危険!炭水化物中毒の症状や原因とは【治療・治し方も詳しく解説】
食べても食べても満腹感が得られなくなってしまう炭水化物中毒は、私達の日常生活において、誰しもがなり得る病気です。
炭水化物中毒が進行するとお腹が空いていなくても食べたくなってしまったり、様々な生活習慣病を引き起こしてしまう危険性があります。
今回は炭水化物中毒の症状や原因、治療法や自分でできる治し方、食生活の改善方法などについて詳しく解説いたします。
気になる所から確認してみよう
炭水化物とは何か再確認しておこう
炭水化物・脂質・タンパク質は、三大栄養素として大事な栄養素です。その中の1つである炭水化物は、糖質と食物繊維に大きく分けられます。
炭水化物は、体内で分解されてブドウ糖になります。そして、それをエネルギー源にして脳・神経組織・赤血球・腎尿細管・精巣・骨格筋等の体内組織を動かしています。
私達の日常の食生活の主な主食には炭水化物が多く含まれています。お米やパン、麺類、穀類、芋類、根菜、野菜、果物、豆類、粉類、調味料にも多く含まれています。
よくダイエットで炭水化物ダイエットや糖質制限食というものもあります。
糖質制限食は、通常多く行われているカロリー制限食とは違い、糖質が多く含まれているもの以外であれば何でも食べていいとされていますが、身体に与える影響などからまだきちんとした方向性が定まってはいません。
糖質制限をして、炭水化物からのブドウ糖の供給が少なくなった場合には、エネルギー源は中性脂肪からブドウ糖を作るようになります。
日常生活でよく食べる炭水化物ですが、身体の為には大事な栄養素ですので、断食など極端なダイエット等で減らすのは危険です。
一方で、食べるのがやめられなくなってしまう炭水化物中毒という病気もあります。何においても適量を摂取し、バランスの良い食生活を心がけましょう。
炭水化物中毒の14の症状
次に炭水化物中毒の14の症状について解説していきます。炭水化物中毒により、こんなにもたくさんの症状が現れ、病気を引き起こす危険性もあります。
症状を詳しく知る事で、日常生活においても気をつけるようにしましょう。
苛立ち・不安感・疲労感・不機嫌・絶望感・孤独感・依存・精神的不安定
炭水化物中毒の精神的な症状として、苛立ち・不安感・疲労感・不機嫌・絶望感・孤独感・精神的不安定等を引き起こしてしまいます。
後ほど炭水化物中毒の体内メカニズムについて解説いたしますが、炭水化物中毒になると神経伝達物質であるセロトニンの分泌が減少し、満腹感を感じづらくなります。
この満腹感を得られない事から、常に空腹感に襲われるようになり、食べても食べても、食べたいという衝動が止められなくなってしまうのです。
そして、無理に我慢する事で苛立ち・不安感・疲労感・不機嫌を感じるようになり、精神的不安定に陥ります。
やがて、依存がひどくなると突然泣きたくなったり、絶望感・孤独感にさいなまれるようになります。炭水化物中毒は、精神的に様々な悪影響を及ぼします。
頭痛・めまい・動悸・冷え・肥満
炭水化物中毒の肉体的な症状としては、先程記述しました精神的な症状からくる頭痛・めまい・動悸等があります。
また、炭水化物を大量に摂取する事により、血糖値が急激に上昇し、急激に下降します。
その際に自律神経の交感神経の働きが優位になり、血管が収縮され、血流が悪くなります。
そして、血流が悪くなる事により、体の冷えを引き起こすようになるのです。また、炭水化物を多く摂取していますから、当然肥満体質になりやすくなります。
眠気
よく食べた後に眠気を感じる人は多い事と思います。
それが炭水化物の多い食事の後に起きる眠気の場合には血糖値が不安定になっているかもしれませんので、注意が必要です。
誰でも食事をする事で血糖値が上昇しますが、通常はきちんとコントロールされる為、血糖値が上昇した時には、下げる為のホルモンが分泌されます。
しかし、炭水化物ばかりの食生活をしている場合には、常に血糖値を下げる必要が出て、必要以上にホルモンが出てしまったり、ホルモンの働きが悪くなってしまいます。
そのような事から、ブドウ糖がエネルギー源となっている脳に、大量の糖が流れてしまったり、逆に糖が少ない状態になってしまったりと、非常に不安定になってしまいます。
必要以上のホルモンが出る事で血糖値が下がると、脳へのエネルギーは不足します。そして、脳の活動を低下させようとして、眠気が起きてしまうのです。
炭水化物中毒が悪化すると病気になる恐れがある
炭水化物中毒が悪化すると、依存症の状態になってしまい、自分では食べたいという欲求を抑制する事ができなくなってしまいます。
そして、血糖値の急上昇や急降下、血行不良等により、肥満、糖尿病や高血圧、高脂血症、動脈硬化、心臓病等の病気を引き起こしやすくなります。
炭水化物中毒の精神的な症状が悪化すると、うつ病を引き起こす事もあります。
さらに血糖値の不安定な状態により、うまくインスリンのコントロールができなくなると低血糖症になってしまう場合もあるのです。
このように炭水化物中毒が悪化すると、様々な病気を引き起こす恐れがあるのです。
炭水化物中毒の原因は4つの体内メカニズム
ここまで炭水化物中毒の症状や悪化するとなる可能性のある病気について解説してきました。
では、炭水化物中毒はどのような体内のメカニズムでなるのか、解説していきます。
インスリンの分泌過剰
炭水化物を多く摂取する事で、血糖値の急激な上昇が起こります。その急激な上昇を下げる為にインスリンの分泌過剰が起こります。
