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廃用性症候群に要注意!【リハビリによる改善方法をしっかり解説!】

<監修医師 まっちゃん>

膝痛い

現在、日本人のほとんどの人が腰痛や膝痛など何らかの関節痛を抱えながら生活していると言われています。

節々の痛みがあると「外出や家事、身体を動かすことが億劫」と感じ、ついつい身体を動かさない時間が長くなってしまいます。

 

今回ご紹介する廃用性症候群(別名、生活不活発病)とは言葉こそ馴染みはなくとも、読み進めていただければ過度の安静によって様々なデメリットがあるということに改めて気付かされます。

身体以外にも起こるデメリットとは何か、廃用性症候群の改善方法についても説明します。

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廃用性症候群とは?

 

ケガや病気などで入院となったとき、病状に応じて安静を保つことは治療上必要なことです。

しかし入院が長期間に及んだとき、ケガや病気そのものは治癒しても「歩けなくなった」、「歩くと膝が痛い」というケースはしばしば目にします。

 

実は、私たちの筋力は1週間寝たきり状態が続くと20%も低下してしまいます。これらの歩行困難や膝痛といった症状は、筋力低下や関節の動きが悪くなることによって起こります。

 

このように、「長期間の安静や活動量の低下によって引き起こされる様々な症状のこと」廃用性症候群と言い、最近では生活不活発病とも呼ばれます。

後述しますが、この様々な症状とは、筋肉の衰えなど身体能力の低下に留まらず、抑うつ状態になるなど精神状態にも悪影響を及ぼします。

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廃用性症候群になるとこんなところに影響がある

 

ここでは、長期間体を動かさないことによってどのような影響があるのかを説明します。影響は多岐に渡りますが、ポイントは「悪循環」ということです。

 

廃用性症候群によって起こる筋骨格系への影響

まず過度な安静によって筋骨格系(筋肉や関節)への影響があります。

 

例えば、足を骨折してギブス固定され、固定を解除されたときには左右の足の太さが変わってしまうことがあります。

これは、折れた骨とその周辺の筋肉を安静にするため、筋力の低下が起こるからです。1週間で衰えた筋力を元の状態に戻すのに、1ヶ月はかかると言われています。

 

また、折れた骨をくっつけるためには、折れた骨の両端の2関節も一緒に固定する必要があります。そのため、ギブス固定をすると筋肉だけでなく関節も動かさないため、関節が凝り固まってしまいます。

 

廃用性症候群によって起こる血液系への影響

寝たきりの期間が長くなると、私たちの血液にも悪影響を及ぼします。

 

血液は赤血球、白血球、血小板などの血球成分(血液を遠心分離にかけると、下にたまるもの)と、血漿(上澄み)という液体成分で構成されています。

2週間寝たきりの状態が続くと10%前後も血漿が減ってしまい、血液中の血球成分の濃度が高まるため、ドロドロ血液の状態になります。

 

ドロドロ血液では血栓という血の塊ができやすく、血管が詰まりやすくなります。

 

廃用性症候群によって起こる循環器系への影響

廃用性症候群は心臓などの循環器系にも影響を及ぼします。

 

心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしています。運動を行うと全身でより多くの血液が必要となるため、ポンプは活発に働きますが、反対に寝たきりの期間が長くなるとその機能は衰えていきます。

この心臓のポンプ機能の衰えが心機能低下です。

 

ポンプ機能の衰えは心臓ばかりではありません。足が第2の心臓と呼ばれることがあるのは、下肢の血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしているからです。

下肢の筋力低下が起こると、心臓と同様に足のポンプ機能も低下します。すると心臓に戻る血液が減少するため、血圧が下がります。

 

廃用性症候群によって起こるその他の影響

その他にも、寝たきりの状態が続くと、筋力低下や血流量の低下が原因となり、呼吸器系、消化器系、泌尿器系、内分泌系など全身の様々な器官に悪影響が出ます。影響によるそれぞれの症状は後述します。

