Sponsored Link

匂いが分からない!【病気の可能性や治療法を徹底解説!】

<監修医師 豊田早苗>
口

風邪で鼻が詰まった時に食べ物の味も匂いも分からなくなった、という経験をしたことはありませんか?すぐに治ればいいのですが、その状態がずっと続いたらと考えると、ちょっと怖いですよね。

 

匂いが分からなくなる嗅覚障害は、風邪による鼻詰まり以外にも、様々な原因や病気の可能性が隠れています。今日はそんな、匂いが分からない時に考えられる病気を中心に解説していきたいと思います。

スポンサーリンク
 

匂いを感じる嗅覚とは

 

呼吸をすることのほかにも、匂いを感じ取ることも重要な役割である鼻。では、鼻はどうやって匂いを嗅ぎ分けているのでしょうか

 

匂いを感じるメカニズム

私たちは普段、空気中に漂っている「におい物質」を鼻から吸い込んで、脳へと電気信号を送ることで「匂い」として捉えています。

におい物質は、れっきとした化学物質。におい分子と呼ばれる粒子状のもので、揮発性のため、もとの物質から離れて空気中を漂うことができるのです。

 

鼻から吸い込んだにおい物質は、その奥の鼻腔内に入り、鼻腔の上部にある「嗅上皮」という粘膜部分に溶け込みます。

嗅上皮は切手1枚分ほどの面積しかありませんが、そこには400種類ほどの嗅覚受容体があり、その400種の組み合わせで、数十万もの匂いを区別して嗅ぎ分けることができるのです。

嗅上皮で取り入れたにおい物質は電気信号へと変換され、嗅神経を通って脳へと伝達、処理されて、ようやく「におい感覚」として私たちが認識します。

 

匂いは本能で嗅ぐもの

上記のようなメカニズムのため、匂いは本能で嗅ぎ分けられるようになっています。

たとえば、悪臭を感知すると「悪いものだ!」と、考えるより先に危険を察知できます。料理が腐っていないかどうか、臭いを嗅いで判断するのも、これによるもの。

 

また、本能で感じ取ることで、記憶とも結びつきやすくなっています。なにか特定の匂いを嗅いだ時に、ある場面を思い出すという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

ちなみに、匂いは鼻で嗅ぐものというイメージですが、鼻腔にある嗅上皮以外でも、全身あちこちに嗅覚受容体は存在します。

 

たとえば皮膚。皮膚の嗅覚受容体はビャクダンの香りに反応しやすく、それにより傷の治りを早める効果が期待できます。ほかにも腸、泌尿器などに嗅覚受容体があると言われています。

スポンサーリンク

匂いが分からない?!6つの原因

 

鼻詰まり

風邪や鼻炎によって鼻水が出たり、鼻詰まりを起こしたりすると、吸い込んだにおい物質が鼻腔の奥にまで届かなくなってしまいます。これは鼻をつまむことで匂いをシャットアウトするのと同じ原理ですね。

 

風邪の一時的な症状であるならば問題ありませんが、慢性副鼻腔炎などを起こしていると、適切な治療を受けなくては、ずっと匂いが分からないままという事態にもなりかねません。

 

加齢

年を取ると身体のあちこちが衰えるように、嗅覚細胞にも老化現象は存在します

ここで困るのは、においを嗅ぐという行為を通じて、本能的に危険を察知することが出来なくなるということ。周りの人が気を付けてあげるようにしてください。

 

ストレス

過度のストレスがかかると、自分の身を守ろうとして、嗅覚を麻痺させてしまうことがあります。もし、匂いが分からなくなった原因に心当たりがない場合、突然匂いを感じなくなった場合には、ストレスの可能性を考えましょう。

これに関しては、元となったストレスを解消するしかありません。難しいようなら、心療内科や精神科の受診も視野に入れてみてください。

 

