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腹水は末期がんの症状なの?【3つの意外な原因も解説】

<監修医師 吉野 聖奈>
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腹水とは腹腔内に異常に水がたまった状態のことをいいます。腹腔とは横隔膜より下部にある腹壁で囲まれた空間であり、胃や腸や臓器などが存在する腹膜腔と膀胱や子宮などが存在する後腹膜に分類されます。

腹腔内には常に数十ミリリットルの腹水がたまっており、腸が動く際の潤滑油の働きも持ち合わせています。腹水は腹膜から少量ずつ出てきて、再び腹膜から吸収されるため、通常は一定量が保たれ、溜まりすぎることはありません。

しかし、大量にたまると腹部の膨張や様々な症状を引き起こします。腹水は末期がんの症状として認識されていますが、その他の病気の可能性も考えられます。

今回は腹水がたまる原因や、症状、治療法について以下に解説したいと思います。

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腹水は末期がんの症状なの?

 

がん性炎症

各部位のがんが進行したり、再発、転移することでがん性腹膜炎を起こし腹水が現れます。炎症を起こしているところから体液が滲出し腹腔内にたまります。

がんで腹水がたまるといった症状が現れていると、末期まで進行している可能性が高いです。これは代謝が異常状態となり悪液質になってしまうためです。

悪液質は慢性の消耗状態であり、生きるために必要なタンパク質が減少するため様々な不調を引き起こします。

がんで起こる腹水は炎症性腹水と呼ばれ、以下に挙げるようなものがあります。

✅ 細菌性腹膜炎

✅ がん性腹膜炎

✅ 胃癌・肝癌・大腸癌・胆道癌・膵癌・卵巣癌・子宮癌

✅ 急性膵炎

 

アルブミン不足

血液内にあるタンパク質のひとつであるアルブミンは、血管内の水分保持や水分を取り込む働きをしています。

アルブミンが少なくなると血管外に漏れた体液を血管内に取り込むことができないため、腹水やむくみを増加させます。肝臓がアルブミンを生成しているため、肝臓が弱ると腹水が増加しやすくなります。

 

内臓の働き

たまった腹水は腹膜から吸収され、血管やリンパ管を通り血液中に戻るという排水ポンプ機能が人体には備えられています。

腹膜に異常がなくても肝臓や心臓系、リンパ系などに異常があると排水機能が働かず腹水がたまる原因となります。

 

再吸収機能の低下

腹水がたまっても健康な人であれば腹膜から腹水が吸収されます。吸収された腹水は血管やリンパ管を経て血液中に再吸収されます。しかし再吸収機能が低下すると腹水がたまったままとなります。

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腹水がたまる原因

 

非炎症性腹水

うっ血心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群、OHSS、などで起こる腹水です。血管内の水分が外に漏れ出した漏出液が腹水として腹腔内にたまります。

漏出液はタンパク質量が少なく透明で凝固しにくいという特徴があります。漏出液がたまる要因として以下が挙げられます。

✅ 肝機能低下:肝機能低下によりアルブミンが不足し、血管内の水分量の調整が適切にできなくなります。

消化管を通った血液は門脈という血管に集まり肝臓に運ばれますが、肝硬変により肝臓内の血行が妨げられると門脈圧が上昇し、漏出液が溢れ出ます。

✅ 腎機能低下:肝疾患を起こすと同時に腎臓への血液量が低下し、尿が出にくくなります。それにより体内の水分量やナトリウム量が増加し、腹水がたまります。

 

炎症性腹水

細菌性腹膜炎、がん性腹膜炎、胃癌、肝癌、大腸癌、胆道癌、膵癌、急性膵炎、卵巣癌、子宮癌などで起こる腹水です。

炎症によって血管内の成分が溢れ出た浸出液が腹水として腹腔内にたまります。浸出液はタンパク質量が多く混濁しており、凝固しやすいのが特徴です。

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腹水の治療法

 

腹水の有無の確認

腹水の有無は、腹部を軽く叩いて鈍い音がするかどうかを確認する打診や、超音波検査、CT検査などにより確認されます。

 

塩分制限

食事の塩分制限を行いながら、ベッドでの安静が治療の基本です。安静を保つことにより肝臓への血液量を増やすことができ肝臓の保護を行うと同時に、腎臓への血液量が増えるため排尿状態の改善にもつながります。

 

利尿剤

利尿剤を用いて水分排泄の促進をはかります。尿を出すことで血液内のアルブミン濃度を高め、胸水や腹水、浮腫の軽減の期待ができます。

 

アルブミンの静脈注射

アルブミンを静脈内に注射し、血管内の水分調整の促進をはかります。

 

穿刺

腹水が大量にたまっている場合、腹水を抜くという治療が行われます。腹壁から針を刺して腹水を吸引除去します。いったんは楽になりますが原因の根本的治療を行わなければ再び腹水はたまります。

 

腹水ろ過濃縮再静注法(KM-CART)

抜いた腹水をろ過して再び点滴により体内に戻す方法です。腹水には栄養分が含まれており、数リットル単位で腹水を抜いてしまうと体力が低下します。

そこで抜いた腹水の栄養分だけを濃縮させて体内に戻すことで全身状態を保つというものです。これにより生活の質の向上や延命効果が期待できるとされています。

 

麻薬性鎮痛薬

モルヒネなどを投与して腹水での苦しい張りを軽減できます。胸水腹水が溜まり、息苦しさやお腹の張りがかなり苦しくなると余命1か月ほどだと判断されます。

そこで苦しく時間のかかる治療を続けるだけでなく、苦しい痛みを和らげ残された人生を送ることも選択肢として考えられます。

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