風邪ならチョコレートを食べた方が良い4つの理由と効能!
<監修医師 春田 萌>
風邪の症状にチョコレートが効果的だと知っていましたか?あの甘くて美味しいお菓子が風邪に効くなんて信じられない、という人も多いのではないでしょうか。
しかし、ヨーロッパの方では、チョコレートは薬としての認識があり、その効果は信頼されているんです。
そんなチョコレートの効能について、今回はまとめていきたいと思います。「どうして風邪のときにチョコレートを食べた方が良いのか」、「風邪のときにチョコレートを食べるときの注意点」等、詳しく解説します。
風邪ならチョコレートを食べた方が良い理由と効能
チョコレートの原料はカカオマス!
チョコレートは、ココアと同様にカカオの種子を発酵・焙煎したカカオマスを原料にして、砂糖やココアバターなどを加えて練り固めたものです。カカオマスの含有量によって、ビター、スイート、ミルク、ホワイトと呼び名があります。
古代メキシコ時代からチョコレートの原料となるカカオマスは神の食べ物と呼ばれ、カカオ豆をすり潰して飲まれていました。
その後、スペインからヨーロッパ全土に疲労回復や不老長寿に効く医薬品として広まっていきました。現在のようにチョコレートがお菓子として認識されるようになるのはずっと先のことなんです。
身体を温める
チョコレートに含まれるカカオマスには、身体を温める効果があります。風邪のときは体温を上げようと強い悪寒が生じますよね。
そのとき普通にチョコレートを食べるだけでも良いのですが、ホットチョコレートにして飲むと一層身体が温まります。
体温が1度下がると免疫力は30%低くなると言われていますので、普段から体温を上げて免疫力をアップさせることで風邪予防に繋がります。身体を温めたいときはチョコレートを食べてみてはいかがでしょうか。
咳止め
チョコレートには、咳止めの効果もあります。風邪の辛い症状の一つとして咳がありますよね。ときには止まらない咳で筋肉痛になることもあります。
咳や痰はウイルスや細菌を外に出そうとする防御反応の一つですので、引き始めから終わりに掛けてずっと続く人もいるでしょう。
中には、風邪が回復した後も、喉を痛めて粘膜が敏感になり咳が一向に治まらないという場合もあります。そのような咳にチョコレートは効果を発揮します。
抗炎症
カカオマスに含まれるプロシアニジンという成分は抗炎症作用があるとされています。風邪は、細菌やウイルスに感染し身体でさまざまな炎症反応が起こる病気です。
例えば、頭痛、発熱、関節痛、口内炎などがありますが、これらの炎症にチョコレートは効果的です。また、この成分には痛みを和らげる効果も含まれているので頼りになりますね。
風邪による頭痛の対処方法についてはこちらも参考にして下さい。
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栄養補給
風邪に食欲不振は付きものですね。発熱で身体がどっと疲れていたり味覚が変になっていて食べたくない、という人も多いでしょう。
けれども、風邪の回復にはきちんと栄養を摂ることが重要ですので、何とか栄養を摂りたいものです。
そんなとき、チョコレートはおすすめです。チョコレートは、登山や遠足の必需品とも言われるくらいカロリーが高いので、一粒口にするだけでも効果大ですよ。
風邪に有効なチョコレートの栄養素
ポリフェノール
カカオには赤ワインよりも多くのポリフェノールが含まれています。ポリフェノールには抗酸化作用があります。これは細胞の老化の原因となる活性酸素を抑制する作用です。
細胞が元気になることで代謝が上がり、免疫力を高めたり、疲労回復の効果があります。また、血液をサラサラにしてくれる働きもあるため、血行が良くなり身体を温めてくれる効果があります。
カカオのくわしい効能についてはこちらも参考にして下さい。
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亜鉛
チョコレートに含まれる亜鉛も風邪には有効とされています。亜鉛はポリフェノール同様、抗酸化作用があります。そして、亜鉛にはビタミンAの働きを助ける作用もあります。
ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持、免疫力アップ、細胞の老化防止などの効果があるので、風邪で痛んだ喉や鼻などの粘膜を保護し、喉のイガイガなどの不快感を軽減してくれます。
ビタミン
ビタミンも豊富に含まれています。例えば、皮膚を保護し免疫力をアップさせる効果のあるビタミンE、ビタミンA、代謝を上げてくれるナイアシンなどのビタミンB群などがあります。
ミネラル
その他、免疫機能に関わるカルシウム、代謝を助けるマグネシウム、リンなどのミネラルも豊富に含まれています。
ミネラル不足の症状についてはこちらを参考にして下さい。
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テオブロミン
カカオマスの成分であるテオブロミンは、咳を止めるのに有効な成分とされています。これは、自律神経を調整しながらリラックスする作用があり、喉の過敏な反応を鈍くしてくれる効果があります。
そのため、咳が止まらなくなって夜眠れず辛いときなどには効果的です。
糖質や脂質がエネルギーとなる
チョコレートには、糖質や脂質が多く含まれているため、少量でもエネルギーになってくれます。そのため、食欲不振になりがちな風邪のときには、すぐに摂取しやすいでしょう。
チョコレートを食べる時の注意点
食べ過ぎに注意!
