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心電図を読んで異常や原因を発見!【心電図の種類も紹介!】

<監修医師 豊田早苗>

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健康診断などで「心電図検査」を受けた事がある方は多いのではないでしょうか。

 

心電図検査を受ける事で心臓に異常が無いかを検査している事くらいは分かるかもしれませんが、心電図検査の内容などまでは素人は分からないでしょう。

しかしながら、心電図の基礎知識等を得る事で私達にも分かる事があります。

 

今回は心電図検査について、お話ししていきましょう。

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心電図の基礎知識

 

心電図とは心臓の電気的刺激を図に表したものになります。

心臓の活動に伴う心筋の活動電位・電流を心電計でとらえて記録したものです。不整脈や心臓病などの心疾患がある場合などには特有の波形が出て、病気の診断には必要な情報となります。

 

心電図は2種類。用途によって使い分ける!

 

心電図には主に2種類があり、用途によって使い分けます。2種類の心電図について詳しく見ていきましょう。

 

標準12誘導心電図

標準12誘導心電図は10個の電極を身体に着けて、心臓に流れている電気の流れを12の方向から(これを12誘導といいます。)測定するものです。

 

10個の電極はそれぞれ四肢に1つずつ(四肢誘導)、胸部に6個の電極(胸部誘導)を装着し、患者さんに寝てもらった安静状態で、10~20秒間測定します。

 

この標準12誘導心電図は心電図の基本であり、心臓の病気や異常を一早く知る為に不可欠な検査です。特に虚血性の心疾患などの詳細な判定に有利です。

 

しかしながら、この検査のデメリットとしては身体のあらゆるところに電極を装着し、患者さんの安静状態が必要になる為、24時間1日中といった連続した心臓の動きを検査するのには不向きです。

また不整脈などを感知して、警戒音を鳴らす事なども出来ない検査になっています。

 

モニター心電図(3点誘導)

モニター心電図は胸部に3つの電極を装着し、3点誘導で測定する検査です。

主に患者さんのベッドサイドやナースステーション、手術室などで良く見かける事が出来る心電図になります。

 

標準12誘導心電図とは異なり、少ない電極数や患者さんが安静状態でなくても、24時間連続して心電図波形を計測する事が可能で、リアルタイムで心臓の異常の早期発見、治療に役立ちます

 

またアラーム設定を行う事で、心臓の突発的な異常、不整脈などを自動的に警戒音で知らしてくれます。ただし更に詳細な心臓の状態を知る為には標準12誘導心電図と併用して、検査をする必要があります。

 

現在のモニター心電図のほとんどはマルチモニターと言われ、心電図の波形だけが表示されるのではなく、血圧、呼吸数、体温などを一緒に見る事が出来ます。

モニター心電図は使用する場所により、いくつかの種類があります。

✅ ベッドサイドモニター・・患者さんのベッドサイドに設置。

✅ セントラルモニター・・ナースステーションなどに設置し、複数の患者さんのベッドサイドモニターの情報を一括して見る事が可能。

✅ 移動時用モニター・・患者さんが移動する時にベッドなどに吊り下げて使用。

といった、様々な物があります。

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心電図から心臓の状況を読み解く

 

心電図の種類についてお話ししていきましたが、心電図から心臓の状況を読み解く事が可能です。次にどのようにして見ていくのかをお話ししていきます。

 

心電図とは心臓の電気的活動を身体の表面から波形として記録しているものになります。正常な心電図の波形は主に4つの波形から成り立っています。4つの波形を詳しくみていきましょう。

 

1.P波

心電図の始まりの小さな波。正常な心拍では一番初めに始まる刺激であり、心房の興奮を表すものです。

心臓の刺激は右心房の一番右上にある洞結節という部分から発生し、それが右心房を興奮させ、それに続いて左心房を興奮させます。

その為、P波の最初の1/3は右心房の興奮、中間の1/3は右心房と左心房の両方の興奮、最後の1/3は左心房の興奮を表している事になります。

 

つまり、右心房に異常があれば最初の1/3に、左心房に異常があれば後の1/3に変化が見られ、P波の形に谷が出来たりします。

またP波の幅は0.12秒、波形の長さにして3mm以内が正常とされており、これ以上の場合には心房に負荷がかかっている事になります。

 

2.QRS波

P波に続く、尖った大きな波になります。心房の刺激が刺激伝導系を通って、心室が興奮した時に起こる波形です。

最初の下向きの波形がQ波、それに続く大きな山をR波、その後ろに続く下向きの波がS波でこの3つの波を合わせてQRS波と呼びます。

 

QRS波の幅は0.06~0.10秒、波形の長さにして2.5mm以内が正常とされており、R波の高さが25mm、S波の深さが25mmまでの波形が正常範囲内になります。

