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酸欠の症状チェック!【頭痛や吐き気を感じるならかなり危険かも】

<監修医師 春田 萌>
頭痛

空気の薄い山岳地帯や洞窟といった特殊な環境だけではなく、日常生活の中に酸欠に陥る可能性のある場所はあふれています。

 

酸欠の症状について正しい知識がなければ、頭痛や吐き気を感じても原因に思い至らず症状が進行してしまうおそれがあります。そこで今回は、酸欠の症状チェック方法とその危険性について解説します。

症状をしっかり確認して、対処法に活かしましょう。

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日常で酸欠が起こりやすい環境

 

具体的にはどんな場所で酸欠になりやすいのでしょうか。日常の中で起こり得るケースについて解説します。

 

酸欠の定義

酸欠とは「酸素欠乏症」の俗称です。酸素欠乏症とは酸素濃度が18%未満の環境に長くいることで、必要な酸素量を体内に摂取できずに引き起こす症状を指します。

 

体内の細胞に十分な酸素が行き渡らないと、細胞が十分なはたらきを発揮できない上、脳も機能不全に陥ります

 

酸素が足りないと息苦しさを感じますが、同じように息苦しさを感じる過呼吸は過剰に二酸化炭素を体外に排出しすぎたせいで起きる症状ですので、酸欠とはまた違う症状と言えます。

 

こんな環境下では酸欠に注意が必要

標高が高い場所は酸素が薄いことを認識している人も多いかと思いますが、洞窟や防空壕など換気が難しく新鮮な空気を取り入れることが難しい閉塞空間などでも酸欠は発生しやすくなります

 

また特殊な場所でなくても、条件が揃えば日常生活で酸欠が引き起こされることがあります。いったいどのような環境下で酸欠に注意が必要か、解説します。

 

✅ 倉庫の中など密閉された空間の中で、大勢の人間が活動を行っている場所

✅ バスや満員電車など、密閉された空間の中で多くの人間がいる場所

✅ 閉め切った室内で物を燃やした場合

✅ 牧場に設置された牧草サイロや飼育家畜の密集する飼育舎の中

✅ 酒蔵などの発酵タンク内部

✅ 防消火設備の誤作動などにより炭酸ガスが噴射された場所

✅ 下水溝などマンホール内部で微生物が大量発生している場所

✅ 保冷車の荷台の中や大型冷凍施設など、液体窒素か液化炭酸ガスが大気放出される可能性のある場所

✅ 野ざらしになっている金属製タンクの中

✅ LPガスなど空気より重いガスが漏れた場合の窪地などの低地

✅ 井戸の中など換気性の良くない場所

✅ 野菜・穀物・木材の貯蔵庫や倉庫など

✅ 水泳を行い満足に呼吸ができていない

 

屋内型のイベント会場など、熱気に包まれている閉鎖空間でも酸素は不足しがちになり酸欠状態を起こしやすいものです。小さな水槽に熱帯魚を入れすぎると死んでしまうことがありますが、これは酸欠によるものです。

 

人間でも同じ事が言えます。換気が不十分だったり、何らかの原因によって通常よりも酸素が消費されている環境下でも酸欠気味の環境になります。そして女性の方が、酸欠になりやすいと言われています。

 

これは貧血が密接に関係しています。貧血には様々な原因がありますが、中でも鉄欠乏性貧血は女性がかかりやすい症状です。女性は妊娠出産や生理など、体の仕組み上鉄分が不足しがちになるためです。

 

鉄分が不足するとヘモグロビンの生成が阻害されるために血液中の酸素濃度が低下してしまいます。女性だけではなく、子供や新生児も鉄欠乏性貧血を発症しやすく注意が必要です。

貧血についてはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
貧血で倒れる症状や対処法【甘く見てませんか?】

 

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こんな症状なら酸欠かも。酸欠度チェック!

