肋骨が出て太って見える!【片方だけなら病気が原因かも】
<監修医師 豊田早苗>
体重はそんなに太っていないのに、なぜか肋骨が出て太って見えるとお悩みをお持ちの方も多い事と思います。
肋骨が出て見える原因には、痩せすぎや姿勢の悪さ、また内臓疾患が隠れている可能性もあります。
そこで今回は肋骨の役割や、肋骨が出て見える病気や症状、どのような病気があるのか詳しく解説いたします。
また自分でお手軽に出来るセルフケア方法についてもご紹介いたします。
気になる所から確認してみよう
肋骨ってどんな役割があるの?
人間の身体にある肋骨は両側を合わせて全部で24本、片側12本ずつの骨があります。肋骨の働きとして、胸部の内臓を保護する役割を持ち、肺や心臓、肝臓を守っています。
また呼吸をする時にも肋骨には大きな役割があり、肋骨と肋骨の間が広がる事で、吸気(息を吸った時)に肺に空気を吸い込む事が出来ます。
逆に、呼気(息を吐いた時)には、肋骨と肋骨の間が狭くなる事で息を吐けるのです。
また肋骨は骨折しやすい骨で、疲労骨折等が起きやすい骨です。かつそれぞれが細い骨である事から衝撃に弱いものです。
ただし、肋骨は外からの衝撃から内臓を守る役割を持っている為、骨折をしても内臓へのダメージが少なくて済むという面もあります。
人間の身体にとって、肋骨の働きは非常に重要なものです。そして、肋骨は背骨や胸骨にも繋がっており、肋骨の歪みは骨盤の歪みとも連動しているのです。
身体を支える働きや内臓を保護する働き、呼吸に関する働き、肋骨は非常に大事な役割を持っているのです。
肋骨が出ている3つの原因
次に肋骨が出ている原因についてです。骨格が歪んでいる可能性もあり、全身に悪影響を及ぼす可能性もあります。詳しく見ていきましょう。
痩せすぎ
無理なダイエットをしている若い女性等は肋骨が出て見える事が多いです。
スレンダーなモデルさんや女優さんが多い近年、無理な食事制限をしている方も多く見受けられます。
ですが、かえって肋骨が開いてしまったり、肋骨や骨盤の歪みに繋がるとスタイルが悪く見えてしまう場合もあります。健康的なスタイルを目指しましょう。
姿勢
そして肋骨の歪みに繋がる1番の原因は、姿勢の悪さです。普段から猫背や反り腰の姿勢を取っている事で、肋骨に負担がかかり歪みが生じます。
それが続く事により、肋骨が開き、内臓が下がってしまったり、寸胴体型となり、ぽっこり下腹になってしまったりと、全身に様々な影響を及ぼします。
病気
肋骨が出ている原因には病気が関係している可能性もあります。ティーツェ病という病気があり、上部肋骨軟骨に腫れ・疼痛・圧痛の症状が現れる病気です。
女性に発症する事が多いですが、子供や高齢者に発症する事もある病気です。原因は不明で、腫れや痛みが長引く事が特徴的です。数週間で治まる方もいれば、数年と腫れや痛みが続く事もあります。
肋骨が出ている原因第1位は肋骨が開いている
肋骨が出ている原因として、1番に肋骨が開いている事があげられます。肋骨が開いている事によって、身体にどのような影響があるのか解説いたします。
過食症
肋骨が開いてしまう事で過食症になる場合が多いです。
肋骨が通常胃を抑えて満腹感を感じる働きをしているのですが、肋骨が開いている事によって、満腹感を感じなくなり、まだまだ食べれると思い込み過食症に陥ってしまいます。
過食症により、肥満となってしまいます。
胃下垂・内臓機能低下
姿勢の悪さ等で肋骨の歪みが起こると、胃下垂を引き起こします。胃が下に下がってしまい、下腹が出てしまう事が特徴的です。
また症状として食欲不振や胃痛・吐き気・胃もたれ・便秘・下痢等が現れます。
胃が下がってしまっている為、ぽっこりお腹に見えてしまい、太って見えてしまうのです。
さらに胃が下がる事で腸や他の内臓も圧迫してしまい、圧迫感だけでなく、内臓機能低下を引き起こしてしまいます。
