お酒で頭痛がする時の治し方!ロキソニンが活躍する?
<監修薬剤師 いちかわえつこ>
楽しいお酒ですが、ついつい飲み過ぎてしまい、次の日「もう二度と、あんな飲み方しない」と心に誓ったことのある方も、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
でも、楽しく飲んでいる最中は明日のことなんて考えが至りませんよね。予防できなければ治す方法を知っておくしかありません。
そこで今回はお酒のせいで頭痛がする場合の治し方やロキソニンとアルコールの組み合わせについて解説します。
お酒を飲んで頭痛がヒドい!その原因は?
まずはお酒を飲むとどうして頭痛になってしまうのか、その原因を理解しておきましょう。
お酒を飲んだ後に感じる頭痛の原因は、以下の通りです。
①アルコールを身体の外に排出しようとしているはたらきの副作用
②アセトアルデヒドの分解がうまくいっていない |
後者はいわゆる「二日酔い」と呼ばれる現象です。
①アルコールを身体の外に排出しようとしているはたらき
こちらはお酒を飲んでいる最中に感じる頭痛です。アルコールによって脳の血管が拡張します。
血管が膨張すると神経を圧迫するので頭痛を感じるのです。
また「これ以上飲酒すると身体の処理能力を超えますよ」という警告代わりに「気持ち悪い」と感じることがあります。
気持ち悪さを感じた場合は水を飲んでおくと症状を抑えるか回避することが出来ます。
②アセトアルデヒドはお酒が分解される過程の物質
お酒が分解される過程でできる強力な毒性をもつ物質で、血液中にお酒の分解後もアセトアルデヒドが残っていると、頭痛など、いわゆる二日酔いの症状が起こります。
またアセトアルデヒドの分解能力は遺伝によるところも大きいと言われています。
ですから大量にお酒を飲んだ場合のみ二日酔いになるのではなく、少量でもアセトアルデヒド分解能力が低い人は「お酒を飲んだらすぐ頭痛を感じる」といった二日酔いの症状が出やすいと言えます。
さらに悪寒や関節痛など、風邪に似た症状を発症する場合もあります。
いずれにしても「これ以上は処理できませんよ!」という身体のSOSで、症状は急に現れますので、自覚した時点で対処方法をとることが最も重要です。
どちらの場合も、体内のバランスを取るために必要なはたらきです。
無理に痛みを押さえつけるよりも、水分をたくさん取ってはたらきを助けた方が身体にとってはいいのです。
その他の原因
その他、実は上記で説明した以外の原因で「お酒を飲んだら頭痛を感じる」ことがあります。
その原因はずばり「偏頭痛」です。
偏頭痛はその名の通り、頭の一部分に感じる頭痛です。
人によっては「偏頭痛が始まるスイッチ」のようなものが存在し、環境や体調の変化やストレスの他、アルコールの摂取により発症するという方もいます。
もしもお酒を飲んだ後に痛む頭の場所が毎回同じなら、一度偏頭痛を疑ってみた方がいいでしょう。
また頭だけではなく、首の痛みもお酒が原因で誘発された可能性があります。
その他にも女性の場合、生理中や出産後はホルモンバランスが乱れやすく、飲酒によって頭痛が酷くなりやすくなっています。
可能な限り、生理中や出産後はアルコールを控えましょう。
もちろん出産後の授乳中は、アルコールを摂取すると母乳にも影響が出ますので一層の配慮が必要です。
どれくらいで頭痛は治る?
さて気になるのは、「この二日酔い、治るのにどれくらい時間がかかるの?」ということです。
永遠にも続く苦しみだとしたらゾッとしますが、ご安心下さい。アセトアルデヒドが体外に排出されれば治まります。
ただしどれくらいの時間がかかるのかは、完全に個人差があり、しかも飲酒した時点での体調によっても変化します。
例えば徹夜明けでろくに食事も摂らず飲酒した結果の二日酔いと、適度に美味しいものを頂きつつ嗜んだお酒とでは、二日酔いの度合いは違いますよね。
もしも頭痛の症状が1日以上続くようであれば、二日酔いではなく偏頭痛を疑った方がいいでしょう。
お酒での頭痛はロキソニンで治せる?