 

酸欠になると特有の症状が現れます。もし以下のような症状がある場合、もしかしたら酸欠状態に陥っているかも知れません。チェックしてみて下さい。

✅ 集中力がいつもより続かない

✅ 記憶力が低下している

✅ 寝つきと寝起きが悪く、日中あくびばかりで寝不足を感じる

✅ 慢性的な頭痛を感じる

✅ 目が疲れやすい

✅ 貧血を起こすことがある

✅ 運動していないのに動悸や息切れを起こしやすい

✅ 1日のうちほとんど深呼吸をしない

✅ どんなに休んでもなかなか疲労感が消えない

✅ 持久力が落ちた

✅ 手足が冷えやすい

✅ ここ数年で肥満気味になった

✅ 生活環境に自然が少ない

✅ 部屋の換気をあまりしない

 

6~10個の項目に当てはまる場合は、日常的に酸欠になりやすい体質と言えます。もしも11個以上当てはまる項目があったら、病気を発症しやすくなるので改善が必要になります。

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酸欠による8つの危険な症状

 

実際に酸欠になるとどんな症状が引き起こされるのか、解説します。

 

疲れやすい

心臓が酸欠状態になるとだるさやめまい、息切れや動悸を起こしやすくなります。これは、細胞が十分な酸素を得られないままに頑張って活動した結果、疲労物質の排除ができないためです。

酷い場合は呼吸停止を引き起こす場合もあるため、異様な疲れやすさには注意が必要です。

 

眠気におそわれやすくなる

日中でもあくびをくりかえし、眠気や集中力の低下が起きます。酷い場合は意識消失昏睡を起こすこともあります。

これは脳が酸欠状態に陥ったためです。酷い状態になると、立っていられないほどのめまい失神に襲われます。

昏睡状態についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
昏睡状態とは4つの状態です【回復の可能性について解説!】

 

冷え性

筋肉が酸欠状態になると、体の末端が冷えやすくなる冷え性になりやすくなります。冷えが深刻になると顔や手足にむくみが生じ、肩こりなど全身のこりや新陳代謝の低下をひきおこします。

 

新陳代謝が低下すると免疫力も下がり、感染症に罹患した場合、発症しやすくなってしまいます。

 

身体機能の低下

筋肉に十分な酸素が行き渡らなくなると、身体機能の低下を引き起こします。筋力低下や眼疾患が多く、常に「目がかすむ」「物がよく見えなくなった」という人は注意が必要です。

 

またコンタクトレンズ使用者も注意が必要です。眼球の表面を覆う角膜は、私たちが眠っている間にも常に呼吸を行っています。

しかしコンタクトレンズを装着したままいつまでも外さないと角膜に必要な酸素が不足し、感染症を発症したり、酸素を取り込もうと眼球の血管が太くなったり様々なトラブルが発生します。

 

脳障害

脳梗塞や物忘れ・認知症と言った脳機能の障害を引き起こす可能性があります。

脳機能の維持のためには、実に全身の約25%もの酸素を必要とします。そのため酸欠状態になると脳機能を維持できなくなり、酷い場合は脳細胞が破壊され元には戻らなくなります

 

そのせいで脳障害が起きると考えられています。脳障害を起こした人への対応が遅れたり放置すると、症状が悪化してしまうのは、脳細胞が破壊されてしまうためです。

 

頭痛、吐き気・嘔吐、顔面蒼白、チアノーゼ

血液中の酸素が不足すると、各器官に必要な酸素が供給されません。細胞が正常に作動できないために、頭痛や吐き気・嘔吐、顔面蒼白、チアノーゼといった症状が引き起こされます。

【関連記事】
チアノーゼの症状チェック【3つの原因と対処法も確認しておこう】

 

およそ血管の酸素濃度が16%を下回るとこれらの症状が現れ、8%を切るとけいれんや昏睡症状が引き起こされます。

 

痩せにくくなる

私たちの体内にある脂肪燃焼酵素「リパーゼ」も、酸素が不足すると脂肪を燃焼させられなくなります。するとどんなにダイエットを頑張っても痩せられない体質になってしまうのです。

 

この仕組みを踏まえて市販薬の「痩せる薬」の多くが、酸素を体内に取り入れる力を促進させることで痩せる体作りを実現させようとしています。

 

痛風

痛風血液中の尿酸が結晶化し、炎症を引き起こす病気です。症状が引いてもくり返し発症し、その痛みは「風が吹く程度の刺激でさえ痛む」ということから「痛風」と呼ばれています。

