間宮アロエ軟膏の効果・副作用まとめ【痔やアトピーにも効くの?】
<監修薬剤師 BlueP>
皆さん、アロエの効果ってご存知ですか?おばあちゃんが切り傷や火傷にアロエを塗ったり貼ったりしているイメージがありますが、軟膏としても売られており、実際に家に置いてある人もいるのではないでしょうか?
今回は、その間宮アロエ軟膏について解説していきたいと思います。ちなみに日本で唯一、アロエ成分が配合している塗り薬として認められている軟膏です。
その効果はたくさんあり、痔やアトピーなんかにも効くというので驚きです。では、間宮アロエ軟膏の効果や副作用などをまとめていきます。どんな症状に効くのでしょうか?
気になる所から確認してみよう
古代エジプトでも愛用されていた?!アロエの歴史
なんと3500年前から薬として認められていた?!
アロエを薬として使用するようになった時代は、なんと紀元前1500年頃。今からだいたい3500年前というから驚きです。
古代エジプトのミイラと一緒に発見されたパピルスに、アロエを眼病やミイラをつくるときの防腐剤として使用していた記述があり、おそらくそれが最古の歴史といわれています。
マケドニア帝国を築いたアレキサンダー大王もアロエを愛用していたそうです。なんでも、遠征時には兵士の病気や怪我の治療薬としてアロエを必ず持参し、自らアロエ栽培までしていたほどお気に入りだったそうです。
絶世の美女で知られているあのクレオパトラも、美容のためにアロエを化粧水に入れて使用していたのは有名な話です。
アロエの効能をさらに詳しく記述したのは、紀元1年にローマ皇帝ネロの侍医であったディオスコリデスのギリシャ本草でした。ちなみにこのときのアロエの効能は、便秘改善、胃をきれいにする、肌を引き締める、皮膚病を治すなどの他、さらに細かな作用なども記されています。
アロエの原産地はアフリカ及び地中海沿岸
アロエはユリ科の多肉多年生植物で、暖地を好みます。寒さに弱いこの植物は、原産地のアフリカ及び地中海沿岸から世界各地に広がっていったとされています。
日本には、鎌倉時代に中国から伝来しました。アロエの種類は300〜500種あり、この時代のアロエは、現代の一般的なアロエの種類とは別でした。
当時の呼び名は「ロカイ」で「黒い塊」という意味でしたが、最近では英語の「アロエ」が浸透していますね。ちなみに「アロエ」はアラビア語で「苦い」という意味です。
アロエが食品や化粧品、軟膏として幅広く使われるようになったのは第二次世界大戦の頃。この時代からアロエの効能が科学的に解明されてきたのです。
間宮アロエ軟膏の成分
アロエ末とアロエ葉末を配合
アロエの代表的な薬効成分のほとんどは緑色の葉の部分に含まれていますが、内側の半透明の部分にも抗炎症作用や保湿作用をもつ成分が含まれています。
この半透明の部分は、傷を治してくれる作用をもつアロインという成分を多く含んでいます。
アロエ軟膏は、アロインを豊富に含んだアロエ末(アロエラテックスと呼びます)と、ケープアロエという品種の葉を乾燥・粉砕したアロエ葉末を配合してつくられています。
間宮アロエ軟膏はケープアロエを日本で使用できる皮膚薬として唯一認められているものです。
間宮アロエ軟膏は自然由来の生薬です
アロエ軟膏は、違和感を感じるくらいにべたつき感が強いのが特徴です。これは、オリーブオイル、ワセリン、ラノリンという油性の添加物が含まれているからです。
具体的な役割としては、オリーブオイルが肌に潤いを与え、ラノリンが水分の蒸発を防ぎ、さらにワセリンが表面をコーティングして外部刺激から守ります。
ラノリンは羊の毛に付着している分泌脂質から精製したもので、人の表皮脂質に似た成分を多く含んでいます。また、オリーブオイルはオリーブの実の脂肪油であり、どちらも天然成分で肌を安全に保護してくれます。
間宮アロエ軟膏は、自身も含有成分も自然由来なので、肌の弱い子どもや高齢者にも優しい生薬といえるでしょう。
似たような効能を持つお薬で生薬由来のものはこちらを参考にして下さい。
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間宮アロエ軟膏の8つの効能
保湿作用
肌荒れを防ぎ、しっとりした肌を保ってくれます。水仕事の多い人でハンドクリームではなかなか治らない乾燥によるひび、あかぎれなどの手荒れを改善・予防してくれます。
創傷治癒促進作用
