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病気になりたいと方法を探る人の心理【心の病かもしれない】

<監修臨床心理士 鈴木崇弘>
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運動会や苦手な試験のある日、苦手な仕事の締め切り日などに「病気になればやらなくて済む!」と考え、仮病を使ったことはありませんか。

あるいは、「病気にならないかな」と冗談でも口にしたことがある人もいるでしょう。

いったいなぜ病気になりたいと願うのか、その心理について今回は解説します。もしかしたら心の病かも知れないですよ。

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病気になりたいと方法を探る人の精神状態

 

通常ですと「病気になりたくない」と考えるものですが、なぜ「病気になりたい」と方法を探る人がいるのでしょうか。病気になりたい人の精神状態についてそのメカニズムを解説します。

 

精神的満足感を得たい

病気になった人に対して、あなたはどのような反応をみせますか?多くの人が、「大丈夫?」といった労いの言葉を相手にかけるものです。言葉の上だけではなく、心から心配する人もいるでしょう。

 

「他人に自分の存在について気にしてもらう」ことで自分の存在価値を認め、精神的に満足するために「重い病気にかかりたい」と願う場合があるのです。

 

トラウマを隠したい

幼少期に周囲の人間から本人が満足を得られるほど愛されなかったり、「寂しい」「悲しい」といった経験が根深い場合、大人になっても他人の関心を自分にひきつける手段として、「病気になりたい」と願うことがあります。

 

最初は病気や事故で入院する人をうらやむ程度の言動ですが、徐々にエスカレートしていくと病気を装ったり、自分を傷つける自傷行為を行うこともあります。

 

病気になりたいと考える精神状態を作る原因

人間は誰しも第三者に認められたいという承認欲求を持ちます。しかしその手段として「病気になりたい」と強く願い、行動にまでうつす人はまれです。

 

なぜ、「病気になりたい」と思い詰めるのか、その心理については解説しましたが、なぜそのような心理に陥るのでしょうか。それは大きく二つのパターンに分けられます。

 

まずは「遺伝」です。この場合は持って生まれた気質も含まれ、生来的に自己承認欲求が強かったのにも拘わらず、その手段をもたないかあるいは努力をせずに己のプライドを満たそうとする場合です。

 

次に「環境」が挙げられます。幼少期から親子の人間関係をうまく築けずに、親からの無条件な愛を感じられなかった場合、自尊心がうまく育たなかったり自己承認欲求が満たされないまま成長してしまいます。

 

いずれの原因にしても、本人には「嘘をついている」という罪悪感はなく、感情をうまくコントロールできていないことが原因です。

そして病気になりたいと考えるに至った感情や心理を解決しないことには、完治させることが出来ない心の病と言えます。

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病気になりたい人の隠れた心理

 

他人から心配されることで得られる精神的満足感とは、具体的にはどのような心理なのかを解説します。

 

承認欲求が満たされる

人は誰しも、程度の差こそありますが自分以外の人間によって「認められたい」という欲求を持っています。人間は社会的な生物ですから、他人からの承認を得ることはごく自然な行動と心理と言えます。

ただしそれが行きすぎると精神的な病にまで発展する場合があります。

 

心配されたい

病気や怪我をした人に対して、周囲の人間は心配します。「心配する=自分に注意が向く」ために、病気になりたいと考えてしまいます。

 

甘やかされたい

病気や怪我をした人に対しては、その人が本来するべきだった役目は他の人間が肩代わりしてあげることが多いですよね。配慮され、優しくされることは「甘やかされたい」という欲求を満たしてくれます。

 

褒められたい

普段と同じ事、周囲の人間と同じ事をしても、もしも病気にかかった人や怪我をした人が行うと当たり前のことが「すごいこと」になります。

 

すると、周囲の人間から「病気なのにすごい」「あの人は努力家」といった評価が上がります。手っ取り早く人に褒められるための方法として、病気になりたいと考えてしまうことがあります。

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病気になりたいという病

 

「他人から認められたい」「他人に心配されたい」という欲求が強すぎると精神的な病に発展するというお話をしました。具体的にはどのような精神病に至るのか解説します。

 

ミュンヒハウゼン症候群

別名「悲劇のヒロイン症候群」とも呼ばれる精神疾患の一つです。恋愛ドラマなどで、ヒロインの不治の病が話を盛り上げる一因になることもあるため、ヒロインと自分を同一化せせるツールとして「病気」が使用されることもあるためです。

