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肝嚢胞の原因はコレだった【治療法や手術方法を分かりやすく解説】

<監修医師 吉野 聖奈>
だるい

肝嚢胞とは、50歳以上の女性に多く見られる病気で、肝臓の中に液体のたまった袋ができる病気です。

 

原因も先天性の生まれつきのものから、後天性の原因として外傷性、炎症性、腫瘍性、また寄生虫性等の原因があります。

 

最初は無症状の事が多いこの肝嚢胞ですが、腫瘤が大きくなってくると様々な症状が現れます。今回は肝嚢胞の原因と症状、また治療法についても解説していきます。

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肝嚢胞ってどんな病気?

 

肝嚢胞とは、肝臓の中に液体の溜まった袋ができる病気です。症状は無症状の事が多く、人間ドック等の超音波検査で発見される事が多いです。

 

液体の溜まった袋、嚢胞(のうほう)の個数は、1個の場合もあれば複数個見つかる場合もあり、大きさも数mmから10cmを超えるものもあります。

 

50歳以上の女性に多く見られる病気で、ほとんどが先天性の良性腫瘍です。放置しても癌化する事はまずありませんが、定期的な検査は必要です。

 

肝嚢胞になる原因は、この後詳しく解説いたしますが、肝嚢胞は先天性、外傷性、炎症性、腫瘍性、寄生虫性等の原因からなる嚢胞です。

 

また肝臓だけでなく、腎臓や膵臓、脾臓、卵巣等に多発して嚢胞ができる事もあります。原因によって様々な症状が現れ、治療が必要になる場合もありますので注意が必要です。

 

悪性腫瘍の疑いがある場合、腫瘍マーカーではなくまず造影CT検査などの画像検査を行います。先天性の無症状の肝嚢胞でない限りは、原因に応じた治療が必要になります。定期検査・定期診察をきちんと受けてください。

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肝嚢胞の原因

 

続いて肝嚢胞の原因についてです。先天性の原因から、後天性の原因まで様々な原因があります。肝嚢胞が見つかった場合には、原因をしっかりと知る必要があります。

 

原因によっては治療が必要になる肝嚢胞もあります。

 

先天性

肝嚢胞ができる方の多くは先天性の良性腫瘍である事がほとんどです。

先天性で良性の場合には、症状もほとんどが無症状である事が多いので、人間ドック等の超音波検査で発見される事が多く、治療を必要としない場合が多いです。

 

外傷性

スポーツ等でのケガや交通事故でのケガが原因となる外傷性の肝嚢胞もあります。

ケガが臓器にまでも影響を与える事で、肝臓や胆管等で組織液の分泌が起き、その分泌液が溜まり嚢胞を形成します。

 

嚢胞が大きくなり圧迫されたり、それに伴う症状が出ない限りは治療の必要はありません。ただし、その後の炎症で、発熱や吐き気の症状が見られる場合には治療が必要です。

 

炎症性

炎症性の肝嚢胞は、臓器の炎症が原因となって起きます。肝臓や胆管等で炎症が起き、組織液が分泌されて溜まる事で嚢胞を形成します。

 

炎症性の場合も外傷性と同じく、大きくなり圧迫されたり、それに伴う症状がない限りは治療の必要はありません。

 

ただし、体に炎症が起きている事は確かですので、炎症がきっかけで発熱が見られる事もあります。

また感染や出血を伴う場合には、肝嚢胞が増大する原因となってしまいますので、治療が必要です。

 

腫瘍性

肝嚢胞には腫瘍性といわれるものもあります。腺腫のようなポリープ状の腫瘍性疾患や、悪性腫瘍等の癌の可能性があります。

腺腫のようなポリープ状の肝嚢胞腺腫の場合には、経過観察となる事が多いです。

 

ただし、悪性腫瘍、肝嚢胞腺癌の場合には、黄疸等の症状が現れ、治療が必要です。

 

寄生虫性

寄生虫性の肝嚢胞もあります。エキノコックスという寄生虫により、エキノコックス症となり、肝嚢胞を引き起こします。

多くの場合は、先天性や小児期に感染する事が多いですが、大人になってから発症する事もあります。

 

症状は、腹痛や黄疸、発熱等、また肺に嚢胞ができて破裂してしまうと咳や胸痛、喀血の症状が現れます。寄生虫性の場合には、薬剤または手術による治療が必要になります。

 

多発肝嚢胞症

肝臓の肝嚢胞だけでなく、腎臓、膵臓、脾臓、卵巣等に多発して膿瘍を形成する疾患を多発肝嚢胞症といいます。

このような場合、腎障害や様々な内臓障害を伴っている場合があり、注意が必要です。

 

腹部膨満感、腹痛、呼吸困難、運動制限、下腿浮腫、ヘルニア等の症状、また各臓器の症状が現れます。多発肝嚢胞症は難病指定疾患であり、原因不明で現在も調査中です。

 

カロリー病

肝臓の中を通る、肝内胆管という管にできる嚢胞があります。その中で、多発性の肝内胆管嚢胞ができる病気を、先天性のカロリー病といいます。

 

カロリー病は、小児の慢性特定疾患の一つで、生まれつき胆管の形に異常があります。症状ができるだけ出ないようにする治療法が基本的な治療法となります。

 

ただし、肝臓の腫瘍や胆管炎等の合併症が発生する可能性があり、その場合には病状に合わせた治療が必要になります。

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肝嚢胞の症状の現れ方

 