片側だけ肋骨が出ているのは病気のサインかも
左右の肋骨が出ている場合だけでなく、片側だけ肋骨が出ていると不安ですよね。肋骨の下にはいくつもの内臓があり、肋骨は保護をする役割を持っています。
片側だけ肋骨が出ている場合には、中の内臓に何らかの病変が起きている可能性があるのです。内臓に何か病気が隠れている場合はすぐに病院に行かなければなりません。
どんな病気があるのか見ていきましょう。
脾臓・膵臓・大腸・小腸
左側だけ肋骨が出ている場合が非常に多く見られます。左側の肋骨の下にある内臓である脾臓・膵臓・大腸・小腸等が炎症を起こしたり、病気によって内臓肥大を起こしている可能性があります。
特に脾臓と胃は肥大を起こしやすいので注意が必要です。脾臓も通常の大きさの数倍にもなり、周囲の臓器を圧迫します。
片側の肋骨が出ていると感じたら、まずは医師にご相談ください。
膵臓・胆のう・肝臓・盲腸
右側の肋骨の下にある内臓は、膵臓・胆のう・肝臓・盲腸です。
右側だけの肋骨に痛みや腫れを感じた場合には、これらの内臓に何らかの病気が潜んでいる可能性がありますので、病院を受診してください。
肝炎・急性肝炎・肝機能障害・肝硬変
肝臓は右側の肋骨の下にあります。急性肝炎は、ウイルスで肝臓に炎症を起こし、肝機能障害を引き起こします。
右側の肋骨の痛み・不快感・発熱・吐き気等の症状が現れます。
ですが、肝臓は沈黙の臓器とも言われており、早期発見がなかなか難しいものです。少しでも異常を感じたら、すぐに病院を受診してください。
結核・気胸・肺炎
肺は左右にありますが、どちらかの肺が病気にかかると肋骨も片側だけが痛みます。
気胸とは、肺に穴が開いてしまう事で胸腔に肺から漏れ出た空気が入る病気で、片側だけに発症する事が多い病気です。症状としては動悸・呼吸困難等です。
また細菌感染による肺炎や、結核により肋骨に痛みや腫れが出ている可能性もあります。
肋骨は肺疾患により腫れや痛みを生じる事も多いので、少しでも異常を感じたらすぐに病院を受診してください。
白血病
白血病には骨痛という症状があり、胸椎・腰椎・骨盤・肋骨等に痛みが現れる事があります。また症状として肝臓や脾臓の腫れ等も現れる為、肋骨が片側だけ腫れる事もあります。
ですが、白血病の症状はそれだけではなく、発熱・倦怠感・動悸・息切れ・内出血・頭痛・吐き気・嘔吐・顔面蒼白等、様々な症状が現れます。
そして白血病は、採血ですぐに白血病かどうか調べる事も出来ますので、まずは病院を受診してください。
胃潰瘍
胃は左側の肋骨の下にあり、肋骨の1番下の方に位置しています。
胃潰瘍により、胃痛・腹痛・胃痙攣・下痢・吐き気・食欲不振・胃もたれ等の症状が現れ、左側の肋骨周辺にも痛みが広がります。ひどくなる前に病院で治療を受けましょう。
2つの症状が併発しているのは脾臓の悲鳴!早めの受診を
肋骨の下にある脾臓には大きな役割があります。血液を造る役割や貯蓄する役割、免疫機能を司る役割もしているのです。
感染症等を引き起こす細菌やウイルス・がん細胞等のあらゆるものから、身体を守っています。
そんな脾臓は脾腫という病気にかかりやすい臓器です。症状としては、痛み・吐き気・便秘・呼吸困難等が現れ、脾臓が2倍以上に腫れます。
そして、脾腫が大きくなる事で、さらに痛みが強くなり、膨満感・食欲不振・疲労感・倦怠感・動悸・めまい等の症状が現れます。
また脾臓が何らかの原因で腫れて、機能亢進してしまう脾機能亢進症という病気もあり、倦怠感・脱力感・動悸・めまい・顔面蒼白・貧血等の症状が現れます。
脾臓は何らかの異常を起こした場合には、腫れる事が多く、腫れる事で多臓器を圧迫してしまい、胃痛・腹痛・腹部膨満感・食欲不振等の症状が現れます。
ひどくなると命に関わる危険性もありますので、少しでも異常を感じた場合には、すぐに病院を受診してください。
出ている肋骨の治し方11選