 

「ほら吹き男爵の冒険」で知られるミュンヒハウゼン男爵に由来し、映画「イエスマン」の劇中で登場するバンド名に使用されたことから再び注目が集まるようになりました。

 

病気自体はその名の通り、自分が不幸であることを他人にPRすることで周囲の関心や同情を集めることで精神的満足を得ようとする症状を指します。

 

ここでいう不幸とは、単なるアンラッキーな出来事に留まらず、病気や事故による障害なども含まれます。

話の中だけで「不幸な自分」を演出するのみならず、実際に病気を装うことで周囲の同情を引いたり、自傷行為に走り心配されようとするといった行動も伴います。

 

境界型パーソナリティー障害

境界型パーソナリティー障害とは精神疾患の一種で、気分の上下が激しく価値観が極端に偏った精神状態を指します。

なぜ「境界型」と呼ぶのかというと、強いイライラを示す「神経症」と合理的な判断を下せない「統合失調症」の両方の症状が同時に発症し、その中間に位置する精神疾患だからです。

 

特に若い女性に多く、50人に1人が発症すると言われています。発症すると、絶えず人が自分を非難するという妄想や幻覚に悩み、不安定な気持ちに陥って気分の高揚や落胆が目まぐるしく入れ替わります

 

感情の起伏が激しい以外にも、「周囲の人間に動揺を与えるような自傷行為に及ぶ」「喫煙や薬物、犯罪といった己の身を滅ぼすような行動をとる」といった症状が現れます。

 

周囲の人間の気を引くことを目的とする自傷行為のひとつに「病気になりたいと方法を探る」ことが含まれます。

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病気になりたい病の特徴

 

病気になりたい病である「ミュンヒハウゼン症候群」の特徴について、もう少し詳しく解説します。

 

自分がいかに不幸であるか周囲の人間にもらす

ミュンヒハウゼン症候群を発症する人は、悲劇のヒロイン願望を持ちます。そのため、自分の不幸な身の上を大げさに人に話したり、ドラマチックに演出された自分の不幸話を盛る傾向があります。

 

仮病

周囲の人間の注意を引くため、仮病を申告したり病気であるかのような演技を行うことがあります。ミュンヒハウゼン症候群は虚偽性障害の一種で有り、特に頭痛や腹痛といった身体的な詐病を行うことが多いです。

 

自傷行為

「体調が悪い」と話を盛る程度であれば実害はありませんが、それだけに留まらず自分で自分を傷つける自傷行為に及ぶことがあります。

この場合、目的は自分の身体を痛めつけることではなく、相手の関心を引くためのあくまで手段になります。

 

代理ミュンヒハウゼン症候群

代理ミュンヒハウゼン症候群とは本来の「ミュンヒハウゼン症候群」では自分自身を自傷したり嘘をつくことで第三者の関心を引こうとするところを、他の物を代理に用いて注意関心を引こうとする行為を指します。

 

代理に使用されるのは主に親しい人間、特に自分の子供に対して行われることが多く、代理ミュンヒハウゼン症候群の加害者の98%が実母(女性)という調査結果もあります。

 

実例を挙げると、親が周囲の同情や関心をかうために「自分の子供が危険な病気にかかっている」と何度も病院に連れて行ったり、また入院する必要のある疾患をあえて引き起こすなどが見られます。

 

詐病には境界型パーソナリティ障害特有の妄想や幻覚が混ざって引き起こされる場合がありますが、相手が誰であれ故意に誤飲あるいは薬を必要量以上に摂取させて病気の状態を作り出すことは傷害罪に当たります。

 

自分の子供に対して行うことは虐待と同様で、刑事処分の対象となります。

また自分の子供でなくても、看護師が患者に対して故意に誤った薬剤による注射や点滴を打つ「代理ミュンヒハウゼン症候群」も実際に日本国内やドイツ・アメリカで発生しています。

 

こんな兆候に要注意

 

「病気になった」「怪我をした」というオーバーな表現を口にするだけの場合はまだ実害はありませんが、他人の気をひこうとするあまり自傷行為に走るのは自分にも他人にとっても迷惑がかかります。

 

どういう兆候が現れたらミュンヒハウゼン症候群と呼べるのか、そのセルフチェックの方法について解説します。自分だけではなく、知り合いなどにも似たような兆候を持つ人がいないかどうかチェックの基準にして下さい。