インスリン受容体の減少
大量に分泌されたインスリンにより、インスリンと結合する分子であるインスリン受容体が減少し、血液中のブドウ糖とインスリンが細胞に取り込まれづらくなります。
セロトニンの分泌が減少
血中のインスリンが体内組織に取り込まれづらくなり、脳にもエネルギー源が届かなくなります。
そして、脳の神経伝達物質であるセロトニンの分泌が減少してしまい、食べても食べても満腹感を感じられなくなってしまいます。
炭水化物を摂取したい欲求に
このような体内メカニズムにより、炭水化物中毒の方の場合は、炭水化物を食べたいという衝動・欲求を抑えられなくなり、また炭水化物を食べてしまうという悪循環に陥ります。
炭水化物を摂取すればする程、インスリンは過剰に分泌され、食べても食べても満腹感を得られません。
やがて、お腹が空いていなくても食べたいという衝動が抑えられなくなり、食べれば食べる程、その欲求を抑えられなくなってしまいます。
炭水化物中毒を克服する2つの治療法
炭水化物中毒を克服する為には、大きく分けて食事療法と運動療法があります。
炭水化物中毒という依存症になってしまった場合、自分では治療が困難な場合もありますので、そのような時には病院での治療をおすすめいたします。
ここでは運動療法について、そして食事療法については少し分けて解説していきます。
食事療法
まずは食事療法についてです。ただし、くれぐれもストレスになりすぎないようにしましょう。
もし3食とも炭水化物を食べている場合には、1食炭水化物を抜いてみる、または量を減らすなど、少しずつ炭水化物の量を減量していきましょう。
少しずつストレスにならない程度で減らす事により、炭水化物を食べたいという欲求が少しずつ減少してきます。
しかし、最初から主食となる炭水化物を抜く事が難しい場合には、白米を玄米にしてみたり、小麦粉を全粒粉や大豆粉にする等の工夫も良いです。
また、ご飯の代わりに豆腐やおから等の大豆製品を摂取する事もおすすめです。豆腐をご飯代わりにする事で満腹感を得られたり、しっかりと水切りをする事でご飯の代用が出来るのです。
低糖質
最近では、低糖質の低炭水化物食品も販売されています。糖質0gで作られているパスタやうどん、様々なものがありますので、お好みのものを試してみましょう。
食べ順
また、食べる順番も重要です。まずは味噌汁やスープ等の汁物、次にサラダなどの野菜類、そして肉や魚などのタンパク質を食べましょう。
最後にご飯やパン、麺などの炭水化物を食べます。先に汁物を飲んでお腹を膨らまして、野菜類をよく噛んで食べ、必要なタンパク質を摂ると、自然と最後の炭水化物の量が少なくなるでしょう。
運動
食事だけでなく、運動も必要です。日光浴・散歩・ウォーキングなど軽い運動から始めましょう。
神経伝達物質であるセロトニンの分泌を促すためには、日光に当たることで活性化するビタミンDが重要となります。
ビタミンDには、セロトニンの分泌促進効果がありますので、運動が出来ない時でも日光に当たる事は意識的に日常生活に取り入れましょう。
日常生活で炭水化物中毒を改善!自分で出来る治し方4選
最後に日常生活で炭水化物中毒を自分で改善する方法について解説いたします。
どれも簡単なものばかりですので、ストレスを溜めないように、いろいろと工夫しながら日常生活に取り入れていきましょう。
代替食材
先程も少し記述しましたが、主食としていたご飯やパンの代わりに代替食材を使用します。
✅ 白米の代わりに玄米
✅ 小麦粉の代わりに全粒粉や大豆粉
✅ 白砂糖の代わりに黒砂糖やオリゴ糖
✅ 食パンなどの白いパンの代わりにブランやおからパン、全粒粉パン
ほんの少しの心がけで、炭水化物や糖質を減らす事ができます。
大豆製品
豆腐・大豆・おから等の大豆製品は、タンパク質も豊富な為、積極的に摂取しましょう。
豆腐はもちろんそのままでも食べる事ができますし、しっかりと水切りをする事でご飯やパンの代わりとして食べる事ができます。
また乾燥大豆を水に一晩浸して置き、膨らんだ豆を鍋に水を入れて30分程煮ると、お米の代わりとして食べる事ができます。
大豆粉もありますので、小麦粉の代わりにすれば大豆パンを作る事や大豆麺を作る事もできます。
普通のパンは小麦粉で作られていますが、大豆粉で作る大豆パンの糖質量は小麦粉の6分の1まで抑えられます。
大豆製品はタンパク質が豊富な為、積極的に摂取しましょう。今は通信販売でも大豆パンやおからクッキーなどが販売されていますので、是非お試しください。
低炭水化物食品
今は、低炭水化物食品もたくさん販売されています。
こんにゃく麺やしらたき、こんにゃく米などが用いられているパスタやラーメンなど、今や様々な食品が低炭水化物食品で作られています。
食べ方も簡単で、気軽に手に入り、食べてみると美味しいものも多いので、是非お試しください。
カサ増し
普段の食事の中で、カサ増しをする事もおすすめです。
✅ お米にこんにゃく米などを混ぜてカサ増しをする。
✅ ハンバーグのお肉の量を減らし、代わりにもやしを混ぜてカサ増しする。
✅ 麺類に糸こんにゃくを混ぜて茹でてカサ増しする。
いろいろ考えて工夫してみるのも楽しいです。
自分なりの様々な方法を見つけて、炭水化物を減らしていけるようにしましょう。
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