 

3.T波

QRS波に続く、なだらかな波になります。心室が興奮から覚めていく過程を表す波になります。

 

T波が異常を表す原因としては、左室肥大、心筋梗塞、電解質異常(T波の高い:高カリウム血症、T波が低い:低カリウム血症)があります。

T波の幅の基準は0.10~0.25秒になり、高さはR波の1/10以上とされています。

 

4.U波

T波の後に起こる、とても小さな最後の波がある場合があります。

これをU波といいますが、心室が興奮から覚めていく終わりの部分やプルキンエ線維の興奮を表すなどとされていますが、このU波に関しては未だはっきりとは解明されていません。

モニター心電図でもはっきりと見る事は出来ませんが、U波の基準としては0.16~0.25秒とされています。

 

この4つの波形が繰り返され、1回の心臓の収縮と拡張を表し、1つの心拍となります。

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心電図に異常発見!こんな病気の可能性に注意して

 

心電図の波形についてお話ししてきましたが、心電図の波の間隔を読み取る事で、異常がある場合には病気の可能性が指摘されます。

この心電図の波の間隔と共に、次は考えられる病気の可能性についてお話ししていきましょう。

 

PQ時間

P波の始まりからQ波までの時間を言います。洞結節から心房、心室結節を通過して心室に伝わるまでの時間を指し、PQ時間の正常範囲は0.12~0.20秒であり、これ以上になると1度房室ブロックとなります。

 

QT時間

Q波の終わりからT波の開始までの時間を言います。心室の興奮開始から終わりまでの時間を示し、QT時間は心拍数によって変化しますので、心拍数で修正した値で見る必要があります。

そうした値のQT時間の基準は0.30~0.45秒になります。

 

QT時間が長くなる原因として、低カリウム血症、低マグネシウム血症、低カルシウム血症などの電解質異常や薬剤性のもの、先天性のQT延長症候群があります。

先天性QT延長症候群の場合には心室細動が起こりやすいので注意が必要になります。

 

ST部分

QRS波の終わりからT波が始まるまでの部分を言います。電気的に安定している箇所なので、正常な場合には基線と一致しますが、不安定な場合には基線から上下にずれが生じます。

 

ST部分の上昇は急性心筋梗塞、急性心膜炎、逆にST部分の低下は狭心症や左室肥大が原因とされています。これに関してはモニター心電図での判別は困難であり、標準12誘導心電図において判定する必要があります。

 

心電図から読み取れる波形、それに続く間隔に異常がある場合には様々な心臓の異常を知る事が出来るのです。

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心電図に異常が発見されたら自覚症状を見逃さないで

 

心電図に異常が見られた場合には自覚症状がある場合とない場合があります。

 

自覚症状がある場合の症状について見ていくと、不整脈が起こる事によって、血圧が十分に上がらなくなる事で十分な血液を送る事が出来なくなり、「めまい」などの症状が出る事があります。

また脈が遅くなる事で「意識喪失・失神、息切れ」などが出ます。

逆に脈が速くなる事で「動悸、吐き気や冷や汗、意識喪失」などが現れます。また、胸の不快感や痛みなども出る事がありますが、これに関しては短い時間で治まる事がほとんどのようです。

自覚症状で出ている場合にはかかりつけの医師に相談し、治療を行うようにしましょう。

 

心電図で心臓病診断以外にもわかることがある!

 

心電図を読み解く事で心臓の異常を見る事が出来る事をお話ししていきましたが、心電図の異常によって他にも分かる事が実はあります。

 

心臓の血管に関する異常

心臓に繋がる肺動脈や大動脈などの血管の狭窄など、血管の異常が心電図により分かります。

 

頻脈になる事で分かる異常

心電図において頻脈になる場合は発熱、貧血、甲状腺機能亢進症などの可能性が挙げられます。

 

心臓の大きさや形

心臓の大きさや形を心電図で見る事によって、形状異常かどうかを判断出来ます。また心電図の波形の異常からは電解質異常かどうかを知る事も出来ます。

心臓の病気を知る以外の判断材料にする事も可能であり、異常がある場合には他の詳しい検査を受ける事が必要になります。

 

いかがでしたか。心電図検査を受けた際にモニター画面が見えた際、心電図を少し自分で読み解いて見るのも良いかもしれませんね。

また心電図の異常は心臓の異常だけでなうく、ストレスや寝不足、過度の飲酒や喫煙などによっても異常を表す場合もあります

心当たりのある方は少し意識して、自分で生活を見直す事も大切です。自分自身の健康の為にも、心電図検査を定期的に受けてみてはいかがでしょうか。

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