放置していると危険な食後の腹痛!【原因や症状まで詳しく解説】
<監修医師 まっちゃん>
腹痛にもいろいろなケースがありますね。「食事の後に必ずお腹が痛くなる」という悩みはありませんか?
食後の腹痛といっても、痛み方にも強弱があったり必ず下痢をしてしまったり・・・回数が増えてくると「もしかして、病気じゃないの?」と心配になったり「痛くならない食べ物はないのか」など、様々な悩みが増えていきます。
放っておいたら危険な病気のサインかも知れない「食後の腹痛」について解説します。
気になる所から確認してみよう
また食後の腹痛。体の中はどんな状態?
傷んだものを食べたわけでもないのに食後の腹痛に悩まされるという方。胃腸に負担がかかりやすい「早食い」をしていませんか?
食べ過ぎ飲み過ぎなどで常に胃腸に負担をかけていたり、刺激物を大量に食べて胃腸に過剰な刺激を与えていると、消化と吸収のバランスが合わなくなり、消化不良を起こしやすい体質になります。
またストレスで自律神経のバランスが崩れても胃腸の機能自体が低下しても、消化不良を起こします。
胃液が減って消化酵素が十分に出ないため、食べ物を分解しきれず腸から吸収できなかったり、血行が悪くなり胃の粘膜が荒れたりと、腸はストレスに対してとても過敏に反応します。
こうなってしまうと食後の腹痛が起こりやすくなります。
食べ方にせよ食べ物にせよ、どの理由であっても食後の腹痛が慢性化している場合には体内の状態が悪化していることが考えられます。
度重なる腹痛で理由がわからない場合には医療機関を受診することをおすすめします。
痛み以外に吐き気も!主な4つの症状
食後の腹痛には他にも症状が同時に出ることがあります。
胃が痛む
胃痛が食後に起こることがあります。「お腹が痛い」といってもみぞおち辺りならこの「胃痛」にあたります。
みぞおちの痛みの原因についてはこちらを参考にして下さい。
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みぞおちが痛い【下痢の症状や吐き気に注意して!】
キリキリとした痛みが特徴で吐き気を伴うこともあります。胃のもたれなら胸焼けがすることも。また、「膵炎」などでもみぞおちが痛みますが、背中や腰の辺りに痛みが響くのが一般的です。
不眠
不眠でお腹が痛むの?と思うでしょうが関連があります。
特にみぞおち近くが食後に痛むことが多いのですがこの場合は不眠やストレスにより胃液が多く分泌され、胃壁を荒らすため、問題が起こっている可能性があります。
大腸痛
お腹が痛い!というと大体は「腸」によるものです。しかし食後の腹痛や下痢をしている時に、特に下腹部の脇腹周辺が痛む場合には大腸と考えられます。
便秘
排便すると良くなるものの、やはり食後に腹痛が起こる時には便秘が考えられます。ひどく痛むというよりも「なんだかお腹しくしく痛い」といった中等度の痛みが多いです。
食後の腹痛の原因は食べすぎだけじゃない
食後に腹痛を起こすというと「食べ過ぎたのかな」と思うことが多いでしょう。しかし食べ過ぎ以外にも食後の腹痛の原因があるのです。
消化不良
早食いも消化不良の元ですし、食べ過ぎ飲み過ぎも同様です。食べ物の摂り方が偏ったりしても胃酸の分泌が乱れ始めて膵臓の働きが低下し、消化酵素の分泌量も少なくなります。
ストレスや疲れが溜まっている
ストレスや疲れが溜まってくると、自律神経のバランスが崩れます。自律神経のバランスが崩れることで胃酸過多になったり、逆に機能低下を起こします。
またそんな時には悪循環が起こって免疫力も低下するので風邪をひきやすくなったりしますね。風邪をひいてお腹が悪くなるのも風邪などのウイルスが消化不良を起こすからです。
運動不足による胃腸障害
運動不足では胃もたれというよりも「腸もたれ」になります。じっと座ったまま1日のほとんどを過ごしている人は注意した方が良いかも知れません。
動かないことで血行不良が日常的に起こり、腸の運動能力(ぜん動運動)も低下します。腸の動きが鈍ってくると便秘を起こしやすくなるので腹部膨満感や食後の腹痛に悩まされることがあります。
食後の腹痛や下痢を引き起こしやすい食品に気をつけて
ものすごく肉類が大好き!辛いものも大好き!という方に意外と食後の腹痛を感じる人が多いようです。
肉類など動物性脂肪たっぷりの食品やアルコールを飲みすぎる、ニンニクや唐辛子をたくさん食べすぎると胃腸にかなりの負担がかかります。
動物性脂肪など高たんぱく高脂肪な食事は胃で分泌される消化酵素がたくさん必要になるのです。アルコールも消化酵素やビタミンを多く消費します。
香辛料も大量に摂りすぎると刺激物ですので、胃壁に直接的な悪影響を及ぼします。カフェインも食後の腹痛には気をつけたい食品です。
辛い物を食べ過ぎた際の対処方法はこちらを参考にして下さい。
