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多臓器不全は危険な疾患!【原因や症状・回復方法を紹介!】

<監修医師 豊田早苗> 

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多臓器不全というと、あまり聞きなれない言葉ではないでしょうか。字面からどのような状態なのか予想はできるものの、あまり身近な言葉に感じませんね。

しかし、実は私たちが日常罹患してしまう病気から、容易に発症してしまう病気でもあるのです。
ここでは多臓器不全とは一体どのようにしてなってしまうのか、治療法や予後を見ていきましょう。

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多臓器不全とはどんな病気?

 

人間には生命を維持するために7つの重要な臓器があります。その7つとは、腎臓、肝臓、心臓、血液系、消化器系、神経系、呼吸器系になります。

 

それぞれとても重要な役割を持っているため、1つでも十分に働かないと健康な生活を送ることはままなりません。これらの臓器が2つ以上働かなくなってしまった状態を多臓器不全といいます。

発症から症状の進行が急激に進むため、突然死を起こすこともある怖い病気です。

 

多臓器不全の5つの原因

 

ではどうして多臓器不全が起こってしまうのでしょうか。ここでは原因について述べていきます。

 

一番多い原因は、感染症の悪化

私たちの体の中は常に無菌状態が保たれています。もし菌が体内に侵入しても、免疫により直ちに対処することが可能です。これは免疫機能が十分に働いているおかげです。

 

しかし何らかの原因で細菌数が爆発的に増えてしまったり、免疫機能に問題が起こると、体の中に菌が侵入して増殖を開始します。

 

菌やウィルスが増えてしまい、全身に蔓延るようになると敗血症と呼ばれる段階になってしまいます。

この状態で何も治療しないとさらに重症化、複数の臓器に多大なる炎症反応が起きるようになります。これが多臓器不全につながるのです。

 

ではどういった経路で菌やウィルスが入り込み、増殖してしまうのでしょうか。敗血症につながる感染には、尿路感染、肺炎、外傷、術後侵襲、腹部内感染が特に多いとされる感染経路です。

 

飲酒や喫煙も原因になります

過度な飲酒や喫煙を続けると、膵炎から多臓器不全を起こすリスクがあります。

 

膵臓は普段、私達が食べた食物を溶かすために、消化液を作る仕事をしています。膵炎になるとこの消化液を必要以上に作りだしてしまうため、余った消化液で自分自身の体の粘膜や細胞を溶かしてしまうのです。

そうなると溶かされた部位に炎症反応が起こり始め、結果として多臓器不全を合併してしまうことがあるのです。

 

膵炎はアルコールを多量に飲んでいる人や、喫煙者に多く発症する病気です。また、胆石や胆嚢炎が原因となる場合もあります。

 

傷が原因になることも

出血を伴う大きな傷は、菌やウィルスが体内に侵入する経路を作ることになります。傷を負った部位に強い菌やウィルスが付着したままにしていると、そのまま体内に侵入し敗血症を起こすことになります。

 

特に免疫機能が低下している状態の時などは起こしやすいといえるでしょう。

 

人為的な操作による傷は、手術などがそれにあたります。どんなに清潔に気を使っても、患者側の免疫が低下している状態では院内の菌やウィルスに負けてしまうこともあります。

術後に敗血症にかかることが多いのは、このためです。

 

治療による免疫低下からの発症

敗血症の原因に菌の増殖と免疫機能の低下があるとしましたが、免疫低下を起こす原因は様々です。健康な人であれば免疫低下を起こすことはまずありません。

しかし、極度の疲労や栄養失調から免疫低下状態になると、菌やウィルスに感染しやすく撃退しにくい状態になってしまうことがあります。

 

またガンの治療の一環として抗がん剤治療を行っている人も免疫低下を起こすことがあります。そのため抗ガン治療を行っている人は特に注意を払わなければなりません。

 

ひどい便秘から起こることも

慢性的にひどい便秘に悩んでいる人も注意が必要です。便秘は腸内に便が多量に貯留した状態ですが、放置しておくと腸閉塞、消化管穿孔という病気になることがあります。

 

腸閉塞は、腸が詰まり便の通り道がなくなってしまう病気です。治療は症状によって様々ですが、ひどい場合には手術を行うこともあります。

 

またひどい便秘の後に安易に浣腸をすることで消化管穿孔を起こすことがあります。穿孔すると腸に穴があいてしまい便や腸内細菌が血液中に多量に漏出することになります。

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多臓器不全の主な症状はコレ!

 

多臓器不全に陥るには、まず原因となるものがあります。敗血症、膵炎、心不全からの低血圧など様々ですが、今回は特に多いとされる敗血症から起こす多臓器不全の経路をまとめました。

 

最初は強い寒気、震え、高熱

敗血症を起こすと、まず自覚するのが強い寒気や震えです。特徴としては鎮痛剤や鎮静剤が効きにくく、どんなに体を温めても寒気が収まらない事があります。

加えて強い震えがでることがあり、唇や爪が青くなってくる場合もあります。

 

しばらくすると寒気や震えは自然に止まりますが、その後かなりの高熱が出ていることがあります。

傾向としては、ずっと高熱が出ているのではなく「寒気と震えの時期」「高熱」を何度も繰り返すような状態になってきます。場合によっては同時に起こることもあります。

 

頻脈、呼吸回数の上昇

体の中に侵入した細菌やウィルスは毒素を作りはじめます。この毒素が影響して、体の中の臓器機能を徐々に低下させます。

具体的にあげると肺機能や肝機能、腎機能、心機能といった生命維持に必要な機能です。体はそれに抵抗しようと、酸素や栄養をいつも以上に消費しながら頑張ろうとします。

 

その結果、頻脈や呼吸回数の上昇などの症状が現れます。

 

