頬の赤みの8つの原因や病気【治し方も徹底解説します】
<監修医師 春田 萌>
皆さんは頬の赤みに悩んではいませんか?
人によっては「赤いほっぺたは可愛い」「チークを使う必要がなくて便利」という方もいるかもしれません。
ですが、もしその頬の赤みが病気によるものかもしれないと言ったら皆さんはどうしますか?
ここでは頬の赤みの原因と治し方について徹底解説していきます。
気になる所から確認してみよう
頬が赤くなる原因
肌の薄さ
頬の赤みの原因として第一に挙げられるのが肌の薄さです。
人によっては生まれつき肌が薄い場合もありますが、加齢や女性ホルモンの減少により肌の菲薄化が起こりやすくなることも知られています。またピーリングやマッサージ、洗顔のしすぎやゴシゴシ洗いも肌(角質層)の菲薄化の原因となり「ビニール肌」と呼ばれるキメのない肌になってしまいます。
肌が薄くなると気温や湿度、乾燥などが強い刺激となり、毛細血管に血液を流して体温を上げようとする働きが強くなるため、肌に赤みが出やすくなります。
炎症
肌が薄くなることによって肌のバリア機能が低下し、ニキビや肌荒れなどの炎症が起こって肌が赤くなってしまいます。
またバリア機能が低下して紫外線や乾燥などの刺激を受けやすくなった肌では「炎症増悪たんぱく質」という物質が多く作られるようになり、これを「サイトカイン」という免疫や炎症に関係する物質が敵とみなして増殖することにより炎症が起こります。
肝機能の低下
肝硬変や慢性肝炎などにより肝機能が著しく低下すると毛細血管の拡張により糸屑のような斑点(クモ状血管腫)が現れることがあります。
ただ、デコルテのあたり(鎖骨下と胸の間)やおへその周りを中心にして現れることが多いので、顔に出るのは稀です。
それ以外にも肝臓が悪い場合には、手のひらの痒みや赤み、全身倦怠感などの症状が一緒に出てきます。
このような症状が出た場合にはいち早く専門医の診断を受けることが第一です。
肝機能の低下によって引き起こされる症状についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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頬が赤くなる病気
脂漏性皮膚炎
顔や頭皮などにかゆみを伴うニキビのような赤いブツブツができる病気で、特に頬や額、鼻周りなど皮脂の分泌量が多い場所に起こりやすいことが知られています。
脂漏性皮膚炎の原因は「マラセチア真菌」と呼ばれるカビの一種で、これが皮脂の過剰分泌により異常増殖することで炎症を引き起こすと考えられています。
アトピー性皮膚炎
肌のバリア機能の低下とアレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)が原因となって、かゆみのある湿疹が全身に現れる病気です。
乾燥やかゆみにより皮膚を掻くことで皮膚が剥がれてしまい、さらに肌のバリア機能が低下するこという悪循環が起こることが多く、症状が悪化・長期化しやすいと言われています。
くわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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伝染性紅斑(りんご病)
「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスによって起こるウイルス感染症で、主な症状として頬がりんごのように赤く腫れることから「りんご病」の通称で知られています。
一般的には5~9歳までの子どもに多く見られる病気として知られていますが、大人にも感染します。基本的に重症となるような病気ではありませんが、妊婦が感染すると胎児の命に関わってくる危険性があるので注意が必要です。
くわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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自己免疫疾患(SLE)
全身性エリテマトーデス(SLE)と呼ばれる病気で、全身に症状が出ます。