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適量ならば無害で有益な食品も、大量に摂取することで有害になることもあるので注意しましょう。
その痛み、もしかして大腸がんの予兆かも
食後の腹痛を「食べ過ぎ」や「体質だから」とやり過ごしている人もいるかも知れません。でも大きな病気のサインである場合には見過ごすわけにもいかない場合があります。
大腸がんは初期の自覚症状がほとんどない病気です。ある程度進行してこないと症状が出ないという点に注意が必要となります。
胃痛や食欲減退が続いても「疲労感もあるし、ストレスかな」とやり過ごしてしまうかもしれません。下痢や下腹部痛が続いたりガスが溜まる・おならの回数が増えて匂いが強くなったなども見られる場合には要注意です。
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このように、食後の腹痛でも痛みの部位やガスの様子などに大腸がんの予兆が含まれることもあるということを覚えておきましょう。
食の欧米化や飲酒習慣が変化することで、糖尿病や大腸がんの罹患率が増加しています。腸内環境を良好に保つためには善玉菌が増えやすい環境を作ることが大切です。
食事内容を見直して納豆やヨーグルトを積極的に取り入れ、便が出やすい元気な腸を保つように心がけましょう。ストレスを溜め込まないことも大切ですね。
大腸がんとともに似たような症状があれば、「胆のう炎」も食後の腹痛では注意したい病気の一つです。
食後の腹痛は日頃の心がけで改善できる
食後の腹痛は食事をすること自体が苦痛になってしまうこともあるでしょう。人生のうちの「食べる楽しみ」を失わないためにも、日頃からの心がけで改善しましょう。
胃に優しい食事
食べたものは食道を通って胃に運ばれます。まずは胃の働きを良くすることが先決です。
大根やキャベツ・バナナは胃に優しい食物の代表です。大根は食べると胃液が逆流してしまう逆流性食道炎や胃酸過多の場合にも取り入れたい食材です。
消化酵素の「アミラーゼ」が多く含まれているため生のまま食べるようにすると効果がより発揮されます。
キャベツの成分には胃の粘膜修復や血行促進作用があるそうです。胃そのものを強化する効果や疲労回復作用もあるので、春先の店頭に並び始める旬の時期には特に食べるようにしたいですね。
バナナは体が弱っている時に食べると良いイメージがありますね。胃にとってもそのイメージ通りで、弱っている胃や腸の回復にもってこいの食材です。
負担をかけないという点と胃腸を整える助けをする酵素が含まれています。
逆流性食道炎への対処方法についてはこちらを参考にして下さい。
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生活習慣を改善しよう
まず不規則な生活をしている人はそこから改善しましょう。早寝早起きとまでは言いませんが、睡眠不足も腸内環境を崩す原因になり下痢などを誘発します。
食べたらすぐに寝てしまったり、逆に食べてすぐに動き回り出したりはしていませんか?食べ物を消化する時には胃腸で血液が必要とされますが、すぐに運動をしたりすると胃腸の動きが悪くなってしまいます。
動きが悪いと消化不良を起こしやすくなるので、食後の休憩を30分程度はとるように心がけましょう。
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また食事から寝るまでの時間は3時間程度は空けるように心がけることも大切ですし、きちんと朝食をとることも重要です。食事回数が毎日バラバラなのも腸内環境には悪影響です。
座りっぱなしの生活習慣も胃腸にはあまり良くありません。適度にウォーキングや体操などをして、胃腸の血行不良を改善しましょう。
食べ方自体を工夫する
肉類などのタンパク質が多い料理や油物をたくさん食べ過ぎても、胃腸に負担がかかります。そんな時こそ気をつけたいのは「よく噛んで食べる」ということですね。
咀嚼は食べ物を細かく砕くこと、よくよく咀嚼することによって栄養の吸収も良くなるというものです。あまり噛み砕かないまま食べ物が胃に直行してしまうと、それを消化しなくてはならない胃が悲鳴をあげてしまいます。
ストレスフルに忙しくしていてあまりよく噛まずに食べて胃潰瘍、なんてことにはなりたくありませんね。
「それでも週末の焼肉は欠かせない!」という方は、野菜を積極的にとりましょう。
「お肉を食べるのが忙しくて野菜なんて」という場合には、野菜でお肉を包んで「野菜巻き」にしてしまいましょう!お箸で食べるよりも食べた実感がありますよ。
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