亜鉛不足

ミネラルの一つである亜鉛。これが不足すると味覚障害を起こすことは有名ですが、嗅覚障害も起こしやすくなります。亜鉛は体内の200種類以上の酵素に影響を与えているため、不足すると様々な不調の原因となってしまいます。

亜鉛を多く含むものには、以下のようなものがあります。少し気にして食べるようにしてみてください。

✅ 牡蠣

✅ ナッツ類

✅ 牛肉

✅ 豚肉

✅ ウナギ

サプリメントも有効です。亜鉛不足が心配される方は取り入れてみてはいかがでしょう。

 

同じ匂い・強い匂いをずっと嗅いでいる

最初は強いかなと思っていた香水の匂いに、いつの間にか慣れていたということはありませんか?

同じ匂いや強い匂いをずっと嗅いでいると、嗅覚細胞が疲労して嗅覚が弱まってしまったり、麻痺してしまい匂いを感じ取れなくなってしまいます。

 

これで困るのは、におい感覚が鈍感になることで、周りに迷惑をかける可能性があるということ。たとえば汗など、自分の体臭は嗅ぎ慣れているせいで気づきにくくなっていますよね。

ほかにも香水を付けすぎていたり、柔軟剤の量を増やしてしまうと、意外と周りは「ウッ…」と思っているかもしれませんよ。

 

病気の可能性

何らかの原因によってにおいが分からなくなる、感じ取れなくなることを「嗅覚障害」と呼びます。

嗅覚障害の大半はこの嗅覚の低下が占めますが、ほかにも匂いに敏感になる「嗅覚過敏」や、良い匂いを悪臭だと感じてしまう「嗅覚錯誤(異臭症)」などがあります。

 

嗅覚障害になる原因は大きく分けて3種類。

✅ 呼吸性:風邪などの鼻詰まりで、鼻の奥にある嗅覚細胞にまでにおい物質が入ってこなくなる。

✅ 中枢神経性:におい感覚を認知する神経や脳に障害があるもの。脳腫瘍や頭部の外傷、加齢もここに入る。

✅ 末梢神経性:におい物質を取り込む嗅上皮の障害。頭を打った場合もここに入る。

嗅覚障害が起こったら、早めに耳鼻科を受診するようにしましょう。原因によっては治りづらいものもありますが、3か月以内の治療開始が鍵になってきます。

スポンサーリンク

匂いが分からない3つの病気の可能性

 

呼吸性嗅覚障害

これは鼻詰まりなどが原因で、におい物質を吸い込む鼻が塞がっていることによるもの。そもそもにおい物質が鼻の奥にまで届かないため、匂いを感じることが難しくなります。

原因には以下のようなものが挙げられます。

✅ 風邪

✅ アレルギー性鼻炎:花粉などのアレルギー物質によるもの。鼻水の量が多くなり詰まりを起こします。

✅ 副鼻腔炎:風邪の後に鼻炎が長引くと起こります。

✅ 鼻中隔湾曲症:左右の鼻を隔てる壁がどちらかに歪んでいたり曲がっていたりするもの。

特に副鼻腔炎は、呼吸性嗅覚障害の大半を占める疾患です。気を付けなくてはいけないのが、慢性副鼻腔炎に悪化してしまうこと。早めの治療をおすすめします。

 

中枢神経性嗅覚障害

鼻から吸い込んだにおい物質を、電気信号として伝達する神経や、最終的に匂いとして認知する脳に障害があるものを、中枢神経性嗅覚障害と呼びます。

脳腫瘍や脳梗塞を発症したり、頭部の外傷や手術後ににおいが分からなくなることがあります。

 

また、アルツハイマー病やパーキンソン病の初期症状として、嗅覚障害が起こることも。これを逆手にとれば、これらの病気の早期発見に繋がります。

においが分からなくなったら早めに医療機関を受診することで、神経や脳といった重要な器官の異常にいち早く気付けるかもしれませんね。

 

