Sponsored Link

抗生物質の市販薬はある?【飲み薬と塗り薬別に解説】

<監修薬剤師 BlueP>
薬 

歯医者さんで抜歯をした後や膀胱炎にかかった時などに抗生物質を処方されることがあります。

最近では胃がんの原因ともいわれるピロリ菌の除菌で使われることも知られ、なんとなくポピュラーな雰囲気をもつ薬になりました。

しかし、実のところ何にどのような作用があるのかを問われても一言では答えられないのが抗生物質といったところではないでしょうか。

スポンサーリンク
 

抗生物質の正体

 

抗生物質と聞くと、ほとんどの感染症などで確実な効果を発揮するように思われてきました。

しかし、近年「耐性菌」という抗生物質が効かない細菌が猛威を振るう院内感染などのケースも増えています。

 

抗生物質とは?

カビや放線菌などの微生物によって生成される有機物です。

自然由来のものは数千種類がありますが、実用化されているものは半合成のものを含めると200種類程度だといわれています。

その有機物の作用により他の微生物細胞の増殖を阻止したり機能を止めることにより死滅させる効果があります。

 

重要な点は、細菌を殺し感染を押さえることはできてもウイルスは殺せないため万能薬ではないということです。

なので、「取りあえず抗生物質さえ飲めば」という考えは安易だということがお分かりいただけますね。

 

抗生物質が効く病気

細菌性髄膜炎、細菌性肺炎、溶連菌感染症、百日咳、大腸菌などによる膀胱炎、とびひ等

 

いずれも細菌性の疾患です。

風邪がひどくて治らず失神するほどの咳が長期化しているなどで検査してみると実は百日咳だったり、副鼻腔炎や肺炎を起こしていたりします。そのような時に咳止めなどとの併用が抗生物質は有効になります

 

他にも程度の浅いやけどや切り傷にも抗生物質入り軟膏を塗ると傷口からの細菌感染を防ぎ治りを早めることができます。

抜歯後に抗生物質を処方されるのも細菌感染の防止です。

 

歯科を例に挙げると、歯周病やさらに症状が進んだ歯槽膿漏にも処方されます。歯周病・歯槽膿漏の原因「歯垢・プラーク」も細菌の塊だったのですね・・・

 

抗生物質が効かない病気

インフルエンザ、風邪、細菌性でない扁桃炎や慢性扁桃炎、脳卒中、心筋梗塞などインフルエンザは細菌ではなくウイルス性なので抗生物質は効きません。

 

スポンサーリンク

抗生物質の市販薬~飲み薬編

 

ここまで、主に医療機関で抗生物質が使用されるものについて解説してきましたが、市販薬についてはどうでしょうか。

なかなか病院に行けないという忙しい世の中ですからドラッグストアで様々な薬品が朝から晩まで、すぐに手に入ります。ですので、手っ取り早く抗生物質が手に入ればと思う方も多いようです。

 

処方箋がなければ購入できません

✅ 飲み薬の市販自体はありません。

✅ 調剤薬局では医師による処方箋があれば飲み薬も販売。

キーワードは「処方箋」ですね。薬事法改正により市販禁止されています。

市販されなくなった理由は「抗生物質の正体」で解説した通りその性質上の問題が影響しています。

 

様々な細菌に効く半面、

✅ 効かないもの(ウイルス)がある。

✅ それらの見極めは専門家にしかできない。

✅ 耐性菌等に関するリスクや服用量のコントロール。

万能薬ならばドラッグストアで手軽に手に入ると生活もより快適なものになるでしょう。

 

しかし、リスクが多く専門家にしか判別できない、そして薬品は飲み合わせよってはかなり重篤な副作用を起こすものもあり、やはり店頭販売には危険が伴うと言えるでしょう。

 

抗生物質による副作用

重篤なアレルギー反応であるアナフィラキシーショックの事例で有名なものに、ペニシリンショック事件というものがあります。戦後すぐのペニシリンは不純物が多く、その不純物による可能性もあります。現在ではペニシリンの純度は高く、発生頻度は下がっています。

 

他の抗生物質でも副作用が全くないわけではなく、症状も光線過敏症(太陽の光を浴びると激しく日焼けしてやけどのような症状が出る)や腎臓に影響のある物、筋肉が壊れる横紋筋融解症などもあります。

抗生物質の飲み薬は市販ではなく処方箋を受け、専門家の指導のもと飲むというのが安全かつ効果的なものだということです。

スポンサーリンク

抗生物質の市販薬~塗り薬編

 

皮膚科に行くほどでもない皮膚症状、例えば深めのあかぎれができた、ひどいかゆみの虫刺されや軽度の火傷・転倒してできた傷が放っておくにはちょっと・・・

そんな時には市販の塗り薬を塗って様子を見ることが多いでしょう。

そのような時には化膿止め・殺菌成分として抗生物質が入った軟膏やハンドクリームを購入して使用することになります。

 

特に皮膚炎や傷がただれたりしてジュクジュクしている時には抗生物質の入った外用薬が威力を発揮します

身近なところではニキビの薬です。ニキビはアクネ菌という細菌が起こすもので、化膿したりすると病院を受診する方が多い症例です。

 