 

廃用性症候群によって起こる精神状態への影響

さらに、廃用症候群の影響は身体だけに留まりません。

寝たきり期間が長くなると、外からの刺激が少なくなるため、意欲の低下など精神面への悪影響もあります。これについても詳しい症状については後述します。

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廃用性症候群の様々な症状

 

「見出し2」で廃用性症候群が起こると、悪循環になって全身に様々な影響が出ることが分かったかと思います。ここでは具体的な症状について説明します。

 

廃用性症候群による運動器障害

筋骨格系の症状は筋萎縮、関節拘縮、廃用性骨萎縮があります。萎縮とは細くなったり、衰えたりするということです。したがって、筋萎縮とは筋肉が痩せ衰えることです。

 

廃用性骨萎縮とは、活動性が低下することによって骨がもろくなり(骨粗しょう症)、折れやすくなります。関節拘縮とは可動域(動く範囲のこと)が狭まり、凝り固まってしまうことです。

 

廃用性症候群による循環・呼吸器障害

循環器系の症状は起立性低血圧、血栓症などがあります。廃用性症候群によって心機能低下を招くことは「見出し2」で触れました。

心機能が低下すると起立性低血圧(いわゆる立ちくらみ)が起こります。これは、心臓が脳に送り出す血液量が低下することで、一時的に脳が酸欠状態(脳貧血)となるためです。

 

起立性低血圧になると、めまい、動悸、頭痛などが起こり、ひどい場合は意識を失ってしまうため注意が必要です。

 

廃用性症候群によって血栓ができやすくなることについても触れました。血栓が肺に詰まった状態を肺塞栓症(エコノミー症候群とも呼ばれます)と言います。

 

また、呼吸器系の疾患としては誤嚥性肺炎などがあります。誤嚥性肺炎とは、筋力低下によって飲み込む力が衰え、誤って気管に食物が入って起こる肺炎のことを言います。

 

廃用性症候群による泌尿器障害

廃用性症候群になると尿路結石尿路感染症を起こしやすくなります。

これは、寝たきり期間が長くなると、骨量が減少することで血液中のカルシウム濃度が高くなります(電解質異常)。

すると体はカルシウム濃度のバランスをとろうとし、尿中に排出されるカルシウムが増え、尿路結石ができやすくなるためです。

 

結石が膀胱内にできると膀胱結石と呼ばれますが、膀胱結石は膀胱粘膜を損傷して、細菌の繁殖によって尿路感染が起こりやすくなります。

 

廃用性症候群による精神障害

寝たきりによって活動量が低下して刺激が減少すると、脳の機能低下が起こり、様々な精神症状が出ます。

すると意欲(やる気)の低下、感情鈍麻(どんま)、抑うつ状態などの症状が起こり、認知症に進行することがあります。これを廃用性認知症と呼びます。

 

また、時間や場所などが分からなくなる見当識障害、頭が混乱した状態となるせん妄などの症状もあります。

特にせん妄の場合は、興奮状態になると家族の顔も分からなくなったりするため、家族も驚き混乱することが少なくありません。

 

廃用性症候群によるその他の障害

ここまで挙げてきた症状の他にも、活動量の低下によってむくみ、便秘、褥瘡(床ずれ)などが起こりやすくなります。

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廃用性症候群の原因はコレだ

 

ここでは廃用性症候群がなぜ起こるのかについて、身体的要因、心的要因、社会的要因に分けて説明します。

 

身体的要因

身体的要因は痛み、加齢などです。痛みがあると動かなくなり(活動性の低下)、廃用性症候群の悪循環に陥ります。

また、高齢者は加齢によって筋力が低下するため、廃用性症候群のリスクが高くなります。

 

心的要因

心的要因とは、廃用性症候群の原因が精神的なものによる場合です。動くことに対してやる気がない(意欲低下)、消極的・依存的な態度・性格であったりする場合がこれに当たります。