 

病気を装う

最も多く見られるミュンヒハウゼン症候群の兆候です。演技性人格障害(、パーソナリティ障害)でも同様の症状が見られます。

自己承認欲求を満たすため、また幼い頃のPTSDを癒やすために無意識にちょっとした身体の不調をオーバーに表現することが多いです。

 

もしも「ちょっとズルしたいから病気を装っちゃおう」と考えて軽い嘘のつもりでついていたとしても、いつしか本当に「私は重病だが、誰も分かってくれない」と思うようになったらそれは境界性人格障害をも発症しているかも知れません。

 

妄想や幻覚と現実の境があいまいになると、自分自身が嘘をついている自覚がなくなってしまいます。偽装のつもりがいつしか深刻な状態に発展する場合もありますので、注意が必要です。

 

また薬の副作用などを利用して何度も病気を再現しようとする故意も見られ、慢性的に何らかの不具合を訴えるという特徴があります。

「私うつ病なの」と自称することも注意が必要です。抑うつ状態の人は、自分自身で症状を自覚できないことが多いのです。

 

ちょっとしたことでも大げさに痛みを訴える

身体の不調を大病のように周囲に告げ廻る行為と同じで、他人の関心をあつめるためにオーバーに痛みを訴えることがあります。

感覚は人それぞれなので、他人からは「嘘だよね」と指摘されることもないため、しばしば行為は助長されやすくなります。

 

自傷行為にはしる

ミュンヒハウゼン症候群の中でも特に境界型人格障害を合併すると、自分で自分の身体を傷つける行為にはしる場合があります。

 

過去には、「お腹が痛い」と医者に申告し、その嘘を正当化させるために自らナットを飲み込んだ患者の前例があります。これも自分で自分の身体を、他人から心配されたい一心で傷つけた例と言えます。

 

検査歴の多さに反比例して病歴があいまい

検査や入院を繰り返しているのに、医学的見地から言うと整合性のない症状を訴えていたり、自己申告した病歴そのものが詐称という例もあります。

 

また、検査を受けても異常が見つからない場合は病気や医師を変えて再び同じ検査をくり返し、異常が見つかるまでこの行為を続けます。この行為は「ドクターショッピング」と呼ばれ、何らかの病歴がつくまで終わりません。

 

人によっては同じ箇所に手術歴があるなど「手術マニア」とも呼ぶべき外傷を備えていることもあります。

 

医学的知識が異様に豊富

代理ミュンヒハウゼン症候群で加害者になった親の言動で多いのが「医学的知識が豊富」という点です。

医学的知識が豊富と言うことは良いことのような気もしますが、裏を返せば「どのような方法をとれば人を病気にさせることができるのか」という知識が豊富なことを示します。

 

通常であれば専門医や担当医から子供の病名を告げられたり治療方針を告げられると親は動揺するものですが、ほとんど動揺を示さない場合、医療関係者に代理ミュンヒハウゼン症候群を疑われることもあります。

 

症状の改善が見られるとなぜか動揺を見せる

こちらも代理ミュンヒハウゼン症候群に多く見られる加害者の反応です。

加害者の多くは被害者の実母ですが、故意に我が子に薬物を盛ったりするのは、「病気の子供を必死に看護する可哀相な母親」という同情を引くことが目的であることがほとんどです。

 

そのためつきっきりの献身的な看護を行いますが、症状の改善を専門医から告げられると動揺を見せます。それは「病気が治った母親」という看板では、他人の同情を引けないと考える心理が原因です。

 

「病気になりたい」と考え、その方法を探る人の心理についてご紹介しました。他人からの同情や関心をひくのが主な目的ですが、過度に注意を引こうとするあまり自傷行為に走ることもあります。

 

また自分の体調不良を偽るだけの「ミュンヒハウゼン症候群」だけではなく、身近な人間を故意に病気にすることで周囲の同情を買おうとする「代理ミュンヒハウゼン症候群」も存在します。

 

こちらは相手を死亡させるケースもあり、加害者として罰せられるケースも少なくありません。「私はこんなに不幸」という不幸自慢のナルシスト気質の人ばかりではなく、自分への自信がない人にも発症しやすい症状です。

自分自身、その兆候がないかチェックしてみて下さい。

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