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難病指定の再生不良性貧血とは?【症状から治療まで徹底解説!】

<監修医師 まっちゃん>

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「再生不良性貧血」という病気を皆さんはご存知でしょうか?国の難病にも指定されている血液の病気です。

今回は再生不良性貧血とはどんな病気なのかについてお話ししていきましょう。

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再生不良性貧血とは?

 

再生不良性貧血とは血液中の「白血球、赤血球、血小板」の全てが減少してしまう病気になります。この状態を「汎血球減少症」と言います。

 

この再生不良性貧血は厚生労働省の特定疾患に指定されている病気です。年間100万人の内で約8人程の割合、10~20代の方、70~80代の方と幅広い年代で発症する可能性のある病気です。

 

白血球の中には「好中球、リンパ球、単球」が含まれていて、再生不良性貧血の場合に減少するのは好中球です。好中球は私達の身体を細菌感染から守る働きをしてくれます。

 

これらの血球は骨髄で作られるのですが、再生不良性貧血の場合には検査を行ってみると、骨髄組織がほとんどの場合、脂肪になっており、血球が生成されていない事が分かります。

これにより、貧血症状や出血、感染症などによる発熱を起こしたりします。重症の場合には完治が難しく、治療も長期化する場合もあります。

軽度の場合もあり、その場合には貧血と血小板が減少し、白血球の数値はほぼ正常という事もあります。

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普通の貧血とは違うの?

 

貧血と聞くと「鉄分不足」などというイメージがある方が多いかもしれませんが、再生不良性貧血と普通の貧血はどのように違うのでしょうか

 

普通の貧血の約70%は「鉄欠乏性貧血」という鉄分不足=赤血球数の不足やヘモグロビンの不足によって起こる貧血です。この貧血の場合であれば、鉄分不足を補う事で自然に治癒する事が多いです。

 

しかしながら「再生不良性貧血」の場合には造血幹細胞という血液を造る細胞が何らかの原因で障害されることによって、赤血球だけでなく白血球や血小板、リンパ球などの血液の色々な成分が不足してしまいます。

再生不良性貧血に関しては血液を造る細胞、骨髄そのものに異常が生じている事によって起こる貧血ですので、明らかな違いはそこになります。

 

再生不良性貧血の3つの原因

 

難病にも指定されている再生不良性貧血ですが、そもそもの原因は一体何なのでしょうか。原因に関しては3つの事が考えられています。

 

1.原因不明

再生不良性貧血に関してはまだまだ研究段階の事も多く、原因不明である事が再生不良性貧血の患者さんの実に90%を占めていると言われています。

この原因不明の再生不良性貧血は「特発性再生不良性貧血」とも呼ばれます。

はっきりとした原因は分かっていませんが、免疫細胞の異常により、自分自身の造血幹細胞を攻撃してしまう事が要因ではないかとされています。

 

2.遺伝性のもの(先天性のもの)

生まれつきの遺伝子の異常によって起こる先天性の再生不良性貧血もありますが、この場合はごく稀です。この貧血に関しては「ファンコニ貧血」とも呼ばれます。

 

3.薬剤や薬物、放射線によるもの(二次性のもの)

ベンゼンなどの化学物質やパルボB19などのウイルスの原因も考えられていますが、二次性といっても原因の特定が難しい事もしばしばあります。

 

上記の3つの原因が考えられますが、多くは原因が解明されない事も多く、自己免疫反応の異常により、自分自身の細胞を攻撃してしまう事が主な要因とされており、その結果起こる病気の事を自己免疫疾患とも呼ばれています。

原因が分からないからこそ、治りにくいとも言われ、難病に指定される由縁でもあります。

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再生不良性貧血の特徴的症状

 

次に再生不良性貧血の特徴的な症状について見ていきましょう。「白血球、赤血球、血小板」の減少により、様々な症状が見られます。

 

1.白血球の減少により見られる症状

白血球の減少により起こる症状としては、白血球中に含まれる好中球やリンパ球の減少によって、細菌感染症にかかりやすくなるとされています。

好中球が主に細菌を死滅させ、リンパ球がウイルスの感染を防ぐ働きをしているからです。

好中球の減少によって肺炎、敗血症などの重症の感染症にかかる可能性もあります。

 

2.赤血球の減少により見られる症状

赤血球は身体中に酸素を運ぶ働きをしています。赤血球が減少することによって、血液中の酸素の循環が上手くいかなくなります。脳や心臓、筋肉など酸素が必要な場所に届かない事によって様々な症状が現れます。

 

✅ 脳の酸素欠乏によるもの・・めまい、立ちくらみ、頭痛

✅ 心臓の酸素欠乏によるもの・・胸痛などの狭心症のような症状

✅ 筋肉の酸素欠乏によるもの・・身体の倦怠感、疲れやすさ

 

この他にも身体の酸素欠乏を解消しようとする働きによって、呼吸が速くなる事により息切れや心拍数が速くなる事によって動悸が生じます。

その他にも赤血球が少なくなる事により、顔色が悪い状態、顔面蒼白状態が見られる事もあります。

 

3.血小板の減少により見られる症状

血小板の働きは、出血した際の出血を止める役割をしています。その為、血小板が減少する事によって出血しやすくなったり、ケガをした際に血が止血できない可能性もあります。

 