チョコレートは栄養分も豊富で、癖になる甘みと苦みでついつい食べ過ぎてしまうことがありますよね。
脂肪燃焼効果のあるポリフェノールを多く含むカカオマス含有量の多いビターのチョコレートは、むしろダイエットに効果があるかもしれません。
しかし、風邪のときは脂肪燃焼のための運動はできませんし、チョコレートの含まれる糖分や脂肪分で太ってしまう可能性があります。
また、チョコレートには食物繊維や脂肪分も多く含まれているため、風邪で胃腸が弱っているときに食べ過ぎるとお腹をこわし、腹痛を起こしてしまうかもしれません。
喉の炎症がひどいときは注意!
チョコレートは自律神経に働きかけ、咳の原因になる喉の過敏な反応を鈍くしてくれる効果があります。しかし、カカオマスの苦み成分は、唐辛子の辛み成分と同様、喉にとって刺激物となりますので、喉にはあまりよくありません。
炎症を起こしている喉の痛みがひどくなってしまう可能性があります。
風邪の引き始めには控えよう!
風邪の引きはじめ、つまりウイルスが活発な状態のときにチョコレートを摂取すると風邪が悪化する可能性があります。
胃腸はウイルスを身体から排出しようと働きますが、チョコレートは小腸に溜まりやすく、ウイルスも一緒に体内に留まり活発化し風邪が悪化する可能性があるのです。
また、チョコレートに含まれる鉄分がウイルスを増やすため、身体はウイルスに対抗しようと体温をぐっと上げようとします。摂取のタイミングに考慮し、身体に余計な負担が掛かからないようにしましょう。
牛乳との飲み合わせには注意!
チョコレートと同じ原料でできているココアでは牛乳と合わせる飲み方が一般的ですし、おいしいですよね。しかし、風邪のときは飲み方に要注意です。
牛乳は、胃に膜を張るので、チョコレートに含まれるポリフェノールが胃に吸収されるのを妨げてしまいます。そのため、チョコレートの前に牛乳を飲んでしまうと、抗酸化作用や身体を温める作用が薄れてしまいます。
どうしても牛乳を飲みたい場合は、チョコレートを食べた後に飲むか、牛乳を温めてチョコレートを溶かすドリンクにすることをおすすめします。
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食が進まないときはデザートで!
チョコレートのまったり感が嫌な人や風邪のときに食が進まない場合は、熱湯と泡立てた生クリームを混ぜて冷やすだけで作れるチョコレートムースがおすすめです。
チョコレートは溶かせば、ドリンクやムース、ソースとしてコーヒーやケーキなど他の食べ物や飲み物と組み合わせて、いろんなレシピを作ることができます。
今回は、風邪症状に効果的なチョコレートの作用についてまとめました。風邪のときにチョコレートを食べるという考えは、なかなか思いつかない人も多いでしょう。
弱っているときの栄養補給、咳止め、炎症を抑えるなどの効果がチョコレートに秘められているなんて、本当に驚きですよね。
ただし、風邪のときに摂取する際は、チョコレートの特徴を理解して、適切なタイミングと量を気にしながら食べないと逆効果になってしまうこともありますよ。
お菓子としても美味しいチョコレート。みなさんも風邪のときはこれで元気になりましょう!
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