インフルエンザで熱が下がらない。3つの対処法を知っておこう!
<監修医師 ドクターTST>
毎年秋から春先にかけて猛威をふるい、大流行を引き起こす年もあるインフルエンザですが、インフルエンザと聞くとどのようなことを思い浮かべるでしょうか?
感染力が高い、高熱が出るなどを思い浮かべる方が多いと思いますが、今回は「インフルエンザで熱が下がらない」原因など、熱についてスポットをあてていきたいと思います。
気になる所から確認してみよう
インフルエンザで熱は普通何日くらいで下がるのか
インフルエンザとは、ウイルス性の気道感染症のことで、毎年11月〜4月頃にかけて流行しています。
主にA型とB型の2種類が主流で、毎年交互に流行するとも言われています。
インフルエンザは主に患者の咳やくしゃみなどによって感染する飛沫感染と、その咳やくしゃみなどで空気中に撒かれたウイルスを吸い込むことによって感染する空気感染で広がっていきます。
主な症状の特徴は、普通の風邪と同じように寒気やくしゃみ、鼻水が出るなどが初期症状として現れ、それと同時に38度〜40度近い高熱が出ることが挙げられます。
ウイルスの増殖に合わせて高熱が出る
体内に侵入したウイルスは、侵入からおよそ48〜72時間ほどで増殖し、そのピークを迎えます。
インフルエンザの発熱は、ウイルスが増えるピークに合わせて2〜3日ほど高熱が続き、その後4日目から下がり始めることが多いようです。
大人もですが、特に乳幼児の場合は、4日目以降に1度熱が下がっても半日〜1日後に再び熱が上がってしまうこともあるので、熱が下がったからといって安心せずにしばらく様子を見ることが大切です。
インフルエンザと風邪の違い
鼻水や咳が出るしなんだか熱っぽくて調子が悪いな、風邪でも引いたかな?と思っても、インフルエンザと風邪の初期症状が似ている為、違いが分からない方も多いのではないでしょうか?
そもそもインフルエンザとは、インフルエンザウイルスによる感染症のことで、様々なウイルスの感染による上気道炎の総称==風邪とは別けて考えた方がよい「重くなりやすい」病気なのです。
インフルエンザの最大の特徴は全身の症状が強く現れること
風邪の場合は、喉の痛みや鼻水、咳といった症状が中心で、発熱を伴う場合も38度くらいまでと軽度なことが多いです。
一方のインフルエンザの場合にはこれらの症状に加えて、38度以上の発熱や関節痛、筋肉痛、頭痛などといった全身の症状が強く現れるのが最大の特徴です。
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ウイルスの潜伏期間も1〜2日ほどと短いことが多い為、体内に侵入したウイルスの増殖が48〜72時間でピークに達することをふまえると、
これらの全身症状が初期症状から急激に現れた場合にはインフルエンザの感染を疑った方が良いと言えます。
インフルエンザで熱が下がらない原因
発熱は体が自然に治癒しようとしている証拠
そもそも熱が出るということは、異物であるウイルスを撃退する為に脳がわざと熱を生産している状態です。
つまり、発熱することで自然治癒している状態なのです。それでも、何日も熱が下がらないと心配になりますよね。
インフルエンザの高熱のピークは2〜3日で、4日目以降から熱が下がり始める場合が多く、人によっては5〜6日かかることもありますが、それ以降も発熱が続く場合の原因を大きく2つに分けて見ていきたいと思います。
合併症の可能性
熱が5日目以降も出る場合には、インフルエンザウイルスの感染だけでなく発熱を伴う合併症を引き起こしている可能性があります。
大人であれば肺炎や気管支炎が多く、幼児の場合には嘔吐や意識障害、けいれんなどの症状を伴うインフルエンザ脳症などがあります。
この他にも急性胃腸炎や中耳炎、副鼻腔炎、急性脳炎など、インフルエンザの合併症はたくさんあります。
また、熱が1度下がっても半日〜1日後に再び発熱する場合もあるので、熱が下がった後も1〜2日ほどは慎重に様子を見た方が良いでしょう。
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タミフルの服用のタイミング
タミフルとは体内でインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬で、症状の悪化を抑え、さらに症状が出ている期間を短縮する効果があります。
しかし、体内のインフルエンザウイルスが増殖していく時期に服用しないとその効果はほとんど期待できません。その為、初期症状から2日経った48時間以内に服用することが基本です。
3日目以降にタミフルを服用したとしても、すでに増殖のピークを迎えたウイルスを抑えたり症状の出る期間を短くする効果を得ることは難しいと言われています。
それゆえ、タミフルを服用したとしてもそのタイミングによってはなかなか熱が下がらない場合があるのです。
タミフルを服用する場合、医療機関を受診して処方されることになりますが、インフルエンザの検査キットは、初期症状からおよそ12〜24時間経過しないと偽陰性の結果が出る場合があります。
1番良いのは、初期症状からすぐに受診するのではなく、タミフル服用が効果的な期間の48時間以内にあたる、初期症状から2日目に受診するのが良いタイミングと言えるでしょう。
インフルエンザで熱が下がらないときの3つの対処法
発熱しているときは体がウイルスと戦っている証拠ですが、ずっと熱が下がらないと体力も無くなってしまい、体に負担がかかってしまいますよね。
少しでも体への負担を軽減できるような対処法を3つご紹介します。
厚着しすぎない
発熱しているときに暖かくして休むよう言われてきた方も多いと思いますが、発熱しているときと言うのは、体が熱を発散している状態です。
なので、厚着ではなく薄着にして熱の放出を妨げないようにします。ただし、寒気を感じる状態のときには、逆に暖かくして保温して下さい。
効果的な水分補給をする
発熱しているときには大量の汗もかきます。汗をかくことで熱が発散されやすくなるので、その汗が不足しないようにしっかりと水分を補給することが大切です。
このとき、水やお茶だけでの補給だと体液が薄まって脱水症状を引き起こす場合もあるので、塩分や糖分なども入っているイオン飲料や経口補水液等で補給すると良いでしょう。
アセトアミノフェン系の解熱剤を服用する
発熱しているのは体がウイルスと戦っている状態なので、解熱剤で無理に熱を下げない方が良いのではと思ってしまいます。
ですが、ぐったりしているときや38度5分以上の高熱が続く場合などには体への負担を考慮してアセトアミノフェン系の解熱剤を服用するのが良いでしょう。
アセトアミノフェンは子ども用に処方されることが多いですが、効き目が緩やかなので、発熱して自然治癒している状態を邪魔することなく体への負担を軽減させることができます。
ただし、病院で処方された薬がある場合は、一緒に服用しても大丈夫かどうかを必ず確認してから服用するようにして下さい。
以上、インフルエンザの熱についてでしたがいかがでしたでしょうか?
高熱が出ても、対処法や熱の原因となる要素を知っておくと、いざ感染してしまったときに心強いのではないかと思います。
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もちろん感染しないのが1番なので、うがい、手洗いでしっかりと予防することを心がけて下さいね。
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