細胞を増やして活性化し、痛んだ肌や切り傷、火傷にって破壊された組織の再生を促進してくれます。そのため、傷が早く治ります。
紫外線防御作用
コーティングによって外部刺激から肌を守ってくれるので、紫外線による肌のダメージを軽減してくれます。
抗菌作用
肌を細菌や細菌の作り出す毒素から守ってくれます。殺菌・抗菌作用によって、切り傷や火傷の部位の二次感染を防いだり、水虫、虫さされ、湿疹などに対して殺菌や毒素中和効果もあります。
収れん作用
肌や毛穴を引き締める収れん作用があるため、毛穴の黒ずみを防ぎきめ細かな肌にしてくれたり、傷口を早くふさいで痛みを軽減してくれます。
消炎作用
炎症を抑え、日焼けなどのひりひり痛みも軽減してくれます。赤く熱を持った痛みや痒みを軽減してくれるので、しもやけや痔、打ち身、蕁麻疹などにも効果があります。
血行促進作用
肌の血行を良くして、健康的な肌を維持してくれます。あざも治りやすくなりますし、肩こりも改善されます。
発毛促進作用
キューティクルをコーティングし、毛髪の再生を助けてくれる作用があります。また、頭皮に塗ると血行促進や抗菌作用により頭皮の活性化と清潔保持ができます。そのため、発毛促進や抜け毛予防に効果的です。
アトピー性皮膚炎にも補助的に有効!
アロエ軟膏の8つの効能は、アトピー性皮膚炎の肌にも効果が期待できるようです。アトピーで辛い症状として、あの堪え難い痒さがありますよね。アロエ軟膏の消炎作用によって痒みを抑えてくれたり、傷ついた患部を殺菌、保湿しながら治してくれます。
ただ、アトピーの根治としての治療薬ではありませんので、ステロイドや食事療法などと併用して、補助的に使うには有効だと思います。
アトピーの人の肌は非常にデリケートなので、アロエ軟膏が合わない場合もありますので事前にパッチテストで肌に合うか確かめてからの使用をおすすめします。
ステロイドは使用期間が長期に渡ったり多用するケースでは、ホルモンバランスの乱れや免疫低下による肌トラブルを招いたりと、使用に慎重になるお薬です。アロエ軟膏が肌に合えば、ステロイドの量を大幅に減らせますし、何より自然由来のものなので安心ですよね。
アトピー性皮膚炎に関してはこちらを見て参考にして下さい。
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子どもの痔にも使える
間宮アロエ軟膏は、創傷治癒作用や消炎作用、血行促進作用などの面で痔に効果的とされています。大半の痔の市販薬は大人向けのもので子どもには使用できませんが、アロエ軟膏は天然由来の薬ですので安全です。
痔による炎症や痛みは一週間くらいで軽減してきますので、それまで痛み止めのロキソニンを内服しアロエ軟膏で様子をみる人もいるようです。
痔は血行促進と清潔保持が大切なので、その点に留意しながら患部にはアロエ軟膏を塗布しガーゼを当てておきましょう。
間宮アロエ軟膏の副作用は3つ
間宮アロエ軟膏の3つの副作用
使用後に、発疹・発赤・かゆみの症状がみられた場合は副作用の可能性がありますので注意が必要です。
アロエ自体がアレルゲンになる可能性は低いようですが、今までに薬や化粧品でアレルギーを起こしたことのある人は副作用がでることがあります。
痔の治療を期待するのであれば、他にこのような対処方法もあります。
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使用に注意する人はこんな人
医師の治療を受けている人や、患部の湿潤・ただれがひどい人は、使用する前に必ず医師、薬剤師に相談した方が良いでしょう。
アロエ軟膏によって改善が期待できる肌というのは、乾燥し熱をもった切り傷などです。じゅくじゅくした部分や黒ずんで熱く感じない部分は、湿気に対する弱さや血流不足が原因のため、保湿・冷却作用のあるアロエ軟膏は逆効果になってしまいます。
肌に優しい軟膏ですが、使用上の注意点を守って効果的に用いましょう。
今回は、間宮アロエ軟膏の効果と副作用についてまとめましたが、こうして見ると様々な肌トラブルに対応できるアロエ軟膏は本当に万能ですね。
何より天然成分ですから、副作用も極めて少ないことがありがたい!アロエは外用薬としてだけではなく、食べても体に良いことも言われており、本当に素晴らしいですね。
日用品として購入できますので、これを機に常備しておくのはどうでしょうか?
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