サラサラな黄色い鼻水が止まらない!原因はこんな危険サイン!
<監修医師 豊田早苗>
鼻をかんだ後に、かんだ鼻水を確認する人が多いと言います。それは、鼻水を見ることで、自分の健康状態を知ることができるからです。
サラサラな黄色い鼻水が表している体の不調は、もしかしたら体からの危険サインかもしれません。
危険サインを察知できるよう、サラサラな黄色い鼻水が出る理由について知っておきましょう。
気になる所から確認してみよう
サラサラな黄色い鼻水が出る原因
花粉症と風邪の症状によるもの
花粉症の時にでる鼻水は「サラサラ」で「透明」です。花粉症のままでは、この鼻水に変化はありません。
季節により鼻水が出たりでなかったりする場合は、花粉症の典型的な症状です。
また、風邪をひくと鼻水は「ネバネバ」で「黄色」になります。風邪をひくと、白血球・ウイルス・菌の死骸がでます。
これらの死骸を体内から排出しようと鼻水がでます。その鼻水は黄色い鼻水です。
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そのため、風邪の鼻水が花粉症様の鼻水に混ざり合い、サラサラな黄色い鼻水が出ることがあります。
サラサラな黄色い鼻水が出たら危険サイン
風邪と花粉症だけでは、よくある症状が重なっただけで、正直危険サインとは思えないですよね。サラサラな黄色い鼻水が出る症状は他にもありました。
蓄膿症(ちくのうしょう)の初期症状
鼻の奥にある副鼻腔。ここが風邪や花粉症、アレルギー性鼻炎などにより炎症が起こります。副鼻腔炎が慢性化すると蓄膿症に悪化します。
鼻炎から蓄膿症への移行時期、つまり初期段階の症状として「サラサラな黄色い鼻水」が止まらなく出てきます。
また頭痛を伴うことが多いです。頭痛を感じ始めた時期と黄色い鼻水が出るときのタイミングが一緒の場合は副鼻腔炎の疑いがあります。
蓄膿症を放置しておくと、悪化し、完治が難しくなります。
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鼻水はどうしてでるのか
そもそもなぜ鼻水が出るのかご説明します。
鼻水は、鼻の内にある鼻腺(びせん)や細胞から分泌された粘液と、血管からでる浸出液が混ざったものです。その役割は3つあります。
吸った空気に湿り気を加え、適度な温度に調節すること
私たちは、何気なく呼吸を行っています。空気を吸って体に取り込みますが、この空気は冷えています。
冷えた空気をそのまま体内に取り込むと、体内の温度が低下。また、内臓の働きも低下するなど、様々な悪影響を及ぼします。
そのため、空気を温めることは病気にならないために、大変必要な働きなのです。
吸った空気に含まれるウイルスや細菌を体の外へ排出する働きです体が異物だと察知すると、鼻水が異物をキャッチし、排出します。
そして最後の役割は、ヒトは1日に約1リットルもの鼻水を分泌しています。常に鼻水を分泌することによって、異物から体を守っています。
鼻水の色が示すもの
一言で鼻水と言いますが、その状態は様々。鼻水にも多様な「色」があるのをご存知ですか?
鼻水の色を知っておけば、鼻水からでる危険サインにも、早く気付くことができそうです。それでは色別にご紹介します。
透明
例えば、熱いラーメンやカレーなどを食べていると、とろ~っと透明な鼻水が出てきた。
こんな経験、誰でもあるはず。このときでてくる透明の鼻水が表すサイン。それは「健康」な状態。
鼻が異物を感じ、その異物を排出しようとしている。つまり、戦う準備をしている状況を表しています。
特に赤ちゃんはよく鼻水を垂らしていますが、これはまさしく体外に異物を排出しようとするはたらきのためです。
黄色
黄色い鼻水が出たときは、異物と戦っている真っ最中!ウイルスが体内に入ると、ウイルスと白血球が戦います。
戦ったあとのウイルスや白血球の死骸が膿になります。この膿が黄色い鼻水の正体です。
「発熱なし」となると風邪ではないような気もしてきますが、鼻汁が出る、息苦しいなどの鼻にまつわる症状の風邪の場合は熱が出ないことが多いので、鼻水の色などで判断するといいでしょう。
また風邪のせいで黄色い鼻水が出る場合、「全身に寒気を感じる」「倦怠感を感じる」といった兆候が身体に現れます。
緑色
風邪などが悪化して、膿がたまると黄色から緑色になります。緑色の鼻水になったら、危険信号です。緑色の鼻水が続くと、蓄膿症の可能性が高いです。
青色
最近は少なくなりましたが、昔は「青っ洟」(あおっぱな)を垂らした子どもを見られました。
この青っ洟は、たんぱく質の摂取が不足すると緑色から青色のような鼻水が大量に分泌されるために、そう呼ばれるようになりました。
色の付いた痰と鼻水の関係
ところで、「鼻水だけではなく痰の症状にも悩んでいる」という方いらっしゃいませんか?
もしかしたらそれは痰ではないかもしれませんよ。
喉にからんで咳き込むと口の外に吐き出されるもの、というイメージが痰にはありますが、鼻水の症状と一緒に出る場合それは鼻水が喉に流れ込んできたものかもしれません。
鼻と喉は身体の内部で繋がっていますので、鼻から排出できなかった鼻水は喉に流れることがあります。これを後鼻漏(こうびろう)といいます。
正しい鼻のかみかた
鼻水が止まらない。鼻が詰まっている。そんなとき、鼻を強くかみすぎていませんか?
この「鼻を強くかむ」ことは、逆に鼻水がでなくなってしまう、逆効果になっている可能性があります。
では、正しい鼻のかみかたはどのようなやり方なのでしょうか?
✅ 1.ティッシュを片手で持つ。
✅ 2. 口から息をたっぷり吸う。
✅ 3. 片方の鼻だけしっかり押さえる。
✅ 4. 小刻みに少しずつ「フッフッ」とかむ。
強くかむと耳などを傷めてしまいます。これで、鼻にやさしいかみかたを取得しましょう。
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鼻水によって、自分の健康状態がわかります。ぜひ、鼻水を確認して、体から出ている危険サインを感じ取ってください。
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