 

社会的要因

家族や友人を失うと孤立感喪失感から、家に閉じこもりがちになることがあります。こうして活動量が低下してしまうことも廃用性症候群の原因となります。

 

廃用性症候群を改善する方法とは

 

改善方法①~運動療法~

廃用性症候群を予防・改善するためには身体能力が低下しないよう、体を動かすことが大切です。

そこで医療現場ではリハビリが行われます。「リハビリのポイントは抗重力筋を鍛え、抗重力位をとること」です。

 

抗重力筋とは、地球に重力があるために特に意識しなくても緊張を強いられる筋肉のことを言い、脊柱起立筋(背筋)、腹直筋(腹筋)臀筋(おしりの筋肉)、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)があります。

抗重力位とは、座位や立位など重力に対抗する姿勢のことを言います。

 

廃用性症候群が軽度で、関節拘縮や筋萎縮がない場合は、エルゴメーター(自転車のようなもの)やトレッドミル(ウォーキングできる機器)を使用して、歩行練習や動作訓練を行います。

これによって心肺機能の強化、筋力の維持・向上を図ります。

 

関節拘縮がある場合は、ストレッチを行います。ストレッチは単に筋肉の柔軟性を向上させるだけでなく、筋肉や関節の様々な障害を予防します。

さらにリラクゼーション効果もあり、筋肉と精神面の両方のストレスを取り除くことができます。

 

改善方法②~食事療法~

上記のような運動療法と合わせて重要なのが食事療法です。

活動量が低下すると食欲不振や腸管の機能低下が起こり、体重が減少してしまうため、食事によって栄養状態を維持・改善することが重要です。バランスの取れた食事を口から摂ることがポイントです。

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リハビリで重要な運動を紹介

 

廃用性症候群の改善のために抗重力筋を鍛えることが重要であることは「見出し5」で述べました。ここでは、具体的な抗重力筋のトレーニング方法について説明します。

これらのリハビリの前に血圧、脈拍、体温などのバイタルサインが安定しているか確認が必要です。

ポイントはゆっくりと反動をつけず、呼吸は止めずに行うことです。呼吸を止めると血圧が上がってしまうためです。

 

臀筋・背筋トレーニング

①仰向けで両膝を曲げ(足は肩幅程度に開いて)、②おしりと膝に力を入れて、お尻を持ち上げ、③ゆっくりお尻を下ろします。

 

腹筋トレーニング

①仰向けで両膝を曲げ(足は肩幅程度に開いて)、②腹部に両手を置いて、おへそを覗くようなイメージで頭を起こし、③ゆっくり頭を元に戻します。

 

大腿四頭筋トレーニング

①仰向けで右足の膝を曲げ、左足はまっすぐ伸ばし、②左足だけゆっくり右膝の高さまで上げて、③ゆっくり左足を下ろします。(※反対の足も同様に行います。)

 

大殿筋トレーニング

①両膝を曲げて横向きに寝て、②上側になっている足をゆっくり開き(このときお尻が後ろに下がらないように注意します)、③足をゆっくり下ろします。(※反対の足も同様に行います。)

 

中殿筋トレーニング

①両膝を曲げて横向きに寝て、②上側になっている方の足を、膝を伸ばした状態で天井に向かって上げ、③ゆっくり下ろします。(※反対の足も同様に行います。)

 

内転筋トレーニング

①仰向けで膝を曲げ、②膝にクッション(ボールなどでも可)を挟んで、両膝で挟み込み、③膝の力を抜きます。

 

※以上のような単純動作を10回ずつ行い、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。(1回の動作につき、10秒近くかけてゆっくり行います。)

普段の生活において運動不足を感じている方や高齢の方は、廃用性症候群(生活不活発病)を予防するために、積極的にこれらの運動を行いましょう。

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