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アルブミン値が低い!意識して健康に【正常値も詳しく解説】

<監修薬剤師 藤沢 淳司>

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皆さんの体は脂肪やたんぱく質など様々な成分から出来ています。

 

たんぱく質は大まかに筋肉やコラーゲンなど体をつくる成分として有名ですが、このたんぱく質の一種であるアルブミンは体の健康の維持のためにとても役立っているのです。

 

アルブミンの機能と不足で起こる病気、効率的なアルブミン摂取の方法について解説します。

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アルブミンとは?

 

アルブミンは血液中のたんぱく質のおよそ60~70%と大部分を占めています。そして血液中の血漿と呼ばれる体液成分に含まれています。これを血清アルブミンと呼びます。

 

アルブミンは肝臓の細胞である肝細胞から生成されます。たんぱく質はいくつかの種類のアミノ酸が組み合わさって出来ており、アルブミンも約600個のアミノ酸からできているのです。

 

アルブミンにはこんな働きがある

 

血液の循環に関わっている

血液の液体部分である血漿は血液を体中に循環させるのに必要な成分です。血漿は水からできおり、一定の水分を維持できなければ血液は上手く循環できません。

血管内に存在するアルブミンは血管の外にある水分を引き寄せて血漿中の水分を保持する働きがあります。

 

血管外の水分が血管に入る際に血管に圧力がかかるのですが、この圧力のことを浸透圧といいます。浸透圧はアルブミンがどれだけ水分を引き寄せるかの指標とも言い換えることができます。

 

各種の栄養素を運搬する

血液は体中をめぐり生命活動に必要な酸素やホルモンを運搬します。これらの成分はそのまま血液中に存在しているのではなく、血液中の成分と結合して運搬される事が多いです。

例えば酸素は血液中のヘモグロビンと結合して運ばれます。

 

アルブミンが運搬するのは体のエネルギー源である脂肪酸や骨の成分となるカルシウムなどの微量元素、生命活動の調整において重要なホルモンなどです。

 

血液にふくまれる血漿以外の成分のはたらきについてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
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体の防御を担っている

アルブミンは体の中の毒素と結合することが出来ます。しかもその毒素をその中に貯めておき中和することで体内での悪影響を少なくしてくれます。この様な働きをリザーバーと呼びます。

このように体の防御に関わっている為、高齢者でアルブミン値が高いほど長生きするということが分かっており、エイジングケアに関わっているのです。

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アルブミンの正常値を確認しておこう

 

アルブミンは栄養不足などの健康状態の指標になります。どれ位血液の中にアルブミンが保てているかは血液検査によって測定できます。

 

現在のアルブミンの測定にはBCG法BCP改良法という二つの測定法が存在します。

 

BCG法とはブロモクレゾールグリーンという検査薬をアルブミンに着色させてその色の度合いを測ることで血液中のアルブミン量を測定します。

しかしこの方法ではアルブミン以外の他のたんぱく質も着色してしまう為に正確ではないとされています。

 

BCP法とはブロモクレゾールパープルという検査薬をアルブミンに着色させる方法です。

アルブミンに特定して測定できるのですが、昔は腎臓の病気などで正確さに影響を受けてしまう問題がありましたが、この問題を解決したものがBCP改良法と呼ばれています。

 

現在ではBCP改良法が主流になってきており、この方法によるアルブミンの正常値は3.8~5.3g/dlとされており、この範囲に入っていれば基準値内といえるでしょう。

 

腎臓の病気の診断には尿検査によるアルブミン測定が行われます。

腎臓は基本的にアルブミンを尿には送り出すことはなく、検査では(-)と表記され尿中に存在していない状態が基準値なのですが、病気にかかり腎臓の機能が低下してしまうと尿にアルブミンが下りてきます。

そのアルブミンの量や他の腎臓の検査の結果を総合して腎臓の病気の診断が行われます。

 

腎臓機能のチェック方法についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
腎臓の位置はココ!【腎機能低下の4つの原因や症状をチェック】

 

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アルブミン値が低い!3つの原因

 

アルブミンが生成されていない

アルブミンはアミノ酸から生成されます。人はアミノ酸を食事から摂取していますが、食事量の減少などアミノ酸の摂取不足が続くと当然アルブミン値は低下してしまいます。

特に食事量が減少しやすい高齢者はアルブミン値が低値を示すことが多いです。

 

またアルブミンは肝臓にて生成されるため、肝障害のような肝臓が機能しなくなるような病気になると、アルブミンの合成障害が生じアルブミンが低値になってしまいます。

 

肝機能は血液検査でもわかります。くわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
肝臓の血液検査の数値や料金について【病院では何科に行くべき?】

 

