すのは避けてください。
顎をゆっくり動かす
顎関節症の場合、顎が動かしにくくなっているところに、急に口を開けたりするので音が鳴ったり痛みが発生したりします。
そこで、顎をゆっくりと動かして、動きに慣れさせることが大事になります。
言ってみれば、顎の体操のようなものです。ここで、2つほど顎の体操をご紹介します。
顎を前後左右に動かす
まず、口をゆっくり大きく開けてください。
そのあと下顎を前に突き出すようにします。 その次に、下顎をできるだけ手前に引いてください。 さらに下顎を左、右とゆっくり動かします。 これを繰り返してください。 顎をできるだけ大きくゆっくり動かし、15秒ずつ動きを止めるのがポイントです。 |
顎を斜めに動かす
顎を右に寄せた状態のまま、口をできるだけ大きく開けます。
5秒ほど開けたあと、顎を右に寄せたまま閉じます。 これを左でも繰り返します。 |
顎に負担をかけないようにする
顎に負担をかけるのは顎関節症にとって良くありません。
自宅でできることは、
✅うつ伏せで寝ないようにする
✅頬杖をつかないようにする
✅フルートやバイオリンなど、顎引いて演奏する楽器の演奏は避ける
✅上下の歯をくっつけないように意識する
などです。
普段から、できるだけ顎に優しい生活を心がけてみてください。
顎関節症の治療法!何科を受診すれば良いのか
顎関節症になってしまったら、どの診療科を受診したらいいのでしょうか?
まずは歯科医院
意外かもしれませんが、顎関節症は歯科または口腔外科が専門です。
ただし、歯科の先生の場合、詳しい方とそうでない方がいますので、事前に問い合わせるといいでしょう。
歯科または口腔外科に行くと、一般的にはスプリントと呼ばれるマウスピースによる治療を行います。
これは、夜寝ている間にマウスピースを使うことで、無意識に食いしばっていたり歯ぎしりをしたりしていても、マウスピースをクッションにすることで顎にかかる負担を軽くする方法です。。
他には、赤外線レーザーや電気刺激を使用して血行を良くする治療法が取られることがあります。
大学や総合病院の歯科口腔外科
もし、あまりにも症状がひどい場合や、近くの歯科などで治療を行っていない場合、
または治療をしたけれど改善しない場合は、大きな病院の歯科口腔外科を受診することをお勧めします。
顎関節の専門外来があるところのほうが、治療の専門家に診てもらうことができ、より直接的な治療を行ってもらうことが可能だからです。
整体やカイロプラクティック
整体やカイロプラクティックの治療院にも、顎関節症に詳しい方がいます。体の歪みを直したり、血行を良くすることは顎関節症の治療にもプラスになります。
訪れる前に、一度問い合わせをして、治療に対応してもらえるかどうか聞いてみてくださいね。
顎関節症の治療費について
顎関節症は、残念ながら一朝一夕では完治しません。そうなると気になるのは治療費ですよね。
顎関節症の治療はどのくらいかかるのか見てみましょう。
<一般的な治療費>
歯科などで作成してもらえるマウスピースは、だいたい5,000円から10,000円程度で作ることができます。
病院で痛み止めを処方してもらうのなら、1,000円前後でしょう。
マニピュレーション法と言う、関節を動かすようにする治療は、約3,000円から4,000円程度ですが、
外科的手術を行う場合は、14,000円から80,000円ほどします。
もし、歯の噛み合わせを治療する目的で矯正を行う場合は、70万から150万円程度と考えてください。
治療の組み合わせによってはさらに出費が必要になるかもしれませんが、
歯列矯正は身体の歪みなど、色々な問題が解決できる可能性がありますので、人によってはメリットが大きいと言えます。
整体などのマッサージは4,000円から8,000円で受けることができますが、何度も通う必要があります。
<健康保険対象の治療と自由治療>
次のような治療は、健康保険の対象となります。
✅スプリント(マウスピース)療法 (ただし何個もマウスピースを作るのは対象外です。)
✅マニピュレーション法
✅薬剤処方
✅顎関節形成術や顎関節鏡下円盤整位術などの外科的手術
逆に、歯列矯正などは、健康保険の対象外となります。
ただし、健康保険の対象だからと言って安いという意味ではありませんので注意してください。
自分が受ける治療が健康保険対象かどうか、治療を受けてしまってからでは取り返せませんので、担当の先生によく確認するようにしてください。
まとめ
今回は顎関節症の症状と治療方法についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
症状がごく初期であれば、顎の体操をしたり、顎の負担を軽くすることで症状を軽減することができます。
少し顎が動きづらいかな?と思ったら普段の生活を見直してみましょう!
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