ここまで肋骨が出て見える原因や可能性のある病気等について解説してきました。
最後に肋骨の治し方についてです。内臓疾患がある場合には病院での受診が必要です。ここでは内臓疾患ではない場合に、自分で出来るセルフケア方法について解説いたします。
姿勢矯正
デスクワークが多い近年、猫背や反り腰等、姿勢の悪い方は多く見られます。もちろん自分自身で姿勢を正す事を日々心掛ける必要があります。
ただなかなか治らない場合や自分では難しい場合には、整体での姿勢矯正を受ける方法もあります。
内臓の機能に異常が現れている場合等は、姿勢矯正が必要になる事もありますので、医師にご相談ください。
ストレッチ
肋骨の歪みや開きは、長時間同じ姿勢を取っている事が悪化させる原因となります。
肋骨がよく動くようなストレッチ、背伸びをする事もいいですし、とにかくこまめに動かす事が最も重要です。
毎日継続して続ける事が何よりも大事ですので、日頃から意識するようにしましょう。
体操
体操も解消方法の1つであり、横隔膜を動かす体操や背中側を広げる体操が効果的です。
横隔膜を動かす体操では、お腹をへこめると同時に肋骨が広がるようにして、大きく深呼吸をします。この際に肋骨を意識する事を心掛けてください。
また背中側を広げる体操では、両手を目の前で組んで腕を伸ばして、背中を丸めて深呼吸を繰り返します。このように肋骨を動かす事を意識しながら、ゆっくりと行っていきましょう。
呼吸法
肋骨の歪みや開きの原因として、日頃から浅い呼吸をしている方が多く見られます。
腹式呼吸で、しっかりと深呼吸を行い、肋骨の開きを改善しましょう。肋骨の動きを意識してゆっくりと深呼吸をしましょう。
筋トレ
急激な筋トレはいけませんが、筋肉を鍛える事は必要です。特に脇腹と背中・肩甲骨を意識した筋トレを取り入れましょう。
筋肉の使い方や負荷のかけ方で、姿勢がより悪くなる事もありますので、注意しましょう。
ヨガ
ヨガのポーズはゆっくりと呼吸をしながら、体を伸ばしていくものがとても多いです。肋骨を意識的に動かし、深呼吸をしながら行うと効果的です。
リラックス効果もありますので、是非生活の中に取り入れていきましょう。
食事
バランスの良い食事も必要です。特にミネラルやビタミン不足により、電解質のバランスが崩れると歪みや開きを招きます。
カルシウムはもちろん積極的にとりたいですが、カルシウムだけでなく、カルシウムの吸収を助ける、コラーゲンやビタミンC等が必要です。
鉄分やビタミンC等のビタミン群、カルシウム、タンパク質等々、様々な栄養素をまんべんなく摂るようにしましょう。
寝相
起きている時の姿勢だけでなく、寝ている時の姿勢にも関係があります。
横向きやうつ伏せで寝ている場合には、片側だけや変に体に負担をかけています。仰向けで寝る事を心掛けましょう。
重心
歩いている時や立っている時の重心も重要です。いつも片側に体重をかけてしまっていたり、姿勢が悪いと重心が後ろにかかってしまいます。
そうする事で歪みが生じる原因となりますので、意識的に重心の取り方には気をつけるようにしましょう。
カバン
またカバンも重心と同様にいつも右側だけ、左側だけと決まった方で持っていると、身体の歪みに繋がります。そして肋骨や骨盤の歪みを引き起こしてしまいます。
癖になってしまっているかもしれませんが、意識的に片側だけに負担を掛けないように心掛けましょう。
足組み
足組みをする事が癖になっている方は、足は組まないようにしてください。やはり足を組む事により、片側だけに重心がかかり、歪みや開きに繋がります。
それに足組みをしている時はたいてい姿勢が悪くなっている事と思います。姿勢を良くする為に、常日頃から意識的に姿勢には気をつけていきましょう。
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