黒目に白い点ができる原因!これ危ない病気ですか?
<監修視能訓練士 kenkensanta>
ふと鏡を見たら黒目に白い点が、という人がいます。人により痛みがあったり、なかったりするようです。
どんな病気で何が原因で起こるのでしょうか。
黒目の働き
病気を見ていく前に、まずは簡単に目の構造と働きを見てみましょう。
目は大きく分けると眼球、視神経、その他附属物から成っており、目から入った情報は視神経を通って脳に伝達される仕組みです。
その中の黒目について説明します。一般的に黒目と言われている部分は虹彩と瞳孔、そしてこれらを覆っている角膜から構成されています。
虹彩
黒目の中の色の薄い部分(日本人の場合は茶色い部分)を言い、カメラの絞りの働きをします。
虹彩が伸縮することによって瞳孔の大きさを変え、光が入る量を調整しています。
この筋肉は瞳孔散大筋(瞳孔を広げる)と瞳孔括約筋(瞳孔を縮める)といい、明るさにより瞳孔を2mm~6mmまで変化させることができます。
また、瞳の色は虹彩のメラニン色素量により変わります。メラニン色素は紫外線から瞳を保護する働きがあります。
太陽の光が強い国ほど瞳の色が濃いのはそのためです。
虹彩は指紋と同様に一人ずつ異なるため、スマートホンなどの個人認証にも使われています。
瞳孔
黒目の中央にある濃い部分で、意外に思われるかもしれませんが穴になっています。
この部分に光が入り映像を網膜にうつすことができます。
虹彩の部分で紹介した通り、見た目には瞳孔が収縮しているように見えますが、実際には瞳孔が変化しているわけではありません。
角膜
黒目の部分を覆っている透明な膜です。直径11mm~12mm、厚さは周辺が0.7mm、中央が0.5mm程度です。
目に入った光を屈折させて焦点を合わせる働きがあります。
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角膜が変形したり混濁すると視力に影響があることからも、働きの大部分が水晶体ではなく角膜で行われているということがわかりますね。
黒目にできた白い点の原因
細菌性角膜感染症
コンタクトレンズを装着しているときに何らかの原因で角膜に傷がつき、細菌に感染し、炎症を起こす病気です。
症状が軽度のものから順に下記の種類に分けられます。
点状表層角膜症(炎)
角膜の上皮細胞が部分的に脱落したも状態で、炎症あると店状表層角膜炎といわれることもあります。
症状としては涙目、目が痛む、充血、光に過敏になるなどがあります。原因はウイルスや紫外線の他にドライアイやコンタクトレンズトラブルが挙げられます。
角膜びらん
角膜の上皮細胞の一部が剥がれてしまった状態を言います。
症状は涙目、充血、目やになどです。
原因は爪や紙などによる外傷やコンタクトレンズの不適切な使用、ドライアイ等です。
角膜浸潤(かくまくしんじゅん)
角膜に細菌感染、炎症が起こった時に白血球が集まり白濁した状態を言います。
角膜には白血球はいないのですが傷の修復のために集まり起こります 。
アレルギーにより起こることもあります。症状は涙が流れ続ける、強い痛み、充血などです。
角膜潰瘍(かくまくかいよう)
角膜の上皮より深い部分まで濁ったり薄くなった状態を言います。
症状は角膜組織が表面から欠けていきます。原因は外傷、ウィルスや細菌の感染です。
ひどい場合は角膜に濁りが残り、視力低下することもあります。角膜穿孔、虹彩脱出、深部への感染症による組織破壊等の合併症には要注意です。
特に角膜穿孔は外傷により黒目部分に傷を負って生じ、傷口から化膿したり炎症を引き起こし、最悪の場合には眼球内除去術が必要になりますので、素早い対応が必要です。
頭を固定しすぐに眼科医の診察を受けます。
角膜フリクテン性結膜炎
フリクテンとは水泡のことで、角膜や結膜に白い小さな水泡ができる病気です。
黒目にできるものを角膜フリクテンといいます。結膜炎ですが感染はしません。
症状は充血と水泡、白い隆起で、角膜と結膜の境目にできることが多いです。ひどくなると痛みが伴います。
原因はカビや細菌によるアレルギーの一種です。
自然治癒することも多いのですが、再発性が高いのが特徴です。乳幼児、偏食の人に発症しやすいといわれています。
翼状片(よくじょうへん)「番外」
翼状片は白い点ではなく、目頭から黒目に結膜(白目を覆っている半透明の膜)が三角形に入ってくる病気です。
目の充血、異物感があり、鏡で見ると白目が黒目に浸食してきたように見えます。
原因はよくわかっていませんが紫外線が関与しているのではないかといわれています。
若年層より高齢者に多い病気です。治療は点眼薬などで異物感を緩和するのが一般的です。
しかし、瞳の近くまで浸食してくると乱視になり、視覚に影響が出てくるため手術が必要です。
若い人ほど再発が多い傾向にあります。
目がゴロゴロして痛い!そんな時は病気の可能性もあります。
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自然治癒でも大丈夫?
基本的には専門医に治療してもらいましょう。細菌性角膜感染症は細菌の種類によって症状の進行が違います。
放置すると角膜に穴が開くことがあります。
(角膜穿孔)病院で細菌を除去してもらい、専用の点眼薬や内服薬を処方してもらいましょう。
角膜フリクテン性結膜炎は再発することが多いため、再発防止知識を持つことが大事です。
清潔に保ち、食生活を改善するなど医師と相談して行うようにしてください。
翼状片は軽度の目立たないものであれば経過観察、異物感が強かったり見た目が良くない場合は手術が必要です。
軽度であっても自然治癒することはありません。
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まとめ
黒目に白い点ができる多くの場合はコンタクトレンズの不適切な使用方法によるものです。
コンタクトの使用法やメンテナンスをきちんとするようにしましょう。
また、コンタクトをしない人も目は大事な器官です。清潔に保ち、スッキリ涼やかな目を保つよう心掛けたいものですね。
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