鼠径ヘルニアの原因!手術の料金と方法も詳説!
<監修医師 吉野 聖奈>
「鼠径ヘルニアの原因はなに?」
「鼠径ヘルニアの手術をすることになったけれど費用や方法が良く分からない!」
そんな鼠径ヘルニアに関わる情報を集めました。
日本国内の患者数は14万人と予想されていますが、なかなか病院に相談しにくい病気です。
もしもの時に備えてご覧下さい。
鼠径ヘルニアの症状や痛みに関しては以下の記事を参考にしてください。
気になる所から確認してみよう
鼠径ヘルニアになる原因
鼠径ヘルニアとはどんな病気?
鼠径ヘルニア(そけいへるにあ)は「脱腸」と呼ばれる、腹膜や腸の一部が本来あるべき場所からはみ出してしまう病気を指します。
ヘルニアと聞くとつい腰痛を思い浮かべますが、そもそもヘルニアとは身体の中の器官があるべき場所からはみ出してしまった状態を指します。
鼠径は太ももや足のつけ根を指します。
ですから「鼠径ヘルニア」とは、太ももや足のつけ根に腸がはみ出してきた状態を指します。
鼠径ヘルニアにかかる原因はこちら
ではなぜ鼠径ヘルニアにかかるかというと、筋膜の衰えに従い鼠径管(腹と外部をつなぐ管)の入り口が緩むためです。
入り口が緩むと、腹部に力を入れた際に少しづつ入り口から腹膜がはみ出ます。
はみ出てきた腹膜はやがて袋状になり、腹部に力を込める度に伸びていき、やがて鼠径管の外へ出て行きます。
この袋状の腹膜をヘルニア嚢(へるにあのう)と呼びます。
ヘルニア嚢は一度形成されると治りません。
やがてヘルニア嚢に腸やそのほか腹部の組織がはみ出るようになり、鼠径ヘルニアの症状が出ます。
なぜ筋膜が衰えるの?
まず筋膜が衰える原因として、「老化」が挙げられます。
40代以上は体内の様々な器官の能力が衰え出す年齢に当たります。
老化によって筋膜が衰えることで内臓が外部にはみ出してしまうのです。
次に長く筋膜を酷使して来た人が挙げられます。
自分は意識していなくても、立ち仕事や製造業に携わる人は筋膜を他の人よりも多く使用しています。
そのため他の人間よりも耐久性が短くなり、早い段階で鼠径ヘルニアの症状が出ることになります。
その他に咳をよくする、便秘気味、肥満気味の人にも見られるので注意が必要です。
また先天的に鼠径ヘルニアが起こる場合もありますが、先天的な理由で発症するのは乳幼児に限られます。
鼠径ヘルニアの手術方法
鼠径ヘルニアは大人に多い症状ですが、治療方法としては手術しかありません。
現代では手術方法が確立しているため短期入院で済むので仕事や学業で忙しい方は早めに手術を受けた方がいいでしょう。
では実際にどのような手術を行うのかご紹介します。
お腹を開く
文字通りお腹を開き、ヘルニア嚢を処理します。
そして、またはみ出てこないように筋肉や靱帯を補強する開腹手術です。
補強方法はもともと自分が持っていた筋肉や靱帯を利用する方法と、補強材料(メッシュと呼ばれる)を代用する方法の二つがあります。
使用するメッシュの性能によりリヒテンシュタイン法、UHS法、UPP法、メッシュプラグ法があります。
昔から活用される方法ですが、お腹を開くので回復までに時間がかかり人によっては傷口が残るのが欠点です。
お腹を開かない方法
お腹を切り開かないで済む手術も存在します。
それは腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(ふくくうきょうしたそけいへるにあしゅじゅつ)です。
そもそも腹腔鏡とは、皮膚上に穴を空けそこから手術器具を差し込んで患部を治癒する手術方法です。
先端に小型カメラがついた細い管を体内に差し込むので、開腹手術を行わなくても患部を全て確認でき、取りこぼしがありません。
お腹に3㎜~5㎜の小さな穴をあけて器具を差し込むので、お腹を開くよりも入院期間が短くてすみます。
ただし開腹手術よりも費用が高価で、全身麻酔を必要とするために人によっては副作用が出る場合もあります。
鼠径ヘルニアの手術にかかる費用はどれくらい?
気になる鼠径ヘルニアの手術費用ですが、6万円~8万円と開きがあります。
さきほどご紹介したとおり、開腹手術を行うと手術自体の費用は安く済みます。
が、入院費用は別にかかり、こちらが条件によっては(入院日数、個室か大部屋か、など)5万円前後かかります。
腹腔鏡ヘルニアは少々高価ですが、入院日数が少ないために入院費用を抑える事が出来ます。
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鼠径ヘルニアの手術に保険は適用されるの?
また鼠径ヘルニアの手術には健康保険が適用されるので、自己負担金は低く抑えることが出来ます。
場合によっては高額療養費の制度を活用し、一部の費用の払い戻しを受けることが出来ます。
申請から受け取りまで3ヶ月以上かかるので時間はかかりますが、戻ってくるのは嬉しいですよね。
どれくらい払い戻しがあるのかはケースによりますので、調べてみると良いでしょう。
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