アルブミンが体外へ喪失している

体中を流れる血液は腎臓を通る時には不要な老廃物などをろ過する部分である糸球体から尿中へ排出します。

基本的にはアルブミンはそのサイズが大きすぎて糸球体の穴を通れないことや、糸球体がマイナスの電気を帯びていてアルブミンもマイナスの電気を帯びているので磁石のように反発してはじかれてしまいます。

 

しかし、腎臓の病気によりこのようなアルブミンを通さない機能がうまくいかなくなると、アルブミンは尿中へ排出されてしまい、その分血液中のアルブミン値は低値を示すのです。

 

アルブミンではなく他のたんぱく質が作られている

体内のアミノ酸はアルブミンを始めとする様々なたんぱく質を作るために使われるのが通常です。

しかし、肺炎や腸炎などの感染症にかかるとCRPと呼ばれるたんぱく質がアミノ酸から合成されます。

 

アミノ酸がCRP合成に使われる分アルブミンの合成は減ります。この様に感染症の際にはCRPが多く作られアルブミン値が低値になる状態を異化亢進と呼びます。

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アルブミン値が低いと疑われる3つの疾患

 

食事を食べてもアミノ酸が吸収されていない

食事は胃で消化された後、小腸でアミノ酸などが吸収されます。

しかし、食事を摂っていても胃での消化不足や小腸でのアミノ酸の吸収が上手くいかない場合があります。

 

吸収不良症候群と呼ばれる病気群はアミノ酸の吸収不足で下痢や体重減少、貧血、浮腫などを生じさせる各種の病気のことです。

 

胃での消化不足の原因には、胃を切除している場合や食物を消化する消化液を作り出す膵臓という臓器が十分に機能せず、消化液が不足する膵外分泌不全があります。

 

腸の吸収が十分に行われない原因には短腸症候群というものがあります。腸が短いため栄養素が腸に留まっている時間が短いために十分に栄養素が吸収されないのです。

 

肝臓が機能していない

肝障害で肝臓が機能しなくなるとアルブミンが生成されなくなります。

肝臓がウィルスによって感染し、炎症を起こしている状態を急性肝炎と呼び、治癒しない状態が続くと慢性肝炎へ移行、さらに悪化した場合の終末期である肝硬変では肝臓の機能が大幅に失われるのです。

 

肝硬変は肝細胞が死滅してしまいその残骸が多く残りカチカチに固まってしまっている状態になっています。

アルブミンが生成されないので、血管の水分がどんどん外に出てしまう為、全身性浮腫やお腹に水が溜まる腹水といった症状がみられます。

肝硬変はウィルスによって引き起こされる肝炎から、アルコールによって引き起こされるアルコール性肝炎など原因は様々です。

 

腹水についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
腹水は末期がんの症状なの?【3つの意外な原因も解説】

 

腎臓が病気にかかっている

腎臓のろ過機能の役割を果たしている糸球体が機能しなくなり、アルブミンがたんぱく尿として出ていくことで浮腫の原因となる腎臓の病気群をネフローゼ症候群と呼びます。

 

ネフローゼには糸球体そのものが障害される一次性と他の臓器や器官の病気によって間接的に糸球体が障害される二次性のものに分けられます。

特に二次性のネフローゼには糖尿病性腎症や高血圧に伴う腎障害など生活習慣に関わる病気もあるので注意が必要です。

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アルブミンを高める食事を心がけて

 

アルブミンはアミノ酸から出来ているたんぱく質である為、人体により近いたんぱく質である肉や魚や卵などの動物性たんぱく質を摂ることでアルブミンを高めることが出来ます。

 

しかし、油脂を多く含む肉や卵を多く摂りすぎると肥満となり肝臓や腎臓に悪影響を及ぼしかえってアルブミンが下がってしまいます。

 

納豆や豆腐など大豆に含まれるたんぱく質を植物性たんぱく質と呼び、摂取することでカロリーを抑えつつたんぱく質を摂ることが出来るのです。ダイエット中の方にはこちらが良いでしょう。

これらの食事を摂る際はしっかりと噛んでから飲み込みましょう。細かく咀嚼することで胃で消化されやすくなり、腸で効率よくアミノ酸が吸収されるのです。

もちろんこれらのたんぱく質を含む食べ物以外にも緑黄色野菜や根菜などバリエーション豊かでバランスの良い食事を心がけましょう。

 

アルブミンと低値になる病気について解説しました。

基本的に栄養不足によるアルブミン低下は高齢の方に起こりやすいものですが、アルコールや高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣が原因で肝臓や腎臓が病気になり、その結果としてアルブミンが低下したり、体内から喪失することがあります。

将来の健康のためにも生活習慣を見直して体内のアルブミンを保ってゆけるように心がけていきましょう。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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