続いて肝嚢胞の症状についてです。初期には無症状の事が多い肝嚢胞ですが、腫瘤が成長して大きくなるにつれて様々な症状が現れます

 

少しでも異変を感じたら、早めに病院を受診してください。

 

無症状

肝嚢胞は、基本的には無症状の場合がほとんどで、先天性の肝嚢胞の多くは無症状です。腫瘤が大きくなってくると自覚症状が現れてきます。

 

腹部腫瘤・腹部膨満感

嚢胞が大きくなると、腹部腫瘤が自分で自覚できるようになり、また腹部膨満感を感じるようになります。

 

腹部鈍痛

注意しなければならない症状として、腹部鈍痛があげられます。鈍痛の原因として、内部からの圧迫や肝嚢胞の増加が考えられますが、これだけではありません。

 

肝嚢胞が大きくなってきた事により、鈍痛が起きている可能性もあり、その場合には大きくなった肝嚢胞が破裂する危険性があります。

 

不快感

肝嚢胞が大きくなる事で、胃等を圧迫し、胃の不快感を感じる事があります。肝嚢胞がある場合には単なる食べ過ぎの不快感とは違いますので、注意が必要です。

 

吐き気

肝嚢胞が大きくなり、他の臓器をとても圧迫してしまっている場合には吐き気が現れます。このような症状が出てきた場合には、摘出手術を行う必要性もありますので、医師にご相談ください。

 

感染・発熱・腹痛・出血・ショック

肝嚢胞が悪化してきた場合、嚢胞内に感染が生じ、発熱等の症状が現れます。また出血した場合には、激しい腹痛やショックを引き起こす危険性もありますので、すぐに病院を受診してください。

 

黄疸・浮腫

腫瘍性や寄生虫性嚢胞の場合には、病気の進行により、上記の症状以外にも黄疸や浮腫等の症状が現れますので、注意が必要です。

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肝嚢胞の治療方法

 

次に肝嚢胞の治療方法についてです。症状がひどくなっている場合、また原因に応じて治療を行う必要があります。

 

定期検査

先天性肝嚢胞で無症状の場合には、定期検査のみの経過観察で特に治療は行いません

肝嚢胞がある事がわかっている場合には、CT検査等で嚢胞の原因をしっかりと調べる事が重要です。

 

外傷性、炎症性ともに無症状の場合には、定期検査を行い経過観察となります。圧迫症状が強い場合、感染、出血、破裂等の合併症を起こした場合には治療を行います。

 

超音波・ドレナージ

大きな肝嚢胞になっていない場合には、基本的には内科的に処置を行います。

超音波で観察しながら、嚢胞に対して細い針を穿刺し、貯留液のドレナージを行い、内用液を排液します。

 

その後、嚢胞壁の細胞をアルコールやミノサイクリンで死滅させる事で治療をします。穿刺をした箇所の感染が合併症としてあげられますが、ほとんどの場合はありません。

 

開腹・内視鏡的手術

ドレナージ等では対処できないような、腫瘍性の腫瘍や、摘出して生検しなければわからない場合には、開腹または内視鏡による手術を行わなければなりません。

 

以前は開腹手術により嚢胞の切除を行っていましたが、現在では腹腔鏡を使用して手術を行う事が可能です。腫瘍がある場合、可能な限り切除し、必要に応じて生検をします。

 

内視鏡による手術は体への負担も少なく、嚢胞を取り除く事で再発を防ぐ事も可能です。

 

肝嚢胞は手術で完治させる!

 

最後に肝嚢胞の手術方法についてです。原因や症状、病態に応じて手術の方法が変わります。ですが、肝嚢胞は手術で治療が可能な病気ですので、早めに治療を行いましょう。

 

肝嚢胞開窓術

嚢胞による症状が現れている場合や、他臓器への圧迫症状等がある場合には手術を行います。嚢胞が腫瘍性のものではなく、単純性の肝嚢胞であれば、嚢胞壁の完全切除の必要はありません。

 

袋状になっている嚢胞の内用液を吸引後、嚢胞壁のみを切除し、残った嚢胞壁を電気的に焼灼(しょうしゃく)する天蓋切除により、嚢胞の治療が可能です。

 

腹腔鏡下で行う事が可能な為、体への負担も低く、早期退院ができます。全身麻酔による開腹手術と比べても再発率は同等です。

 

腹腔鏡下手術

腹腔鏡下手術を行う為には、腹腔鏡と手術器具を出し入れする為のいくつかの小さな傷を開けて手術を行います。

そしてお腹の中を炭酸ガスで膨らませて、穴から腹腔鏡を挿入します。テレビ画面を見ながら、別の穴から器械を操作して手術を行います。

 

ただし、肝臓の場合には内部に血管が多数あり、太い血管も多くあります。

肝臓の手術は開腹手術でも難易度の高い手術であり、腹腔鏡下手術はさらに難易度が高くなる為、腫瘍の場所や大きさ、性質によって行える場合と行えない場合があります。

 

腹腔鏡下手術は傷が小さく、術後の痛みも少ない、また術後の回復が早いという点で、患者さんにとって負担の少ない低侵襲手術です。

 

再発率も開腹手術と差異はほとんどありませんので、悪化する前にしっかりと医師の診察・治療を受けてください。

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