よく見られるのが皮下出血(皮膚が点状に出血したりする・紫斑など)、歯肉の出血、鼻血です。重症化すると眼底出血や脳内出血、血尿、下血などが起こる事もあります。

発症すると全身的に症状が現れます。重症化すると死に至るケースも考えられますので、益々の早期発見・早期治療が重要になります。

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再生不良性貧血の重症度基準を知る

 

再生不良性貧血であるかどうかを判断する為には、必要な検査を行い、重症度基準を知る事が今後の治療に必要になってきます

 

再生不良性貧血の検査方法は

再生不良性貧血の診断を行う為にはいくつかの検査を受ける必要があります。

 

1. 血液検査

静脈血を採血し、白血球・赤血球・血小板、リンパ球などの減少の有無を調べます。病気の初期段階では血小板のみが減少している事もあります。

その他にも血清鉄、鉄飽和率の値の上昇や血中エリスロポエチン値、トロンボポエチン値の上昇の有無なども確認します。

2. 骨髄穿刺を行い、生検所見を行う。

血球の減少が確認出来た場合、次に行うのが「骨髄穿刺」です。

この検査は針を骨髄のあたりに刺し、骨髄液を採取する事で骨髄液中の造血幹細胞の状態を調べます。血液検査だけでは判断が困難な造血機能を知る事が可能になります。

3. 染色体分析

細胞形態に異常が見られない再生不良性貧血の場合でも、患者さんの全体の約4~11%において染色体異常が見られる事があります。

4. 骨髄シンチグラフィステージ

放射線物質を投与した後に画像診断にて、骨髄の造血機能を調べる検査になります。

 

必要な検査を実施し、総合的に判断して再生不良性貧血の診断を行います。診断によって重症度を判定し、その重症度によって治療を行っていきます。

 

再生不良性貧血の重症度基準について

再生不良性貧血においてはその重症度によりステージが1~5まで定められています。

✅ ステージ1・・ステージ2から5までの基準以外

✅ ステージ2・・次の2項目以上を満たす。

   1. 網赤血球数が6万個/μL未満 

   2. 好中球数が1000個/μL未満

   3. 血小板数が5万個/μL未満  ステージ2は中等症になります。

✅ ステージ3・・次の2項目以上を満たし、赤血球輸血が定期的に必要となる。

   1. 網赤血球数が6万個/μL未満 

   2. 好中球数が1000個/μL未満

   3. 血小板数が5万個/μL未満  ステージ3はやや重症になります。

✅ ステージ4・・次の2項目以上を満たす。

   1. 網赤血球が2万個/μl未満

   2. 好中球数が500個/μl未満

   3. 血小板数2万個/μl未満   ステージ4は重症になります。

✅ ステージ5・・好中球が200個/μl未満に加えて、次の1項目以上を満たす。 

   1. 血小板数が2万個/μL未満

   2. 網赤血球数が2万個/μL未満  ステージ5は最重症になります。

この重症度を見て、医師は再生不良性貧血の患者さんの治療方針を決めていきます。

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早期治療で回復率アップ!

 

再生不良性貧血の診断をする為に、必要な検査を受けた後にはステージに合わせた治療方針を決めていきます。

再生不良性貧血は血液を造る造血幹細胞が何らかのダメージを受ける事により起こる病気とされていますので、造血機能の回復を目的とした治療がされます。治療法に関しては以下の事が挙げられます。

 

1.免疫抑制療法

造血幹細胞を傷害しているリンパ球を抑えて、造血機能を回復させる治療法になります。主に抗胸腺細胞グロブリン、シクロスポリンという薬を使用します。

 

2.骨髄移植

患者さんの骨髄細胞を正常な方の骨髄細胞と取り換える治療法になります。

これにはHLAという白血球の型が一致した骨髄細胞を移植する必要があります。一致する可能性があるのは、家族や兄妹姉妹、あるいは骨髄バンクからの情報提供によるものになります。

最近では臍帯血移植も行われ、重症度の高い患者さんに用いられる治療法です。

 

3.タンパク同化ステロイド療法

この治療法は腎臓に作用し、赤血球を生み出す造血因子であるエリスロポエチンを分泌させる事で、造血幹細胞に直接作用し、貧血の症状を改善していきます。

 

比較的軽症の患者さんの治療法であり、タンパク同化ホルモンを服用する事で、約6割の方が数か月にうちに寛解するとみられていますが、副作用として筋肉増強、女性の男性化徴候などが見られる事も報告されている為、女性への投与は慎重に行います。

 

4.支持療法

この治療法に関しては病気の根本的な治療を行うのではなく、その病気による症状を改善させるための治療法になります。

 

赤血球の減少には赤血球輸血、血小板の減少には血小板輸血、そのほかには物質顆粒球コロニー刺激因子という刺激因子を投薬することにより、好中球を増加させ、感染症を防ぐ働きを促したりする治療を行います。

 

これらの治療法を用いて、治療を行っていきます。特発性や二次性の再生不良性貧血、どちらであっても治療法は同じになります。

 

再生不良性貧血は、かつては半年以内に半数の重症の患者さんが死に至る病気でした。

しかしながら、治療法の研究が進む事によって、今では生存率もアップし重症患者さんの約8割が、5年以上生きられるという結果に繋がっています。

また早期発見・治療によって7割程の患者さんが輸血なしでの生活が出来る程に回復したという報告もあります。

大事なのは早期発見と治療になります。普段の貧血と何か違う、気になる症状がある場合にはすぐに医師の診察・検査を受けるようにしましょう。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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