頭痛薬の成分を見ると、「ロキソニン」が含まれている物があります。ただし用法をよく見ると、「薬の服用後、飲酒はおやめください。」と明記してあります。
お酒を飲んだ後、頭痛に苦しんでいるのになぜ痛み止めや頭痛薬を飲んではいけないのでしょうか。
実は、ロキソニンに限らず、飲酒後の薬の服用は推奨されていません。
「スポーツ飲料を飲んだ後にお酒を飲んではいけない」という噂話を聞いたことがある方、いらっしゃいませんか?
薬とアルコールを同時に服用すると、消化や吸収の互いの効果が混ざり合い、副作用が現れる可能性が高くなるのです。
どのような副作用がどのように出るのかについては、ケースバイケースです。
しかし身体を張ってまで検証する必要はないですので、お酒のせいで頭痛がするとハッキリ因果関係が分かっている場合はロキソニンを含めバファリンなど薬の服用は避けた方が安全です。
特に薬の中でも「カロナール」は腎機能に多大な悪影響を及ぼしますので避けるべきです。
どうしても併用したい場合は、かかりつけのお医者さまに相談しましょう。
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その他の治し方はこちら
ところで「水を飲む」以外に、この辛い頭痛から逃れる手段はないのでしょうか。
薬の服用が駄目でも、苦しい頭痛からは解放されたいですよね。他にどんな治し方があるのか紹介していきます。
ウコンを飲む
「ウコン」は市販されていますし、よく効くと評判です。しじみ汁もアルコールを分解する肝臓に必要なアミノ酸を多く含んでいるので有効でしょう。
ウコンもシジミもコンビニで気軽に摂取できるドリンクやインスタント食品が並んでいるので、手に入りやすいのが魅力的です。
自分の体質から考えて、飲酒後は頭痛が酷いという場合は飲み会の前に用意してドリンクを飲用しておくと、つらい二日酔いの症状を緩和してくれたり改善してくれたりするので準備しておきましょう。
カレーを食べる
カレーはどうでしょうか。実はカレーには「ウコン」が含まれています。
またアルコールの摂取で弱まった胃を活発にしてくれる香辛料が含まれているので、効果は期待できます。
カフェインを摂取する
カフェインには血管を収縮させる効果がありますので、血管の膨張によって起こる頭痛には効果てきめんです。
カフェインが多く含まれている飲み物はコーヒー、緑茶、紅茶です。
あたたかい飲み物は気持ちを落ち着けてくれる効果もありますので、頭痛のせいで食欲がなくてもまずは一杯、飲んでみてはいかがでしょうか。
二日酔いの朝に入浴する
「二日酔いの朝はひとっ風呂浴びると良い」という方も多く、お風呂に入ると血行が良くなり、発汗作用が促進されます。
代謝が刺激され活発化するので体外にアセトアルデヒドを排出する手助けになるのでそれなりに効果はあります。
ただし脱水症状になりやすいので38℃の温度のお風呂で長湯しないことがポイントです。
そして高血圧の方や、酷い二日酔い症状で出ている方は血流がどろどろの状態なので、お風呂に入ると逆に危険ですので避けましょう。
ツボを押す
また「二日酔いに効くツボ」なるものがあるということなので、ご紹介します。
参考動画:二日酔いによる頭痛を解消!簡単ツボマッサージ
まとめ
お酒を飲んだ後に頭痛がするのは、体外にアルコールを排出しようとするはたらきの副作用だからです。
ロキソニンや頭痛薬で無理に治そうとすると、別の副作用が引き起こされる可能性があるのでやめましょう。
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肝臓の働きや血管の収縮に効果のあるウコン、しじみ、カフェインの摂取が頭痛を和らげるには適しています。
ツボ押しも効果があるので、ぜひ覚えて使ってみて下さい。
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