鼠径ヘルニアの症状(女性)！痛みを緩和する方法も紹介！
＜監修医師 吉野 聖奈＞
鼠径ヘルニアの症状、実は男性と女性で異なるってご存じですか？
今回は鼠径ヘルニアの症状とその痛みがどのようなものか、また鼠径ヘルニアの痛みを緩和する方法についてご紹介します。
鼠径ヘルニアってこんな病気
鼠径ヘルニアとは
そもそも鼠径ヘルニア(そけいへるにあ)とは、鼠径部分にヘルニアを患うことです。
鼠径部分とは足のつけ根やふともも辺りを指します。
ヘルニアとは、本来あるべき場所にあるべきものが治まっていない状態を指します。
つまり鼠径ヘルニアとは、身体の中の内臓(小腸など)が足のつけ根やふとももにはみ出してしまっている状態を指します。
内臓の中でもよく小腸がはみ出しますので、鼠径ヘルニアを「脱腸」とも呼びます。
鼠径ヘルニアの原因については以下の記事を参考にしてみて下さい。
こんなことに注意
鼠径ヘルニアは皮膚の下がぷっくりと膨らみますが、そこまで激痛を感じません。
無視してもいいものでしょうか。
実は鼠径ヘルニアは放置すると内臓が元に戻らなくなる場合があります。
「嵌頓」(かんとん)と呼ばれる、腸がヘルニア孔から飛び出して挟まってしまい、元に戻らなくなった状態になると緊急手術が必要になる場合もあります。
「脱腸なんて恥ずかしい」と考え医療機関に頼らない方も多いですが、深刻化する前に対策を取った方がよさそうです。
また最初は膨らんだ場所を触っても柔らかく押し返してきますが、放置していると徐々に固くなっていきます。
そうなると腸閉塞や腹膜炎など別の症状も引き起こすようになります。
女性の鼠径ヘルニアに見られる症状
実は鼠径ヘルニアの患者は男性が殆どです。
10人の鼠径ヘルニア患者がいた場合、9人は男性だと言われるほどの比率ですが、女性患者が全くいないわけではありません。
特に鼠径ヘルニアの原因として腹部に力を込める仕事を長時間行っていた場合、
肥満などが挙げられますが、他にも便秘気味の方も危険があると言われています。
女性の中には便秘に苦しむ方も多いので、決して他人事な症状ではないのです。
それでは女性には一体どのような症状がでるのか、確認してみましょう。
生理の周期と重なる
生理とともに鼠径ヘルニアの症状が悪化し、生理がなければ小康状態になります。
なぜ生理の周期と重なるのかというと、生理の際に鼠径ヘルニアの原因となる体内の膨らみが水を含んで大きく膨らむためです。
大腿ヘルニア
生理による鼠径ヘルニアは、比較的若い女性(20代)に見られます。
一方大腿ヘルニア(だいたいへるにあ)は50代以降の女性がかかりやすい症状です。
さらにかかりやすい人間を絞ると、出産を経験した女性がかかりやすくなっています。
大腿ヘルニアは太ももがぷっくり膨らむので、見つけるのは容易いです。
鼠径ヘルニアの痛みの出方
通常の鼠径ヘルニアだと、太ももや足のつけ根に膨らみが表れ、放置していく内にさわっても内部に押し戻されず、固くなっていきます。
そのまま押して元に戻せなくなる状態を「嵌頓」(かんとん)と呼びます。
しかし女性の鼠径ヘルニアの場合、膨らみよりも痛みが先に表れます。
また鼠径ヘルニアは腹部に力を込めることで引き起こされる症状なので、重いものを運んだり便秘気味でトイレに籠もったりすると痛みが出る場合があります。
鼠径ヘルニアの痛みを緩和する方法
バンドで固定する
痛みを感じるのは、内臓の一部が身体の外に出てしまうからです。
内臓は鼠径管からはみ出してきますので、その鼠径管および腹膜をバンドで固定します。
ただしこの方法は一時的な気休めに過ぎません。
バンドを緩めるとまた内臓がはみ出てきますので、早い内に医療機関を受診しましょう。
重いものは持たない
重いものを持つと、どうしても腹部に力を込めます。
腹部に力を込めると内臓が外に押し出され、さらなる痛みに襲われます。
痛くて辛いですが、安静にするようにしましょう。
便秘を解消する
女性は便秘体質の人が多いと言われています。
便秘になると、トイレに行くたびに腹部に大きな負担がかかります。
ですから便秘を解消することが、鼠径ヘルニアの痛み緩和につながります。
また鼠径ヘルニアにかかる前に便秘を解消することが予防にもなります。
病院に行く
一時的に痛みを解消することが出来ても、長期的な視点では手術を受けなければ解決になりません。
現在手術以外に鼠径ヘルニアを解消する方法はなく、日帰りで手術を行うことも可能です。
太ももや足のつけ根に不自然な膨らみが出来たら早めに医療機関を受診しましょう。
| 病院に行く際には何科
子供 ☞ 小児科 大人 ☞ 外科 |
男性に多く見られる鼠径ヘルニアですが、女性に無縁の症状ではありません。
若い女性は生理に伴い、50代以上の女性は大腿ヘルニアなどのリスクが高いです。
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鼠径ヘルニアの原因！手術の料金と方法も詳説！
鼠径ヘルニアは腹膜の緩みに伴う症状なので、ベルトで締め付けたり腹部に力を込めないようにすることが痛みを和らげる方法です。
しかし根本的な解決は手術を受けるしかありません。あまり我慢せず、早めに医療機関を受診しましょう。
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