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肩を骨折した!【手術やリハビリ期間について徹底解説!】

<監修柔道整復師 田中惇郎>
ストレッチ

肩の骨折はその構造のために治療も複雑です。

スポーツや交通事故などの直達外力や介達外力により発生し、小児では骨端線(成長線)を損傷するケースもあります。

高齢者では転倒などの軽いアクシデントで生じることが多く、股関節・手関節・脊椎圧迫骨折と並んで発生しやすいといわれています。

とりわけ高齢者に多く発生する上腕骨近位端骨折は骨粗鬆症による骨の強度低下が原因として大きく関係しているそうです。

 

ポイント:肩関節とは?

肩甲骨と上腕骨が作る肩甲上腕関節のことをいいます。

手を頭の後ろで組んだり、上の物をとろうとするような様々な腕の動きをスムーズにするために必要な関節がいくつもあり、関節の中で最も大きな可動域を持つ関節です。

 

主なものとしては

✅ 鎖骨と肩甲骨で構成される肩鎖関節

✅ 鎖骨と胸骨で構成される胸鎖関節

✅ 上腕骨と肩峰の間で構成される第2肩関節

などがあります。

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肩を骨折した時の治療法

 

「肩の骨折」で思い浮かべるのはまずギプスや三角巾でしょう。行われる治療について、いくつかの方法をご説明しますが、その前に一つ質問です。

骨折をしたらどの科を受診しますか?

外科に整形外科・形成外科など「外科」がつく診療科や、中には整骨院などの治療院を思い浮かべた方もいらっしゃいますね。

 

頭部顔面などは形成外科、それ以外はおおむね整形外科の領域になります。接骨院などは病院で医師の同意を受けてからの治療となります。

ということは、今回お話しする肩の骨折なら「整形外科」ですね。

 

それでは、肩を骨折した時の治療法を見ていきましょう。

 

固定

三角巾とバストバンドと呼ばれる肋骨骨折の時に使う胸の固定バンドなどを用いて体幹に固定する療法です。

手術が適応しない症状の骨折に対応するもので、この方法では服の着脱なども比較的簡単に行えます。

固定法は様々で三角巾に始まりキャストライト固定・プライトン固定など、ギプスのようなものもあります。

保存的療法で固定期間は個人差や骨折の程度があります。その間、手指の浮腫などの症状を観察しながら運動などのリハビリを行い自然治癒を目指すものです。

 

ポイント:「骨折と脱臼って?」

骨折とは、力が加わり骨が変形・破壊を起こす外傷であり、構造の連続性が絶たれた状態。 脱臼とは、関節を構成する骨同士の関節面が 正しい位置関係を失っている状態。

 

手術

保存的療法では治癒が難しい骨折はやはり手術です。

 

内固定術

麻酔下で骨のずれを整復し、金属のピンやワイヤー・ロッド(棒)・スクリュー・プレートなどを用いて体内で骨を固定する骨接合術です。
ピンやワイヤーなどに用いられる金属は、ステンレスや高強度金属などで、MRIの撮影も可能で感染に強いチタン製品が増えています。

 

✅ 随内釘固定法:骨折部を切開せずに骨の中心部の髄腔に、骨端から金属製の長いロッド(棒)を打ち込み固定するもの。大きな骨の骨幹部(中央部分)が折れたときに行います。

骨折部周辺の軟部組織(筋肉や皮膚など)を傷めることなく、比較的早期に荷重ができるという利点があります。

✅ プレート固定:金属製のプレートを骨折部位にあて、スクリューで骨にとめて固定するもの。皮膚を切開し、骨を露出させて手術を行います。

✅ ピンニング:キルシュナー銅線という先のとがったワイヤーを骨に刺し、折れたとこ ろをつなげて固定します。 皮膚を切開せず、皮膚の上から直接刺す場合もあります。

 

創外固定

骨折部分をはさんだ両側の骨にワイヤーやピンを打ち込み、骨のずれを矯正し創外固定器(金属の支柱)を連結して、骨折を皮膚の外で固定します。

皮膚組織や軟骨組織を壊す「開放骨折」や「粉骨骨折(文字通り骨が砕けた骨折)」などで行われるもので、感染の危険性が高い骨折部には触れずに、強い固定と正確な整復が可能です。

固定したあとからでも精密に矯正できるという利点があります

 

人工骨頭置換術

骨頭と呼ばれる関節の骨の丸い部分を切除して人工の骨頭に置き換えるものです。骨頭が壊死するなどして内固定による治療が困難な場合に適応されます。

この術式のメリットは比較的早くから荷重をかけられることと早期離床が可能だという点です。

 