尿量の変化と心不全、血圧低下

さらに症状が進んでくると、腎不全や心不全の状態になってきます。こうなると尿量が徐々に減少していき、全く尿が産生されない状態になります。

心臓が障害されると重度の不整脈や血圧低下からショック状態になり、失神や錯乱状態になることもあります。

 

肝臓まで進むと…黄疸や痒み、粘膜からの出血

敗血症が重篤化すると、肝機能障害が起こります。肝臓に障害が起こると、黄疸や全身の痒み、粘膜系からの出血が起こります。

 

黄疸は全身に黄色みがかかってくる症状です。初期では皮膚が黄色くなりますが、進んでくると眼球の白い部分が黄色くなってきます。

 

出血傾向が強くなってくると鼻血や下血、吐血、血尿といった症状が出ます。特に出血しやすいのは、食物や便の通り道である消化管出血です。

また便をいきんだり、重いものを持ち上げる時などに、急な血圧上昇を起こすと鼻血を出すこともあります。

 

肝機能障害が重篤化すると肝性脳症という症状を起こすことがあります。こうなると意識障害を起こした後に、両手を羽ばたくように震えさせる「羽ばたき振戦」という症状が出ることがあります。

 

出血が止まりにくくなる

体内の免疫機能の中には、いきすぎると逆効果を招くものがあります。それがサイトカインという物質です。

少量ならば体内の免疫機能に良い影響を与えますが、出しすぎると正常な部位にも炎症に似たような症状を引き起こす物質なのです。

 

悪い作用の一例として、血液循環量不足やDICという病気を起こしてしまい、呼吸困難や血液が固まりにくくなってしまいます。ひどい場合には人工呼吸器を使ったり、輸血が必要になります。

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多臓器不全の治療法を知って早期に回復!

 

多臓器不全は、敗血症のほかにも膵炎、手術、外傷なども要因になりえます。

これらは細菌やウィルスに関係なく全身に炎症を起こす疾患であるため、SIRS「全身性炎症症候群」と呼ばれ分別されています。治療は原因となる疾患を探すことから始まります。

 

注意しなければいけないのは、多臓器不全が起こっている状態はすでに重体であり、生命の危機状態にあります。早期に入院治療を開始しなければなりません。

そのため障害部位によっては人工呼吸器や、点滴による薬物投与、手術、透析療法を併用していきます。また一般病棟では管理が難しいため、ICUといった高度医療を提供する場所での入院になります。

 

入院期間は障害の程度によりますが、1か月以上かかることが多いようです。その間は寝たきりで過ごすことになるため、治療後はリハビリを開始することもあります。

 

多臓器不全の予防方法とは?

 

では日頃からどのような点に気を付ければよいのでしょうか。日常生活で注意すべき点をあげてみました。

 

免疫力を高めて自然治癒力向上

感染を引き起こす細菌やウィルスは至る所に存在しています。もし体内に侵入してきても、それに負けない体作りが大切です。

 

不摂生やストレスは自律神経の働きを狂わせ、免疫機能を低下させます。適度な運動とバランスのよい食事、良質で規則的な睡眠をするように心がけ免疫力を高めていきましょう。

 

血液量アップで免疫力アップ!

免疫力を下げるものの一つに、血液量不足があります。健康診断や献血で貧血の指摘をうけたことはありませんか。貧血は慢性的な血液量不足にあたります。

 

血液量が不足していると、低血圧から疲労が長引いたり冷え性を悪化させることがあります。強いては免疫力を下げることにつながるようです。

 

そうならないためにも食事は腹八分目を心がけ、空腹時間を作るようにしましょう。また、食事に良質なたんぱく質をとることを忘れてはいけません。

 

足は第二の心臓

下半身の中でも、特に足は第二の心臓と呼ばれるほど重要な部分です。人間の体は日中活動している間は、血液や水分が下に溜まりやすい傾向にあります。

 

これを上半身に戻す役割をするのが足です。足の筋肉量が少ないと十分な量を返すことができません。血液がうまく戻らないと疲労、むくみ、だるさ、血圧低下などを起こすことがあります。

 

もしこれらの症状に悩んでいる人は、ウォーキングやジョギング、踏み台昇降などを日常の生活に取り入れて、筋力アップに努めましょう。

 

体の不調はほっとかない

いくら健康に気を付けていても、ふとした拍子に体調不調を感じることがあります。

特に長引く熱や咳、排尿時の違和感などを感じたら、早い段階で病院にかかるようにしましょう。初期の頃であれば抗生物質の内服で十分なことがあります。早めの治療を心がけましょう。

 

飲酒喫煙は適度に

過度な飲酒と喫煙は膵炎の原因となってしまいます。また体の抵抗力を下げることもわかっているため、その他の感染症にもかかりやすくなってしまいます。

 

禁酒禁煙とまではいかなくても、適度な量を守るようにしましょう。

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怖い多臓器不全!生存率はどのくらい?

 

多臓器不全は複数の臓器が機能しなくなった状態です。最低でも2つ以上の障害をいいますが、障害の進行状況によって生存率は大きく下がっていきます。

 

もし全ての臓器が障害された状態では、生存率は限りなく0%に近くなってしまうようです。逆に早期発見・早期治療ができ、障害された臓器が2つ以内であれば死亡率は0%に近くなります。

 

一例では、障害臓器が3つ以下では生存率が100%だが、4つから上は1つ増える度に急激に死亡率が上昇していくという報告もあります。

大切なのは日ごろから予防に気を付ける事です。もし自覚症状を感じたら、必ず専門医に早期診断を受け治療を開始しましょう。

 

参考文献

上林 純一「敗血症患者にみられる多臓器不全(MOF)の治療と展望」(大阪大学、『多臓器不全(MOF)治療の現況と未来』学術集会)

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