皮膚科で処方される外用薬で一番多いのはステロイド入りの軟膏です。

しかし、前述したように患部が壊れているものは炎症を伴っているためステロイドだけでは治りません。

ステロイドの作用として免疫を抑制するというものがあるため細菌の繁殖を助けてしまうこともあり、それを抑えるために抗生物質も入っているということになります。

 

このように外用薬として販売されているものは手軽に処方箋なしで購入可能、治りも早くとても心強いものですが半面やはり長期使用で副作用が出ることもあります

 

「塗り薬で副作用?」とお考えかもしれませんが、内服薬同様長期連用や患部以外に広範囲に塗りすぎることで耐性菌ができることもあります。

他にも腹痛や胃痛・下痢、過敏症状として発疹や腫れ、ひどい場合は腎臓障害や難聴などを起こすこともあります。

スポンサーリンク

抗生物質の5つの種類

 

飲み薬編で解説しましたが、内服用の抗生物質は個人輸入もされています。しかし、医療機関で検査の上処方してもらい、薬剤師などの専門家からきちんと説明を受け、かつ服用量や期間を厳守することが大前提です。

 

抗生物質は1928年、アオカビからペニシリンが見つけられたことに始まります。その歴史は古く、これまでに様々なものが世に出てきました。

ここではその代表的なものを挙げてご紹介します。

 

ペニシリン系

抗生物質のすべてがここから始まったペニシリン系。細菌にも細胞壁があり、これがないと生きていけません。ペニシリン系はその細胞壁の合成を阻止することで抗菌・殺菌的効果を発揮するものです。

 

主な適応症:急性気管支炎・細菌性肺炎・猩紅熱・梅毒・敗血症など

一般的な抗生物質の効果が芳しくない緑膿菌にも効果があります。

 

主な薬剤名称:オーグメンチン・クラバモックス・サワシリン

 

セフェム系

ペニシリンと同様の原理で効果を現します。開発期間が長く第一世代から第四世代までがあり、比較的妊婦にも投与しやすい抗生物質の一つです。

 

主な適応症:腎盂腎炎・膀胱炎・髄膜炎・腸管出血性大腸菌感染症など

皮膚の化膿から尿路・呼吸器感染症など対応できる菌が広範囲にわたります。

 

主な薬剤名称:ケフラール・セフゾン・パンスポリン・フロモックス

 

マクロライド系

細菌のたんぱく質合成を阻止することで増殖を抑えて静菌的効果をもたらします。

マイコプラズマ肺炎はご存知の方が多い疾患ですが、そのマイコプラズマという細菌は細胞壁を持ちません。

同様にクラミジアという細菌は細胞内に寄生することで肺炎や性感染症などを起こします。前述したペニシリン系が効果を発揮する細菌とは違う形のものに効く抗生物質です。

 

ドライシロップから錠剤・注射剤など形態は様々で用途とされる幅が広いのも特徴です。

 

主な適応症:トキソプラズマ症・マイコプラズマ肺炎・非結核性抗酸菌症・百日咳・慢性副鼻腔炎など

他の抗生物質とよりも苦みを持ちます。服用する際はかみ砕かないように気を付けましょう。

 

主な薬剤名称:アセチルスピラマイシン・エリスロシン・クラリシッド・ジスロマック・ジョサマイ

 

テトラサイクリン系

マクロライドと同様の作用で抗菌効果を発揮します。内服薬は効果の持続時間により短時間から長時間作用型に分類されます。

小児に注射をすると発現する歯や骨への珍しい副作用があり、原則として8歳未満の小児と妊婦には使用しないこととしています。

 

主な適応症:ブルセラ病・ライム病・野兎病・オウム病など

ミネラルの入ったサプリメントなどと併用すると、薬剤の吸収が妨げられて効力が落ちることがあるので避けましょう。

 

主な薬剤名称:アクロマイシン・ミノマイシン・ビブラマイシン・レダマイシン

 

ニューキノロン系

細菌が増殖するには遺伝情報を持つDNA核酸が必要です。そのDNA核酸を複製するための数種類の酵素を阻害して合成を阻止するものです。

それにより尿路・呼吸器・皮膚など幅広い感染症に対して殺菌的効果を現します。

 

主な適応症:細菌性赤痢・腸チフス・レジオネラ肺炎・腎盂腎炎など

肺炎球菌や中耳炎に最も効果を現し、腎臓への負担が少ないため比較的安全な薬剤ですが、血管系に疾患がある場合は相談が必要です。

 

主な薬剤名称:アベロックス・クラビット・ジェニナック・シプロキサン・オゼックス

長期投与が必要な場合には安全性に関する実績があるクラビットを処方されることが多いようです。

 

他にもST合剤という細菌の葉酸合成を阻害するもの、ポリミキシンB製剤という細菌の細胞膜に作用して抗菌効果とするもの、メトロニダゾール製剤では病原微生物のDNAを切断する作用を持っています。

 

抗生物質はこのように年月を経て開発を加えながら人間の健康を外的となる細菌から守っているのです。

それぞれピンポイントで効果を発揮するため、必ず医療機関で診察の上処方を受けること・自己判断では治癒よりも悪化する可能性が高いことを忘れないでください。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

スポンサーリンク
   

関連するこちらの記事も読まれています

サブコンテンツ