超音波治療法

あまりなじみがないかもしれませんが、骨折の治りが3~4割早まる超音波骨折治療法というものがあります。

サッカーやプロ野球の選手が受けたことで有名になりましたが、全国で200を超える医療機関で実施されているものです。

主に骨の付きが悪いなどの難治性のものに適応し、1日1回20分間、微弱な超音波を当てることで骨折治癒を促進します。患部が深い場合にもその効果は確認されています。

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骨折の合併症・後遺症

 

「骨折で後遺症はまだわかるけれど、合併症?」と思われるかもしれませんが、思いのほか深刻なものがあります。

 

肩関節骨折の後遺症で一番大きなものは肩関節可動域制限でしょう。

原因については筋線維など関節周囲組織の変化、持続的筋緊張・痛みの影響などがありますが、リハビリも大きく影響するようです。また、治療にもかかわらずその過程で癒合不能(骨が付かない)が起こることもあります。

骨折は治癒に時間がかかる癒合遅延や、不完全である変形治癒もあります。

 

少し難しくなりますが、治癒過程は進行しているものの緩慢である場合には骨癒合遷延、治癒過程が停止した場合には偽関節と呼ばれ、再手術が必要になります。

偽関節と診断されるのは一般には骨折後6ヶ月を過ぎても骨癒合に至らない場合ですが、その判定は難しいものです。

変形治癒も重大な機能障害を残す場合には、手術的治療が必要となります。

 

ほかにも特殊な骨折の仕方や位置・骨片転位(骨がずれること)による上腕骨頭無腐性壊死が挙げられます。

脱臼骨折の場合に血行障害により上腕骨頭の壊死が起こる場合があり、 骨癒合が得られても関節の変形を引き起こす場合もあります。

 

開放骨折は骨感染症(骨髄炎)を引き起こす可能性もあり、難治性となることもあります。骨の組織が細菌感染するもので、骨髄で増殖した細菌が炎症を起こしたりするものです。

 

骨折すると「早く骨が付いてギプスを取りたい!」と気持ちがはやりますが、後々のことを考えると焦りは禁物ですね。

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リハビリの必要性と期間

 

ここからは回復期のことをお話しします。

 

治療法の項目で挙げましたが、「固定」とは文字通り体幹などに動かないように留めます。「手術」の後は安静がつきものですが、これもある意味固定されているようなものです。

相当期間固定して動かせずにいると筋肉は衰え委縮し、関節は拘縮・硬直しはじめます。1週間寝たきりでいるだけでも動きがおかしいと感じるのが人間です。

 

そのような衰えてきた、または動かせないことで下がる機能を維持・回復させるのがリハビリです。できるだけ早い時期に開始することにより骨折部の血行が促進されて骨の癒合が促される効果もあります。

リハビリを怠ると機能の回復が不十分になることもあるので、医師や理学療法士の指導のもと、積極的に取り組みたいものです。

 

骨折によるものは医療保険では「運動器リハビリテーション」に区分され、医学的に判断される場合もしくは厚生労働大臣が定める場合を除きリハビリ実施期間上限は手術や最初に診断された日から150日と定められています。

上限が定められているなら、なおさら熱心に取り組みましょう。

なお、リハビリ期は歩行動作などでも肩に負担がかかるので、アームホルダーなどを使用すると疼痛などの予防にもなります。

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早く完治するためのリハビリ方法

 

リハビリの必要性についてお話ししましたが、この後は具体的な方法をご説明します。主なものはやはり筋力強化やストレッチにも通じるエクササイズとなります。

 

肩関節自動運動

机にタオルなどを置き動かす運動で、雑巾で床を拭いたりアイロンをかけるような動作です。前屈することにより屈曲可動域を拡大することもできて肩関節には効率的な運動となります。

 

回旋筋腱板の筋肉強化

主にセラバンドというゴム製のチューブの弾性を利用し伸ばしたり縮めたりして行う筋力強化運動です。

回旋筋腱板

肩甲骨の前後からおこり上腕骨頭を抱え込み肩関節を安定させる4つの筋のこと。

腕を使う運動・動作には全て密接に関係しており、この筋をうまく連動させて使えるかどうかによって運動の効率が変わってしまいます。

 

関節可動域運動

動かせないことによる関節や筋肉の拘縮予防・血栓や浮腫(むくみ)の予防が主な目的となります。

曲げ伸ばし・ひねりなどのストレッチ要素が多く、日常生活の中にも取り入れられる動きとなりリラグゼーション効果も期待できるものです。

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