咳止めが効かない!原因は何?【咳き込む病気を詳しく解説】
<監修医師 豊田早苗>
今回は咳が長引き止まらい時考えられる病気や咳止めが効かない理由を分かりやすく解説していきます。
気になる所から確認してみよう
咳が出るメカニズムとは
そもそも、みなさまは咳をするメカニズムをご存知でしょうか?
我々が普段何気なくやっている動作の中には意外と詳しく知らない動作も多々あるかもしれません。その中の1つに咳があるかもしれません。
咳とは簡単に言いますと肺への異物排除機能の延長線上で起きて来る症状の1つです。
例えば、鼻水であったり喉の乾燥があったりして、喉の奥に何らかの刺激が加えられ、通常であれば食道に入らなければいけないものを誤って食道に入ろうとすることを防ぐのです。
仮にこれが誤って肺に入ってしまい、炎症を起こすと、誤嚥性肺炎となります。つまり、人間の持ち合わせている防御機能の1つと言えるのです。
また、人間には交感神経というものと副交感神経と呼ばれる2つの神経があるのですが、そのバランスが崩れ、自律神経失調症になると咳をよくします。
その咳大丈夫?危険な咳はコレだ
咳の中にも、危険な咳もあります。と言っても、なかなか咳の軽いもの重いものというのは判断することが難しいでしょうから、咳が出てどうも調子が悪いなということがあればぜひ病院を受診することをお勧めします。
そんな中でも、少し危険かもしれないと思われる症状をいくつか紹介したいと思います。
1. 2週間以上続く咳
病気の中には非常に長引く咳を誘発するものもあります。
有名なところで言いますと、若い細身の女性によく起きやすいのですが、マイコプラズマ肺炎と言うものがあります。
これは非常に長引く咳が特徴で、ある種のお薬しか効果がありません。そのため、非常に長い間咳が続いている場合には特に注意が必要となります。
2. 睡眠中
睡眠中に咳が出るということも、危険な病気があることがあります。そんな病気の1つに睡眠時無呼吸症候群というものがあります。
これはその名の通りで、寝ている間に無呼吸になるという病気です。そのため、睡眠時に咳をしてしまったりするのです。
咳に加えて、いびきがある場合は、睡眠時無呼吸症候群を疑いましょう。
3. 呼吸困難
この様な症状がある咳は非常な危険な咳だと考えられます。
といっても、呼吸困難におちいり、まともに呼吸が出来ないような状態であれば、そもそも危険な状態であると認識しやすいのかもしれませんが、呼吸困難の起きている場合には特に注意が必要であると言えます。
4. その他の症状が出た場合には
いくつか紹介してきましたが、その他にも以下の様な症状が出ている場合には要注意です。
発熱、胃もたれ、寒気、出血などがある場合には十分に注意が必要となります。
咳が止まらない!8つの病気を疑って
ここでは、咳が止まらない時にまずは疑われる病気を8つ4項目に分けて紹介したいと思います。
医療関係者ではない方でも中には一度は耳にしたことがある方もいらっしゃる名前が一度は出て来るかもしれません。
そして、最後にその他にも知って起きたい病気についてもいくつか紹介をしています。
✅ インフルエンザ、風邪症候群
これはよくご存知の方も多いのではないでしょうか?咳と言えば、風邪やインフルエンザはとても有名なところではあります。
高熱が続き、季節に特徴的なものはインフルエンザで、年中起こる可能性のあるものが風邪症候群となります。
✅ COPD、肺気腫、気管支喘息
これは主に、気管支が炎症などによりダメージを受け引き起こされる病気の一種となります。特にタバコなどの影響が大きい疾患とも言えます。
✅ 各種肺炎
肺炎は実は様々な原因によりいくつかに分かれており、気管支肺炎やマイコプラズマ肺炎はそんな中でも比較的咳を長引かせる作用を合わせ持っています。
とくに細菌が原因となる肺炎の場合には使用している薬がまったく効かないということもありますので、その辺り注意が必要となります。
✅ 肺がん
がんというのは特に予後の悪い病気です。そんな中でもよく咳を引き起こすのが肺がんとなります。
何となく想像はつくかもしれませんが、肺ががんによっておかされるとうまく呼吸すらすることがままならなくなります。