酸欠状態になると血液中の尿酸値が上昇してしまい、痛風を発症しやすくなります。

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対処法を知って酸欠を防ごう

酸欠に陥った場合にどのような対処法をとればいいのか、また未然に酸欠状態を防ぐにはどうすればいいのかその予防方法をご紹介します。

 

こまめな換気

冬場、ストーブを焚く場合には「こまめな換気」が必要だと取扱説明書には記載してありますよね。人間もストーブも同じで、酸素を消費し二酸化炭素を排出します。

 

そのため密閉された空間でストーブを使用し続けたり人間が多く活動していると酸素不足による酸欠が発生しやすくなるのです。

屋内にいる場合は、可能な限り換気をこまめに行うようにしましょう。一時間につき15分は換気を行った方が安全です。

 

意識的に運動する習慣を身につける

普段ほとんど運動をしない人がいきなりマラソンに出たりフットサルの試合に出場すると、あっという間に酸欠状態になってしまう危険性があります。

 

また肥満になると血液がドロドロの状態になり、酸素が末端の細胞までうまく運ばれない事態となります。普段から運動することを心がけましょう。

激しい運動ではなくても、ウォーキング程度の運動で、酸欠気味の体質を改善することが出来ます。

 

また、正しい姿勢を保ちながら行うストレッチも効果があります。ストレッチをする場合は呼吸に気を付けながら、ゆったりと15分ほどかけて行うといいでしょう。

 

貧血を解消する食事に気を付ける

酸欠は実は鉄分不足により引き起こされることが多いのです。貧血気味の体質の人は特に、酸欠を引き起こしやすい体質と言えます。不足しがちな鉄分や、食事やサプリメントで補いましょう。

 

また鉄分の吸収を高めるためには、同時にビタミンCや動物性タンパク質を摂取するのがおすすめです。特に意識的に摂取した方がいい、鉄分やビタミンCを豊富に含む食材をご紹介します。

✅ レバー

✅ 豚肉

✅ 卵

✅ あさり

✅ まぐろ

✅ かつお

✅ 牛乳

✅ ひじき

✅ 大豆

✅ 小松菜

✅ ほうれん草

✅ ブロッコリー

✅ 菜の花

✅ いちご

特に小松菜は葉酸も多く含み、鉄分が不足しがちな妊娠中の女性には必要不可欠な野菜です。

自炊派の方は、野菜や動物性タンパク質など、栄養バランスに気を付けた献立作りを心がけましょう。外食中心の食事の方も、栄養バランスには十分注意してメニューを選びましょう。

 

禁煙

喫煙する際に吸い込むタバコの煙の中には、一酸化炭素が4%含まれています。一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結合しやすく、本来ヘモグロビンは酸素と結合し、体内をめぐり必要な細胞に酸素を届ける役目があります。

 

しかし一酸化炭素と結合してしまうと酸素はヘモグロビンによって運ばれなくなり、血液中の酸素濃度が低下してしまいます。

酸欠気味の人は禁煙するか節煙して一酸化炭素の吸収量を抑えると、酸欠状態を緩和させることが出来ます。

過度の一酸化炭素によるトラブルについてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
一酸化炭素中毒の症状のチェック【どんな後遺症があるの?】

 

腹式呼吸をこころがける

「最近、深呼吸をしなくなったな」という方は、腹式呼吸を意識して行うようにしましょう。腹式呼吸は効率的に酸素を体内に取り入れる方法で、作業中の姿勢が無理なまま長時間続いた際の酸欠不足解決策にもなります。

 

腹式呼吸の方法は、ゆっくりと息を吸って、またゆっくりと息を吐きます。このとき、息を吸うときはしっかりとお腹をふくらませ、息を吐く際にはお腹が凹むまでしっかりと吐き出すのがポイントです。

 

腹式呼吸は気持ちをリラックスさせる効果もありますので、仕事の合間の休憩時間や夜眠る前、起きてからなど1日10回程度行うのがおすすめです。

 

酸欠の症状をチェックするポイントと、酸欠の改善方法についてお伝えしました。

酸欠症状に気付かず応急処置が遅れると、細胞の破壊を招き治療が困難になってしまいます。早めの対策と、酸欠にならないための予防に気を付けましょう。

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