皮膚に湿疹が出来る様子がまるで狼の噛みあとのように見えることから「lupus erythematosus」
と名付けられました。
原因は未だ不明ですが、何らかの異常により免疫系統が本来守るべき身体を攻撃してしまったために症状がでると考えられています。
あらゆる年代で発症するとみられていますが、特に20~40代の女性に発症が多く見られます。
主な症状としては頬に出来る蝶のような斑点ですが、その他にも口内炎・脱毛・関節炎・臓器障害など様々な身体異常が発現します。
酒さ(しゅさ)
主に中年以降に現れる、原因不明の慢性炎症性疾患です。
症状としては鼻を中心に頬や額の毛細血管が拡張したり小さな吹き出物が現れ、度合いによって「紅斑性酒さ(第Ⅰ度:ほてり感のある紅潮や毛細血管の拡張)」「酒さ性ざ瘡(第Ⅱ度:赤い丘疹や膿疱)」「鼻瘤(第Ⅲ度:腫瘤)」に分類されます。
症状がアトピー性皮膚炎やニキビと似ているため判断がつきにくく病院でも正しく診断されない場合があるので注意が必要です。
更年期障害
更年期障害の症状の1つとして「ほてり(ホットフラッシュ症状)」と呼ばれる顔の紅潮やのぼせ、異常な発汗などがあります。
ほてりの原因としてはエストロゲンの減少や卵胞刺激ホルモンの増加などが挙げられていますが、詳しくはよく分かっていません。
ほてりの予防・改善方法としては涼しい場所に移動したり、薄着にしたりして身体を冷やすことが有効です。
頬の赤みの治し方
あまり触らない
薄くなった皮膚には刺激を与えないことが一番の対策法です。気になるからといってつついたり掻いたりするのは肌に刺激を与え、症状の改善を遅らせるので止めましょう。
低刺激のスキンケア製品を使う
炎症が続く場合、今使っている石鹸や化粧品などが肌に合わないことが考えられるので、見直してみるのもありかもしれません。
敏感肌用の化粧品でも肌に合わない成分が入っている場合があるので、使用する前には必ずパッチテストを行うようにしましょう。
洗顔のやり方を見直す
洗顔をする時はぬるめのお湯で汚れを落としてから洗顔ネットなどできめ細かい泡を作って、触れるか触れないかの力加減で汚れを落とすようにしましょう。力を入れてゴシゴシ洗うのは肌を菲薄化を招くので厳禁です。
すすぎは洗顔料が残らないよう、しっかりとぬるめのお湯で洗い流すことが大事です。
洗顔後は化粧水で保水した後、クリームなどでしっかり保湿するようにしましょう。
紫外線対策をする
日焼けによる赤みを抑えるのはもちろんのこと、肌に刺激を与えないという観点からも紫外線対策は重要です。
ムラにならないように少量を重ね塗りし、3時間前後を目安に定期的に塗り直すと効果的と言われています。日焼け止めはUVカット効果の強いものをベタベタ使うよりも、弱いものを何度も塗るほうが肌への負担が少なくおすすめです。
たんぱく質やビタミンCを多く摂る
お肌の生成にはたんぱく質が必要不可欠なので、良質なたんぱく質を多く含む鳥胸肉や豚・牛のモモ肉、マグロの赤身などをしっかり食べるようにしましょう。
またビタミンCには肌のターンオーバーを促したり血管を保護する作用があるため、炎症があるときにおすすめです。メラニンの生成を抑える働きもあるので色素沈着の改善にも効果と言われています。ビタミンCを多く含む食材としてはレモン、ブロッコリー、イチゴなどが挙げられます。
気軽にビタミンCを摂取する方法についてはこちらを見て参考にして下さい。
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生活習慣を見直す
タバコやアルコールなどの嗜好品は刺激が強く、肌荒れを悪化させる危険性があります。
また睡眠不足やストレスも身体に負担がかかるため、患部の治りを悪くする原因となります。
その他にも長時間のお風呂は肌に必要な油分や水分も流れ出てしまい乾燥の原因となるので長風呂は週2~3回に留めるか、入浴後の保湿ケアをしっかりと行ってください。
保湿用の入浴剤を使うなど、肌の保湿をしながらお風呂を楽しむ工夫も大事です。
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