末梢神経性嗅覚障害

鼻腔の奥にある嗅上皮と、嗅上皮で取り込んだにおい物質を脳へと伝える途中にある嗅糸という器官に異常がある場合。鼻と脳の中継地点の異常によりにおいが分からなくなるものを、末梢神経性嗅覚障害と呼びます。

 

原因の一つはウイルス性の風邪による嗅上皮の炎症。慢性副鼻腔炎や通年性のアレルギー性鼻炎といった慢性的な鼻炎は、呼吸性と末梢神経性の両方にまたがる原因です。

 

また、頭を強く打つと嗅糸の断裂を起こし、脳へと電気信号を伝達することができなくなります。頭を強く打つことによる嗅覚障害は難治性であることが特徴となっています。

スポンサーリンク

匂いが分からないと困る影響

 

危険を察知できない

たとえば、食べ物が腐っているかどうか。見た目や味でも判断は可能ですが、まず臭いを嗅ぐという人も多いのではないでしょうか。

少し傷んでいる程度ならまだ良いのですが、嗅覚障害が起こっていると味も分かりづらくなるため、知らずに食べて食中毒を起こしてしまうということもあります。

 

さらに怖いのはガス漏れに気付かないことです。よく「ガス臭い」と言いますが、都市ガスやプロパンガスは、ガス漏れに気付けるように、わざと悪臭を付けているのです。

気を付けないといけないのは、高齢者の一人暮らし。加齢による嗅覚の老化により、ガス漏れに気付かずコンロに火をつけて、そのまま火事などの災害に巻き込まれてしまうケースも考えられます。

 

味が分からない

テレビなんかで、目隠しをして鼻をつまんだ状態で何を食べたか当てる、というクイズ番組を見たことはありませんか?

実際にやってみると分かると思いますが、私たちは味を感じる時、味覚だけに頼っているわけではありません。目で見る視覚や、においを嗅ぐ嗅覚などを合わせて、初めて味を認識しています。

 

料理の味が分からないと、食事の度に憂鬱になって食欲が落ちてしまいますよね。食事の時間が楽しめなくなることは、私たちの生活にとって大きな損失となってしまいます。

 

リラックスできない

匂いが分からない状態が続くと、常に不安になり、それがストレスとなって身体に不調をきたしてしまいます。また、アロマや花の香りを嗅ぐことが好きだという方にとっても、嗅覚障害は苦痛ですよね。

 

私たちは普段、様々な良い香りを嗅ぐことで癒されている部分があります。匂いが分からないということは、意外と心身にストレスがかかってしまうもののようです。

 

病院での検査や治療は?

 

検査

嗅覚障害においては、匂いが分からないという状態がどの程度なのかを、検査で把握することが重要です。嗅覚レベルを測定する検査は主に2種類。

 

「T&Tオルファクトメーター」は、紙に染み込ませた試薬の匂いを嗅いで、「甘い匂い」「酸っぱい匂い」など、どのような匂いなのかを患者に答えてもらいます。

匂いは5種類、それぞれの強さを変えることで、嗅覚障害のレベルを絞っていきます。

 

「アリナミンテスト」は、アリナミンを含む薬剤を静脈注射するもの。注射すると、ニンニクのような臭いを感じるのですが、その臭いが持続した時間で、嗅覚障害のレベルを判断します。

 

治療

嗅覚障害の治療は、まずは原因となっている病気があれば、その治療から行います。それと並行して処方されることが多いのが「リンデロン液」という薬剤。

 

リンデロン液は、抗炎症作用のあるステロイド剤で、点眼や点耳、点鼻薬などの種類があります。ステロイドの点鼻薬に関しては、使用に少しコツがいるので、薬剤師の服薬指導をしっかり聞いて行うようにしてください。

 

また難治性のものに関しては、漢方薬の服用も効果があります。西洋医学が症状を抑えて治すものなのに対して、漢方医学は根本的な体質改善を目指します。

漢方薬にも副作用などあるので、使用する際は医師や薬剤師に相談するようにしてください。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

スポンサーリンク
   

関連するこちらの記事も読まれています

サブコンテンツ