風邪の治りかけは鼻水や咳で分かる?【サインになる症状一覧】
<監修医師 豊田早苗>
気を付けていても、気候の変化などで体が弱っている時に引きやすい風邪。
発熱、喉の痛み、鼻づまり、頭痛など、どれを取っても風邪の症状はしんどいものばかりです。
この風邪は一体いつ治るのか、気になるところですよね。仕事や学校など休めない環境にある方には切実な疑問だと思います。
そこで今回は風邪の治りかけの症状についてご紹介します。
風邪の治りかけは鼻水や咳でわかる?
風邪の治りかけはある程度鼻水や咳の症状で見分ける事が出来ます。
鼻水の色
体液中には体の外から入って来た異物、例えば菌、ウイルスなどと戦うシステムがあります。鼻水もその人体の防御システムの一つです。
風邪を引いたばかりの時は鼻水も滝の様に流れてきたりする訳ですが、菌と戦っているまっ最中の鼻水は無色透明である事が多いです。
何故なら大量に鼻水を出し、菌やウイルスを追い出す為に頑張っているからなのです。
やがて身体の免疫システムが菌やウイルスに勝ち、風邪も快方に向かうと鼻水もドロドロと黄色っぽくなってきたりします。その正体は「膿」なのです。
膿の中身は菌やウイルスの死骸、菌やウイルスと戦って死んだ白血球などが含まれて色が変わります。
鼻水の色が変わったかな?と思ったら風邪の治りかけの症状でしょう。
ただし、黄色や緑色の鼻水がいつまでも続くようなら他の病気も考えられますので、かかりつけの内科や耳鼻科などの診察を受けましょう。
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咳がとまらない
風邪の引き始めでも咳は出ますが、治りかけの場合も咳は沢山でます。何故かと言うと、風邪が悪化している時は正に喉の粘膜が菌やウイルスに攻撃を受けています。
そのお陰で喉の組織が炎症を起こすので痛み、腫れたりしています。それが風邪の治りかけになると喉の粘膜の修復が活発になります。
喉の異物を押し出す粘膜の動きも良好になると同時に、咽頭や気道内にからまった痰を押し出すために自然と咳が出るようになります。
痰が出て、喉の粘膜も修復すれば自然に止まらなかった咳も静まってくるでしょう。
風邪の治りかけが分かる症状
痰の色
上記でも鼻水の色について述べましたが、痰の色や性状も引き始めと治りかけでは変わってきます。
風邪の引き始めではなかなか痰が出ない事もありますし、痰の色もさらさらと透明だったりします。
喉も菌やウイルスから身体を守るために防御システムがあります。その為、菌やウイルスと戦って死んだ白血球や菌の死骸などが溜まってきます。
鼻から出ずに溜まっていた鼻汁等も痰には含まれています。そのため、黄色っぽくドロドロとした痰になります。
死骸だけでなく、まだ生きた菌やウイルスも含まれていますのでマスクをしたり手洗い、うがいなどを心がけてうつしたり、うつされたりしないように気を付ける必要があります。
もし、緑色の痰が出てきたら不安になりますよね。こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみて下さい。
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熱が下がってくる
熱が上がっている時は身体が菌やウイルスと戦っている時です。免疫機能をONにしていると体温が上がります。
高熱があると病原菌の多くは増殖しにくくなるからです。さらに免疫システムも発熱により活発になります。
やがて体が菌やウイルスに勝つと次第に熱は治まってきます。微熱で少し元気が戻ってきた時などは要注意です。
そこで油断するとふるえ、だるい、寒気、筋肉の痛みがあるかもしれません。
それは再び発熱を起こすサインですので熱が下がりかけの時も無理をせずに休みましょう。
重要!風邪が治りかけの時の過ごし方と注意点
風邪の治りかけで、辛い症状もほぼ治まったら「もう普段通りでもいいかな?」と考えてしまう物だと思います。しかし、無理は良くありません。
少し気を付ける事で風邪を引いた後にぶり返さずに過ごせるコツがあります。以下に上げた注意点などを参考にして風邪を乗り切って元気にお過ごし下さい。
適度な運動ならしても良い
基本的に安静がいいですが、治りかけの場合少し運動した場合、血行が良くなり免疫力が良くなる事もありますので適度な運動ならしてもいいでしょう。
しかし、「適度」といっても人によって違いますから大体の目安としてウォーキングを15~20分がおススメです。
歩いた後は汗をかいたままだと冷えますので、着替えるか、汗を拭きとりましょう。
またウォーキングがしんどい人は39~40℃のお湯に15分程度つかりましょう。抹消の血管を広げて身体を温めて免疫を上げるのが目的です。
ですが、お風呂に入っても湯冷めしてしまっては意味がありません。
部屋や脱衣所などに暖房をつけておくなどの身体を冷やさない準備はしておきましょう。
サウナや温泉も同様です。施設の中がサウナや温泉以外の場所では寒く、湯冷めしてしまう環境なら控えておきましょう。
風邪の治りかけでもうつる
上記でも述べましたが、治りかけに咳が良く出たりします。
その咳や鼻水の中には病原菌やウイルスが入っています。咳をして残りの菌やウイルスを追い払っているのです。
しかし、それが周囲に飛び散ると周りの人に感染する可能性があります。外出するならマスクをして、手洗いうがい等を心がけましょう。
治りかけにお酒を飲むとぶり返す
お酒を飲むとなんだか眠い気がして、すんなり入眠できても睡眠の質が低下してしまうのが飲酒後の睡眠です。
飲酒により火照った身体もアルコールを代謝した後は血行が悪くなり冷えてしまいます。
沢山飲んでしまうとそれだけ体も冷やしてしまいます。また飲酒は肝臓に負担をかける行為でもあります。
体の毒素を分解したりするのが肝臓の役割です。
風邪の菌やウイルスと戦った後に出る毒素を分解する為に、肝臓もフルに頑張っています。
そこでアルコールを飲んでしまうとアルコールも肝臓で分解する訳ですから肝臓が疲れてしまいます。
早く風邪を治すなら、しばらくは飲酒を控えて肝臓をいたわってあげて下さい。風邪を早く治す近道になります。
治りかけに食べるとよい食事
日本人は和食が身体に負担なく消化出来るようになっています。
そこで、風邪などで胃腸が弱っている時などは、特に和食が身体に馴染みやすく、おススメの料理だと言えます。
風邪が治りかけだったり、治ってから数日間の身体は元に戻って来たように感じますが、実は胃腸などは弱ってしまっています。
そこで、しばらくは和食をメインにしたメニューを心がけましょう。
おかゆ、うめぼし、味噌汁、ご飯(玄米も可)、根菜類の煮物などがおススメです。
油もの、揚げ物料理などはしばらく控えるようにすれば胃痛、腹痛の予防にもなります。
食事に気を付けて養生すれば胃腸もスッキリ回復してくれますので、万全の体調へ戻ってくれるでしょう。
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