✅ その他には
ここまでいくつか有名なものを紹介してきましたが、ここではその他にも咳が止まらなくなるような疾患をいくつか名前だけでも紹介したいと思います。
アトピー性咳嗽、胃食道逆流症、喉頭アレルギー、気管支拡張症、後鼻漏、サルコイドーシス、心因性咳嗽、咳喘息、慢性咳嗽などがあり、感染症によるものであれば、百日咳や肺結核などがあります。
止まらない咳の原因1位は気管支喘息
気管支喘息という言葉は、ほとんどの方が耳にしたことがあるのではないかと思います。
ここでは気管支喘息に関して、簡単ではありますが少しだけ紹介したいと思います。
主に気管支が炎症をきたし狭窄を起こし呼吸するのが困難となってくる疾患です。
原因は様々考えられており、タンパク質などのアレルゲンを原因とするアレルギー性のものやリンパ球を原因とする免疫性のものなど本当に様々あります。
主にステロイドなどの薬で治療することがメインとなってきます。
長引く咳に薬が効かない!なぜ?
✅ 薬で狙っているものが違う
風邪などの際に咳が出ている場合に、たいてい処方される薬が咳止めに加えて、抗生物質というものが処方されます。
薬が出ており、服用しているにも関わらず、なかなか症状が改善しないことがあります。むしろ病気が悪化している場合には病気違いの可能性もあります。
Aという菌が悪さをして、病気を引き起こしているのに、Bという菌により効果を示すような抗生物質が出ていることもたまにあります。
つまりは効能間違いということになります。そうすることにより、咳が長引くことがあります。
✅ 薬の飲み合わせに多少問題がある
薬の飲み合わせに問題がある場合もあります。特にたくさんの種類を飲んでいる方は注意が必要となる場合がよくあります。
その相互作用によって本来ならばしっかりと効果を発揮しなければならないところが出来ていないこともまれにありますので、注意が必要です。
✅ 受診している科の問題
ほとんどまれなケースなのかもしれませんが、そもそもの受診科違いということも考えられます。
咳や痰が出ているのであれば、ほぼ気管支関連によるものであると考えられますが、もしかしたら根本的には他に原因がある可能性もあります。
✅ その他
その他の要因として過労によるストレスであったり、日常からよくタバコを吸う人であったり、またそもそもが乾燥しており、あまり治りにくい環境の場合には薬が効かないこともあります。
咳止めが効かない時は病院でしっかり検査して
先の文章でも少し話はしましたが、咳があり、近くのクリニックなどを受診すると、咳止めなどの薬をいただくと思います。
その際に、咳止めを飲んでも効果がない場合にはぜひ病院を再度受診するか、もう少し大きな病院を受診しきちんと検査することをお勧めします。
咳が出るということは少なくとも、肺や気管支に何かしらの異常が起きている可能性があると考えられます。その際に有効な検査をいくつか紹介したいと思います。
まずは触診や聴診という方法があります。あなたも一度は経験をしたことがあるかもしれません。
風邪などの症状で鼻水や咳が止まらないときなどは、病院に行くと、いろんなところを触られたり、喉の奥を診られたり、肺の音を聞かれたりしたことを経験されたことがある方も多いのではないでしょうか?
その他には画像などを参考にするレントゲンやCTなどがあります。さらには非常に細かいカメラを体内にいれ、実際の様子を見ようとする気管支内視鏡検査などがあります。
また、肺の機能をみる肺機能検査などもあります。さらには病院の中の施設で言うと検査科が取り扱う分野となる喀痰細胞診や血液検査などもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は咳について本当に簡単ではありますがまとめさせていただきました。
咳だけみてもこれほど多くの病気が隠れているのは事実です。本当に注意することも多々あります。みなさまのお役にたてればと思います。
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